30日
今日
中山七里さん初めて。
本屋さんで映画化を知って、へー綾野剛さんじゃん?MIUで惚れ直したのよね、と、ヒサビサのヨコシマなキモチで手に取りました、とさっ!(笑) んで、帯がシリーズ1巻だけ古そう(よね?)なのが微妙に残念だっ!という~~~(いや改めて買いはしないよ〜)
なんて戯れ言は置いといて。このシリーズはなかなか、とても重いものですね。文庫化されている作品を通して読んで、ちょっとしんどいです。
11月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2241
ナイス数:406
ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人 (角川文庫)の感想
徹底的に子宮頸癌ワクチンを否定する見方から作られた話。始めから若干警戒して読んで、ラストの大どんでん返しもあまり驚かずに読めたのは私、エライっ!いつもこういうお話で解決以前にわかる事、ないからね(笑)それにしても。なかなか怖い作品だった。どうしても現実の社会と重ねてしまうから闇の部分などかなり複雑な思いもあり、苦しくもなり。事件そのものよりも現実の社会に重ねて考えさせられる。ワクチンはどんなものでも副反応はなくならない。そこで私はどちらを選ぶんだろう。打つかやめるか。難しすぎるね。
読了日:11月27日 著者:中山 七里
七色の毒 刑事犬養隼人 (角川文庫)の感想
長編と思い込んで読み始めたら、七つの色を絡めた7編の短編集でした。そしてその一つひとつが社会の中の矛盾や闇、目の前に、隣にある悪意をテーマにしていてそれぞれズシンズシンと心に楔を打ち込まれる作品群。淡々と事件を描き関係者を描きどんでん返しの解決に犬養隼人という刑事の力を見る。更にそこに犬養本人の変わっていく姿も重なる。巧みです。見事です。なんか、完全にこの作風に掴まれたかもしれない、そんな一冊でした。娘との交流。この先も変わっていかれるかな。病が心配ですが。
読了日:11月23日 著者:中山 七里
陰陽師 天鼓ノ巻 (文春文庫)の感想
再読)今回は蝉丸法師に会いたくて手に取る。そしてそこに流れるゆったりとした時の流れにほぅぅ、と息を吐く。このゆるりとゆらりと流れる時の流れが疲れているこころを和らげてくれる。蝉丸法師の盲目となった謂れ、妻の存在は法師が死出の旅路につくまでこのままなのかなぁ。琵琶の音は生で聴いたことがないのだが、聴いてみたいものだと思いつつ音色の世界にゆったりとひたった。
読了日:11月21日 著者:夢枕 獏
切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人 (角川文庫)の感想
初作家さん)久しぶりに寝る間を惜しんで、先が知りたくてうずうず、という状態。グロテスクで背筋の凍る事件。ジャックを名乗る犯人の犯行声明から臓器移植という医療分野が絡みだし、そして。犯人に少しでも近づき止めようとする二人の刑事のやり取り、推理や言動に惹かれ、どきどきしながらページを捲り続けた。ドナーとレシピエント。コーディネーターと医師。iPS細胞。推進派と慎重派。その先に人の死があるということ。人の善意という形の凶器。さまざまな問題を提示しながら事件はラスト思わぬ形で終わる。人ってわからない。→
読了日:11月17日 著者:中山 七里
霊視刑事夕雨子1 誰かがそこにいる (講談社文庫)の感想
ある意味で基本に則って道を外れない刑事もの。そこにちょこっと刺激として霊視が出来てしまう新米刑事さんを入れた感じ。途中のなぞなぞから爆弾を見つける事件に青柳さんっぽいものを感じ、この事件は楽しみました。ただ、本庁と所轄のゴテゴテの対立とかセクハラとか諸々、もう少し何とかならないかなぁ。新米刑事さんのどうにも察しの悪いのもイヤコレスグワカル…(以下自粛)などなど、色々観たり読んだりしている身には困った感じのお話でした。タイトル通りシリーズ物なのね。次巻ではもうちょっと変わっていると良いなぁ、と辛口感想です。
読了日:11月14日 著者:青柳 碧人
つくもがみ笑います (角川文庫)の感想
ふうっと力が抜けた。百年君。そうか。そういうことか。今回は何やら剣呑な始まり方でそこから春夜という十夜の歳は一つ下の男子とその義父阿久徳屋と繋がり、果ては武家とも繋がっての大騒動。付喪神という存在がかなり広く知られて巻き込まれてすったもんだ。その大元が百年君で、そう。そのラストがなんだかとても怖く、でも背筋の伸びる見事な景色を思い浮かべて、そしてほうぅっと力が抜けたのだ。畠中ワールド全開でさらにそれがパワーアップしたみたい。とても面白かった。
読了日:11月07日 著者:畠中 恵
つくもがみ、遊ぼうよ (角川文庫)の感想
読み始めてびっくり。前作よりもおよそ十四五年?経っていて、清次お紅夫婦の子十夜、佐太郎の子市助、鶴屋の子こゆりが中心のお話だった。付喪神たちは子どもの威力に遂に直接会話をするようになり、そして新たに加わった双六の付喪神たちと子ども等で双六勝負をしながら各章が進む。さらに大久屋という札差の大店の子探しが関わり、物語が膨らんでいく。付喪神たちはすっかり子ども等と対等に喋り遊び喧嘩をし。そう。力一杯今を遊んで時に危うい橋も渡り、親子の関係や世間の厳しさまで描かれて、とても魅力あるお話だった。あとがきがまた秀逸。
読了日:11月02日 著者:畠中 恵