写真は2004年2月21日の新宿、朝日生命ホール
「えっ、どうして?」
自分の中では当たり前だったと思っていたことがある日突然否定される時ってある。
ゆきたんくは、演劇を見ることがある。その常設会場のような存在だったのが、新宿の朝日生命ビルにある朝日生命ホールである。写真は、朝日生命ホールの現役最後の日のものである。
当然この日も演劇を見に出かけた訳だが、突然女房から「ここは今日でオシマイなんだよ、ビルを壊すんだって。」と聞かされた訳だ。とっくに知ってはいたのだが、自宅から新宿までの1時間弱の間、その話題はなかった。
女房から、そのことを言われた時に目に入った風景が次の写真である。
朝日生命ビル下から西を臨む
すかさず、写真をとった。頭の中には「斜陽」という言葉が浮かんだのである。太宰治の小説に斜陽というのがある。戦後、財閥解体などで上流階級の人々が没落した時代のことが書かれている。ここがホームグラウンドのような劇団の方がホームを失ってしまい、行く先はどうなるのか…。外野の人間がとやかく言うことではないが、その劇団のファンとしては心配である。
朝日生命ビル
それから4年が経ったが劇団は健在である。この世の中には、いつかはなくなるものもあるが、思い出は無くならない。そう、この朝日生命ホールや、そこで演じられた演劇、与えてもらった感動は無くならないと思いたい。