それぞれの一冊ごとにとても印象深いものばかりだったな、な5月の読書
今まで語り尽くしているかな?(いやでもいくらでも語れますよ!)な素子さん関連をちょっと我慢するとして(笑)
高殿円氏。
この方の筆力に改めて惚れました。
本屋さんで見かけて久々に衝動買いした「メサイア」で驚き(カーリーシリーズしか知らなかったので)
その勢いでほぼ2年近く積んだまんまだった井伊直虎の物語「剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎」をやっと手に取り。
こんな風に女性の視点と女性の戦い方で描かれる「戦国」ってほぼなかったと思うから、ここを取り上げたこともすごいと思うし
描かれた内容も、頷ける戦い方と生き方にほんっと夢中になってページをめくり。
剣と紅の意味。ラストは自然と涙…
生々しいこともあるしドロドロしてることもあるし神がかりも、ある。
そもそも香(カグ=直虎)自身にある力があることで、彼女は数奇な人生を送ることにもなるのだし。
でもそれを納得できるんだよね。そして何だかんだいって政次と相容れないけれど並び進む道、なんだよね。
面白かったなあ。
そして思う。。ああ、映像もここを外さなければ絶対いいものに、、なる、、と、、、、思うんだけどさぁさいきんちょぉ~~~っば…っ…(以下自主規制)
そのまんま次は去年の大河ドラマ@真田丸関連で「真田三代」に突入しようとしたんですが
諸般の事情によりちょっと休憩中(笑)
しかしほんっとこのところの私は。
昨年は「真田丸」と「武田信玄」
今年は「おんな城主直虎」(←ま、ちょっと最近挫折気味
)と「風林火山」の2本の大河を毎週追いかけ、
今通う舞台は力いっぱい信長逝去から8年後の関東平野(きゃぁ~~~
笑)
どこまで戦国の世を読んだり観たり体感(!?)してるんだ~~~!
いーんです。だって面白いもの。やっぱりこの時代は。何だかんだ言われるけどさ、面白いよ?ね(^^)
5月の読書メーター読んだ本の数:12
読んだページ数:4017
ナイス数:1169
剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎 (文春文庫)の
感想井伊直虎、2017年大河ドラマ決定!と帯がついたまま、ずっと積んであった一冊。長すぎる積読本でしたが、読み始めればあっという間。とても興味深く面白い作品でした。女が戦国の世で「家」を守るために何ができるのか。人であって人に非ずな宿命を負う香がその力と女ならではの繋がりでひとつの国を守り後に繋げる物語は普段よく見る男視点とは違い、でも覚悟は全く同じ重く厳しいものでした。その中でどうしても目がいったのは小野政次。この人の何とも不器用で彼の視点からすれば曲げられない道はどうにも堪らなく非道で。けれどもとことん→
読了日:05月31日 著者:
高殿 円メサイア 警備局特別公安五係 (講談社文庫)の
感想本屋さんで衝動買い。高殿さんってこんなハードな世界も描くのですね。カーリーシリーズしか読んだことがないもので、始めからなかなか厳しい世界と描写にギョッとしつつ、でもそのきっちりと作り込まれた物語は一瞬も目を離せず先へと急がせられて、緊張しつつラストになだれこみました。が。この作品は舞台の原作?映画?え?TVシリーズ?全く知らない(^^;もう少しこの二人の世界をこの活字の形で読んでみたいです。続きって、ないのかな?(でもその先にメサイアはあるかというと……)
読了日:05月25日 著者:
高殿 円とりかえばや物語 (文春文庫 た 3-51)の
感想この一冊から思い浮かぶのは氷室冴子せんせの「ざ・ちぇんじ!」そちらを若き日(笑)に読んだけれど原点(?)のこちらは今回が初めてでした。そしてあとがきにもありますが、こんな物語がかの時代に生まれていたことに驚きます。まったくだらしのない男たち。妙にきっぱりはっきりとした女たち。確かに女性の作ったお話なのだろうなぁ、と思いつつ、それにしても男性軍の動きはひどすぎないか?唯一見事なのは帝だけ?とか、つい文句を言いつつ楽しみました。女が自ら生き方を選んで進む。昔からそんな憧れはそれぞれの中に秘めてあったのですね。
読了日:05月21日 著者:
田辺 聖子ネバーランド (集英社文庫)の
感想再読)きっかけは有川浩著「旅猫リポート」そこに出てくる人物とこのネバーランドの寛司が重なって。というせいか、寛司が両親に向かって叫ぶ言葉の一言ひとことが胸に刺さった。親がそれぞれに一人の人間ならば子もまた一人の人間なのだ。背負うものはそれぞれで、それぞれの中で葛藤しもがきながら、でもこの最上の「今」を共に生きる。何度も読んでいるのに何度も気持ちを掴まれて振り回されて揺さぶられて、そしてその「今」を大好きだ!と思って本を閉じる。彼らの今の「家」を大切にね、とおもいながら。
読了日:05月20日 著者:
恩田 陸ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)の
