小野 不由美 著 講談社X文庫ホワイトハート
「月の影 影の海」「風の海 迷宮の岸」「東の海野 西の滄海」「風の万里 黎明の空」「図南の翼」「黄昏の岸 暁の天」「華胥の幽夢」
現在刊行されている作品がこれだけ。ほかに、他社で「魔性の子」という、こちらとあちらに関係したお話が一冊。
どう、書こうかと迷った。
12の国に12の王。その王を天命によって選ぶ麒麟が12。
その、「慶国」の王の選定を発端としてはじまる、長い長い、物語。
別世界の壮大な年代記、といえばいいのか。とにかく、別世界を作り上げるわけだから、それだけ壮大で遠大なお話になることは必至で、12個も国を作ってしまって、一体このお話に終わりは来るんだろうか・・???と、大変余計なお世話で不安を覚えてしまったりもしたのだけれど。
1つの作品で一国を中心にして著し、その一つ一つが上手に重なって、この十二国の世界がとても生き生きと目の前に迫ってくる。
虚海を隔てた「倭国」は現在進行形で私が生きている「日本」で、そして中国は崑崙が十二国とは「蝕」と呼ばれる天災でつながり、そのことが更にこのお話に厚みを加える。
神や仙が実在し、王が麒麟によって決まれば、その国はその王が天命にそむいてしまわない限り、何百年でも治め統治し、もし、王が道を誤れば、それがたった数年であろうともあっという間にその国は傾き、妖魔や災害が襲ってしまう。非常にルールがはっきりと定められた、そこは神の庭にも見える。
とにかくこちゃこちゃと感想を書くことが私にはできないのだけれど。
これまでの刊行本を読み終わり、その印象深い沢山の事柄から1つ。
日本の高校生で、景麒に選ばれて慶国の女王となった中島陽子。
彼女が戴国の麒麟を探すために動き、各国の麒麟たちの必死の探査の後日本にいることを見つけ出して連れ帰った後に、戴国の将軍との会話の中で言った言葉。
「もしも天があるなら、それは無謬ではない。実在しない天は過ちを犯さないが、もしも実在するなら、必ず過ちを犯すだろう」 (「黄昏の岸 暁の天」下巻より抜粋)
天が実在するならば過ちを犯す。
慶王は、ある意味、この物語の中心人物でもある訳で、そんな彼女がいうこの言葉は、なにか今後を示唆しているように感じて仕方が無い。
この別の世界が、今後どうなっていくのか。
天が過ちを犯すことがあるのならば、逆に天はその過ちを正すこともあるのではない?
ある種の期待感をもって、読み終えた。
この後が出てないんだよね。なんでも筆は取っていらっしゃるらしいんだけれど・・・・・
いろいろがとても気にかかる。
でも、良く考えるとそれはすべて、この世界にたいする興味のように思う。
この不思議な世界。私の現実の裏側に存在する人々。決して行くことのできないその未知の世界をのぞき見て、人々の、神仙の、生き方を見て知りたい。
そんな強い欲求を感じる物語。
・・・「魔性の子」については、後日感想をUPする予定・・・
「月の影 影の海」「風の海 迷宮の岸」「東の海野 西の滄海」「風の万里 黎明の空」「図南の翼」「黄昏の岸 暁の天」「華胥の幽夢」
現在刊行されている作品がこれだけ。ほかに、他社で「魔性の子」という、こちらとあちらに関係したお話が一冊。
どう、書こうかと迷った。
12の国に12の王。その王を天命によって選ぶ麒麟が12。
その、「慶国」の王の選定を発端としてはじまる、長い長い、物語。
別世界の壮大な年代記、といえばいいのか。とにかく、別世界を作り上げるわけだから、それだけ壮大で遠大なお話になることは必至で、12個も国を作ってしまって、一体このお話に終わりは来るんだろうか・・???と、大変余計なお世話で不安を覚えてしまったりもしたのだけれど。
1つの作品で一国を中心にして著し、その一つ一つが上手に重なって、この十二国の世界がとても生き生きと目の前に迫ってくる。
虚海を隔てた「倭国」は現在進行形で私が生きている「日本」で、そして中国は崑崙が十二国とは「蝕」と呼ばれる天災でつながり、そのことが更にこのお話に厚みを加える。
神や仙が実在し、王が麒麟によって決まれば、その国はその王が天命にそむいてしまわない限り、何百年でも治め統治し、もし、王が道を誤れば、それがたった数年であろうともあっという間にその国は傾き、妖魔や災害が襲ってしまう。非常にルールがはっきりと定められた、そこは神の庭にも見える。
とにかくこちゃこちゃと感想を書くことが私にはできないのだけれど。
これまでの刊行本を読み終わり、その印象深い沢山の事柄から1つ。
日本の高校生で、景麒に選ばれて慶国の女王となった中島陽子。
彼女が戴国の麒麟を探すために動き、各国の麒麟たちの必死の探査の後日本にいることを見つけ出して連れ帰った後に、戴国の将軍との会話の中で言った言葉。
「もしも天があるなら、それは無謬ではない。実在しない天は過ちを犯さないが、もしも実在するなら、必ず過ちを犯すだろう」 (「黄昏の岸 暁の天」下巻より抜粋)
天が実在するならば過ちを犯す。
慶王は、ある意味、この物語の中心人物でもある訳で、そんな彼女がいうこの言葉は、なにか今後を示唆しているように感じて仕方が無い。
この別の世界が、今後どうなっていくのか。
天が過ちを犯すことがあるのならば、逆に天はその過ちを正すこともあるのではない?
ある種の期待感をもって、読み終えた。
この後が出てないんだよね。なんでも筆は取っていらっしゃるらしいんだけれど・・・・・
いろいろがとても気にかかる。
でも、良く考えるとそれはすべて、この世界にたいする興味のように思う。
この不思議な世界。私の現実の裏側に存在する人々。決して行くことのできないその未知の世界をのぞき見て、人々の、神仙の、生き方を見て知りたい。
そんな強い欲求を感じる物語。
・・・「魔性の子」については、後日感想をUPする予定・・・