マイク氏のルーツはフォークと言う話を書いた。
彼を語る上で避けて通れない曲がある。
「チューブラーベルズ」という曲だ。
パート1…25分、パート2…23分という長尺のクラシカルな組み立てをされた曲である。
1973年にヴァージンレコードの第1回新譜として、イギリスでリリースされて、その年の国内最高位は2位。
随分と長い間ベスト10内には残っていたようだ。
それが1年4か月後にようやく1位となる。
自身のセカンドアルバム「ハージェストリッジ」を1位から蹴落としてである。
そんなことは、他ではビートルズしかやったことがない快挙である。
アメリカではグラミー賞の最優秀インストゥールメンタル曲として表彰されている。
その間(かん)、パート1の冒頭が映画エクソシストのテーマとして使われた。
そのおかげでアメリカでは有名になったが、曲を勝手に編集されたのはおもしろくなかったようだ。
日本には「チューブラーベルズ」はエクソシストのテーマとしてやってきたのだ。
曲を聴くだけで怖いという日本人は多い。
ヨーロッパのライブで曲が始まると拍手喝采で盛り上がるのだが・・・
さて、マイク氏のルーツをフォークと書いてきた。
彼の曲のほとんどはギターで作られたものだと思う。
それを他の楽器で表現できないか、そして重ねられないか。
ベストな楽器をチョイスして多重録音をしているようだ。
ただ、この「チューブラーベルズ」はピアノで作ったという。
もともとクラシックピアノを習っていたマイク氏。
ヨハン・セバスチャン・バッハの「トッカータとフーガニ短調」の一部を逆さに弾いていたらできたという話もヨーロッパのテレビに出演した時にばらしている。
曲作りの背景は、自然の美しさを伝えたかったのだそうだ。
表現の音としてピアノが一番だったということらしい。
ギターの音源を見つけた。
フォークには聞こえないが、奏法はオン・ホース・バックと変わらない。
ただフォークと言い切れるかどうか・・・
チューブラーベルズ ハージェストリッジ
Ramon Ruiz plays Tubular Bells by Mike Oldfield