感想上の子の本)部屋に置いてあるのを見て借りる。そして一気読み。社会人2年生を持つ親として忘れてはいけないことを改めて教わった気がする。自分に置き換えるには今の社会人は昔と変わりすぎていて想像をはるかに越えるのでなかなか難しいが。たくさんの大切なことを読んだ人それぞれの立場に伝えてくれる一冊だな、と思う。ラストが鮮やかだったなぁ。こう来るか!?とスキッとしました。救う、というよりも共に歩む。そんな二人の未来を祈ります。
読了日:05月18日 著者:
北川恵海髑髏城の七人 (双葉文庫)の
感想友人からの頂き物)現在上演中の劇団☆新感線「髑髏城の七人・花」その骨格とも言うべき位置にこの小説はあるんだな、と思う。キャスティングは「花」の方々が自然に浮かびつつ、でも圧倒的に心情の流れが納得できる物語としてこの小説があった。アカ、アオを知らないので比べられないけれど、一人二役の方が気持ちの動きは捉えやすいかもしれないなぁ。特に中心の二人に関しては。舞台での違和感をきっちり補完させてもらい、次に観に行くのか楽しみにもなった。予想外にとても読みやすい文章でもあり舞台を観ない人でも面白い物語と思う。
読了日:05月18日 著者:
中島 かずき旅猫リポート (講談社文庫)の
感想単行本にて読了済 再読)サトルとナナの命の物語。ナナの引き取り手を探す、という名目であちこち散らばるサトルの友を巡りながら命と向き合う。サトルの周りはその都度笑いが溢れあったかく爽やかでほっとして。最終地でもそれは変わらず。視点がナナだったり古くからのサトルの友人であったりしながら進むこの形がまた、徐々にせまるその時、を辛くありながらも淡々と覚悟をもって向かえさせる。涙腺大崩壊は必至だけれど、ね。図書館本で読んで以来、文庫になったら絶対手元に置くと決めた一冊。寝不足の朝を迎える形になった今朝、心は温かい
読了日:05月16日 著者:
有川 浩幽霊物語 (下) (集英社文庫)の
感想実はあとがきが久美沙織さんで新井素子さん結婚話に触れていると知って手にしたこの作品。下巻は主人公のふたりがなぜ幽霊になって出会ったのか、その意味が明かされ、それぞれの生前から死後の問題に向き合う訳だけれど。最後はこうなるのね、と、それは何となく始めから予想は立つんだけれども。なんでしょうね。ほんっと、あっさりとした話運びでさらりと読めて、でも立ち止まると結構な残酷さ。面白かったですけど。赤川作品ってみんなこんな感じなのかな?厳しい内容で納得いかないこともあるけどさらりとしていて頷かされる、そんなお話でした
読了日:05月13日 著者:
赤川 次郎幽霊物語 (上) (集英社文庫)の
感想交通死亡事故で幽霊になってしまったワンマン社長とそれより2年前に暴漢に襲われて幽霊になってしまった女の子。それぞれの会社と家族がどうなっていくかを幽霊の立場からヤキモキしつつ心配しつつ進む話は、なんだろう。とても懐かしい感じがする。社長側より女の子側がずっと苛酷で残酷…なのにコミカルな雰囲気を外さないのは赤川作品ならでは、かなあ?私はシリーズ物を一つしか今まで読んだことないのですが。先が気になるので直ぐに下巻へ!
読了日:05月12日 著者:
赤川 次郎ひとめあなたに… (角川文庫)の
感想とても久しぶりの再読)読み終わった途端に溢れる切なくやさしい想い。こんなこと今までなかった。各章ごとに非常にあからさまな人の行動を描かれることで、圭子という主人公の心と行動に焦点をなかなか合わせてこなかったんだと振り返る。チャイニーズスープとか走り続ける少女、夢はどっち?という女の子に目を奪われて。そちらの方が強烈だから印象にも強く残ってしまうから。でも今回は最終章の朗の想いが凄く実感できて、本当にここまでよく狂うことを選ばずに生きてたどり着いてくれた…と思う。「ひとめあなたに…会いたかった」これだ。
読了日:05月09日 著者:
新井 素子グリーン・レクイエム/緑幻想 (創元SF文庫)の
感想再読)変わらず重いものをずしんっと預けられ、受け止めかねる自分を見る。「グリーン・レクイエム」は素直に読めたんだけれども、「緑幻想」がキツかった。というか体力必要な作品であったことを改めて実感。祈ること。想うこと。求めること。受け止めること。それぞれがそれぞれの立場で。覚えていても忘れてしまっても、忘れさせられても。本質の部分で同じでありたい、と思う。この地球に生きる命として。今回は夢子の想いが一番近いなぁ。きみどり色といちめんのなのはな。
読了日:05月07日 著者:
新井 素子ストーリー・セラー (幻冬舎文庫)の
感想再読)初読は単行本で図書館本。なんだろう。この物語はその時の自分の状況で揺さぶられ方が全く変わるのか?締め付けられる切なさと無力感、別れの怖さなど哀しみの方向の感情が、なぜか今回爆発することがなかった。それは初めに読んだ時から時間は流れてその間に私自身それなりに経験をしてきたから、だろうか。どこかに「その時」への覚悟が出来ていて受け止め方が変わっているように思う。夫婦の在り方。お互いへの想い。sideAもsideBもそれはとても理想的で夢のよう。共に歩む「いま」を力の限り生きる。その強さに憧れる。
読了日:05月05日 著者:
有川 浩読書メーター