掴まりました。
ガッツリしっかり心底…
この物語、いいですよ~!
上橋菜穂子先生の頭の中。あとがきや対談で垣間見えるその考え方。
それを表している部分は随所に感じられ、見事に織り込みながらこれだけの世界を作り上げるその力に惚れ込んでしまいます。
これはドラマをやるってことで見るか見ないか散々迷い、ならばとにかく先に原作を読めよっ!
ってことで、下の子から小学生の頃からずっとずっと勧められ続けてきた第一作「精霊の守り人」をやっと手にとったんですけれど、、、
(カタカナの名前がとっても苦手でしてね。頭に入ってこないんです。。そしてシリーズを追うごとにその事にはちょっぴり苦労したんですけどね
)
もうね。私はすっかり大人になっていますから(の、はず…)ここで読まなかった日々への後悔はないんです。
だって子ども時代には生まれていない物語ですから。
先にエリンの方はしっかり読んでいますしね。
でもね。
いま、子どもな子たちにはね。
小学生でも中学生でもそして高校生でも。
読もうかなどうしようかな?って迷ってるのならば一日でも早く手にすることをお薦めします。
そして一気にシリーズを読み終えたならば
できることならば手元に長く置いてもらって2度3度…大人になって色々なことを経たあとにも読める状態にしていただくことを。。願います。
読み返すたびに違うものを感じる。見つける。考える。。
そんな作品の一つだと、思うのです。
もちろんそれは、すっかり年齢的には大人な私も同じこと。
繰り返すことできっとまた違うものを感じるし発見するし思う。
ですが。子どもの頃から読み続けて今に至るまで手元にある何冊かの作品を思い返すと、ね。
この精霊の守り人シリーズもそんな貴重な作品ではないかな、と思うのです。
2016年4月の読書メーター読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2726ページ
ナイス数:1271ナイス
軽装版 炎路を行くもの 守り人作品集 (軽装版 偕成社ポッシュ)の
感想ヒュウゴとバルサのそれぞれの若き日の物語。そして誰もが人生というそれぞれの大河の主役なんだと分かる物語。ヒュウゴの生きてきた道はとても気になっていたのだが、この物語が「蒼路~」の前に出来ていてそこから「天と地~」が広がったというあとがきでの上橋さんの言葉に驚いた。が、さもありなん、と思わせる世界の広がりをこの中編に感じとても惹かれる。バルサの思い起こす形での若き日の物語にも。読み込む程にきっとまた違う発見のあるであろうこのシリーズ。また最初に戻りたい衝動に駆られている。
読了日:4月27日 著者:
上橋菜穂子流れ行く者: 守り人短編集 (新潮文庫)の
感想タンダとバルサが子どもの頃の短編集。短編といえどそこには様々な人々の生活と思いも詰まっていて読み応えは充分。ジグロとバルサの逃亡生活のほんの一時期と、そして前後にタンダの日常。まだ家族と暮らしていた頃、どんな風にバルサと、そしてトロガイ師と関わっていたのかが垣間見える。なんていうか、いとおしい。この子たちに幸あれ、とその先をもう知っているのに願う。過去のこんな日々の中でこのふたりはそれぞれを確立して生きて来たのだな。土台。根っこ。厳しさもまた容赦ないけれどもほんの少しでも時おり見える温もりにほっとした
読了日:4月22日 著者:
上橋菜穂子天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)の
感想遂にここまで来てしまった。遂に終わってしまった。あれこれとひとりひとりに思うこと、感じることが多すぎてとても書ききれない。とにかく見事な大団円。チャグムの旅の始まりの本当のきっかけから新しい世の中を作り上げようとする所までが見事に描き上げられていて最後は感動とそして静かな気持ちが同時にあった。チャグムの選び進む道。バルサとタンダの進む道。そしてトロガイ師…。たくさんの悲しみ、苦しみはあれども誰も欠けることがなかったことに、とにかく今は心の底から安堵している。
読了日:4月19日 著者:
上橋菜穂子天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)の
感想バルサとチャグム。命懸けで守り守られながら進む二人。命を狙われながら、何度も絶望を味わいながら、それでも次の道を探し前に進む。その中でチャグムは既に幼い11才の少年ではなく、また南の大陸に連れていかれた頃のものでもなく、ああ、こうして少年は大人になっていくのね、と一抹の寂しさと誇らしさと両方を抱いてしまった←親目線(^^;重なる世界が思いもよらぬ危機をもたらすこともわかり、一体この先どうなるのか?と思うと読むことを止められない。再びそれぞれ別れたふたり。どうか笑顔で再会できますうに…祈る
読了日:4月17日 著者:
上橋菜穂子天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)の
感想今まで読んできた物語が大河に流れ込むように一気に激流になった。物語初めのチャグムへのそれぞれの想い。そして依頼があって以降の彼らの状況の変化。タンダの否、と言えない選択に胸がつまり、バルサの必死にチャグムを追う姿に焦燥感を感じ、ロタ王国の内情、新ヨゴ皇国の状況と、そこに飛び込んでいくチャグムには息がつまりそうになり。それはラストまで変わらないし八方塞がりにしかみえない今の状況。それでも、もがき、あがきながらここを何とか変えていこうとするそれぞれの人たちの姿を生き様を追いかけるしかない。苦しい。
読了日:4月16日 著者:
上橋菜穂子蒼路の旅人 (新潮文庫)の
感想チャグムの物語。彼のあの卵を宿した最初の旅がここまで暗い影を落としていたとは。父と子の間にある全く相容れることの出来ない違いに衝撃を受けた。そんな中でチャグムは更に外の世界を(意に反する形とはいえ)厳しく見せつけられることになり、若さと柔軟さ、そして持つ鋭敏さで受け止める。ラストの大きな決断はチャグムならばきっと乗り越えて行く、と信じたいのだけれど、ロタ王国も火種を抱えているしなぁ…。今の私はジンと似た気持ちかもしれない。今は重なる世界を感じつつ海にいる彼に幸あれ、と祈りながら最後の章に入ります。
読了日:4月12日 著者:
上橋菜穂子神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)の
感想神とは何なのか。どんな時代も人知を越えた力を持つものを神と崇めて何とかその力から逃れよう、恩恵のみを頂こう、と人は行動すると思うけれど。アスラに宿った異界の神は何となくチャグム(卵)を追ってきたものに重なるからかどうにもやるせない。バルサの言葉が重く、そして兄とバルサに自らの道を最後に選んだアスラが辛い。辛いけれど強い。物語はとことん容赦がなくて、ロタ王国の大きな火種はそのまま、一番恐ろしく思うシハナもそのままで幕を下ろす。アスラが柔らかな花の香りの生地で衣を作れる時が来るのかな。今はそんな未来を祈る。
読了日:4月10日 著者:
上橋菜穂子神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)の
感想いままで以上に血の臭いの濃い一冊。始めからその厳しい状態にかなり不安なまま読み進めた。ロタ王国も国の内部は揺れに揺れて。そしてここにも重なった別の世界が見え隠れする。あちらの世界がとにかく恐怖。そんな中、バルサと幼い少女がほんのひとときを過ごしたヨゴの店が温かい。ラスト、その店の主が少女にかけた言葉に確かな人の温もりと力強さを感じられて彼女と同じように涙をこらえた。あ、そうか。私はこの少女に気持ちをかなり重ねていたのかな。さて下巻へ。タンダと少年も心配。どこに向かうのか、な。(不安)
読了日:4月5日 著者:
上橋菜穂子読書メーター