蛍烏賊(ホタルイカ)
【語源】
当時、マツイカ・コイカなどと呼ばれていましたが、明治時代、
ホタルの生態研究で有名な渡瀬庄三郎博士(東京帝国大)が、この青白
い光からホタルイカと命名しました。
ボストンの世界動物学界へ報告し世界的に認められ、学名は博士の
名をとって「ワタセニア・シンチルランス」と言います。
「イカが水面にのんびりと浮かんでいると、空からカラスが死んで
いるものとかん違いし、ついばみに来ました。
イカはそのカラスを足でからめとり、水中に引きずり込んで食べた」
と言われています。つまりイカは烏を賊害(ぞくがい)する事から、
傷つける事から「烏賊」(いか)という字が当てられたんですよ~。
【旬】
ホタルイカの旬は文句なく春です。
一番の産地富山県新湊では、ホタルイカ漁を観光船で見に行く事が
できます。
まず、大網で海面近くまで引き上げ、そこからは、大き目の
タモの様な物で船上に水揚します。
この時、ホタルイカは危険を感じ、青白く発光し、幻想的な世界を
かもし出します。
マグロ君がみた漁の中で、最も見ごたえのある、美しい漁といえるで
しょう~!
ボイルしたホタルイカ
【うんちく】
ホタルイカの寿命はメスが12~13ヶ月、オスはそれより1ヶ月短いと
考えられています。
オスはメスに精子を渡して死亡し、メスも産卵後間もなく死亡します
。富山湾の場合、新湊から魚津までの沿岸域で産卵します。
このため、沿岸の定置網で捕獲したホタルイカは、ほとんどがメスだ
そうです。
ホタルイカは、蛍のように光るイカだから付けられた名前です。
その発光する仕組みも陸上のホタルと同様で、酵素の働きによるもの
です。体は小さいですが、胴、頭、腕に何と1000個もの発光器を持っ
おり、特に腕の先端にある発光器は強力で、強い光を出します。
ホタルイカの味噌焼き
蛍烏賊のパスタ
【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。
主な産地は、富山県、兵庫県などです。しかし、富山県、特に新湊
漁港で揚がるホタルイカは格別に美味いです。
兵庫や山陰物よりも、ひとまわり大きい為、腸(わた)も大きいの
です。ホタルイカは腸ごと食べる為、この腸の量が味の決め手に
なります。
また、富山湾の滑川から魚津の沖合いは世界的にも有名な「ホタル
イカ」の生息地で、その「群遊海面」は、国の天然記念物に指定され
ています。
ホタルイカのリゾット
蛍烏賊の甘露煮
【産地ならではの漁師料理】
漁師さんのお勧めは、生の踊り食いです。鮮度の良いものは最高!
しかし、腸の部分にアニサキスと言う寄生虫がいることがある為、
それなりの覚悟が必要です。
このアニサキスは加熱によって死滅するため、流通しているのは
ボイルしているものがほとんど。
干し蛍烏賊
酢味噌和えや、甘露煮、天ぷら、しゃぶしゃぶ、塩辛なんかも良い
ですね~!
カラッと干した干物も美味です。お酒が止まりません!
ホタルイカのタタキ
ボイルホタルイカ
【栄養と効果・健康】
ホタルイカは内臓ごと食べる為、他のイカとは栄養価が大きく違い
ます。
腸(わた)には、豚のレバーには及びませんが、牛のレバーよりも
多いビタミンAを含んでいます。
ビタミンAは油と一緒に摂取すると効率的に吸収するため、天ぷらが
お勧めです。
また、ビタミンEも豊富。老化の進行を抑える作用があります。
ホタルイカの天ぷら
蛍烏賊の酢味噌和え
内臓ごと食べる為、コレステロールが多いですが、それ以上にタウ
リンが豊富なため、逆に血液中のコレステロールを下げると言われ
ています。
生ホタルイカの刺身
蛍烏賊のオリーブオイル炒め
ホタルイカと菜の花のかき揚げ
ホタルイカの寿司
タタミホタルイカ
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