今村翔吾作品がほんとに面白い。
読んだ本の数:3
読んだページ数:1043
ナイス数:368
ぶたぶたのお引っ越し (光文社文庫)の感想
今回は3つのお話。受け入れる側、お隣さん、そして引っ越していく側。それぞれの立場から見る人間模様。初めのお話はちょっと後半びっくりした。あ、そっちでしたかー!2番目のお話は哀しさを含みつつも、事故物件でもその部屋が好きだという次の住人に、きっとぶたぶたさんが慰められる一面もあるだろうな、と思う。ラストの物語は、おやっ!なんと「ボディーガード」のその先のお話。あの時の彼女はしっかり芸能界で活躍しているんだなぁ、と同時に今回の彼女もまたこれから前を向けるかな。毎度の事だけど変わらぬ空間にホッとさせてもらった。
読了日:07月20日 著者:矢崎存美
八本目の槍 (新潮文庫)の感想
殿下がまだ羽柴秀吉であった頃、小姓組として同じ釜の飯を食い、ぶつかり高めあった仲間。その仲間からみた1人の人物「石田三成」いや、「佐吉」。あくまでも当時の呼び名でそれぞれの視点から描かれる関ヶ原前後から豊家滅亡までの物語。行きつ戻りつしながら描かれる佐吉の不器用さ、頑なさ、そして誠実さ。現実を突きつけられ何年も経ねば理解できぬ程の、その頭脳から生まれる考えと見ていた未来に震え、大杉に誓った7人の仲間への誠実さも含めて時さえも拒み揺るがない佐吉の心が切ない。時に感傷的になり涙が溢れて次に進む手を止め→
読了日:07月16日 著者:今村 翔吾
恋大蛇 羽州ぼろ鳶組 幕間(祥伝社文庫 い27-13)の感想
幕間ということで、この世界を更に厚くする一冊。3作からなるお話は八丈島に流された彼から始まり、京都は淀藩の彼。そして黄金雛の次世代の面々。転は流される船の中での偽名の付け方から切ない。そして夢胡蝶をまた手に取りたくなる。一途、なんだよなぁ。となると次の弾馬もまた同じ。えーいっバカ!と紗代の立場で彼の葛藤をバッサリ(笑)幸に転がりホントによかった。そして3話目の次代を継ぐ3人。銀治、燐丞、柊与市。火事とそれに絡んだ事件を解く形は変わらずなのだけど最後、彼らを「銀波の世代」と呼ぶのがとてもいいな、と思う。→
読了日:07月01日 著者:今村翔吾