のんびりぽつぽつ

日常のこと、本のこと、大好きなこと・・・
いろいろ、と。
のんびりと。

家守綺譚

2011年09月08日 20時40分47秒 | ★★梨木香歩
梨木香歩 著
新潮社


行きたかったなあ。。朗読劇。。。
友人さんがこの作品の朗読劇に出かけてきて、(それで初めてそんな舞台があったことを知った。。)
場所が大阪じゃ私はどうにもできないわけで。
ああ、大阪・・・・・と気持ちを飛ばしつつ。


とても久しぶりの、、梨木ワールドでした。


学生時代、ボート部に所属してある日、湖から帰ってこなかった友人。
その友人の家を守るという仕事を糧に、執筆活動に励む(??)綿貫征四郎。
彼の一風変わった視点から、この世とあの世の狭間を垣間見る・…ような、物語。

草木の名前を章のタイトルにして、
家守を始めてからほぼ一年間をのんびりゆったり、、カワウソのごとく書き綴る世界。
そこに流れる時間の緩やかさと穏やかさ。
家の中にカラスウリが生えようが、河童が疎水に出ようが、何回狸に化かされようが。。
綿貫は綿貫で。

一向に動じない。

湖に消えた友人、高堂が水を通じて帰ってくることも、ごく普通に受け入れるその精神の広さというか太さというかゆるさというか何というか。。
気が付けば私もそんな世界に身を置いて、
竹林を迷い、
松茸を探し、
ゴローと一緒に彼方の淵に足を踏み込む。。。


最初の感想はこちら


なんとなく、受ける感覚が同じことにほっとして。
月日と共に、一冊の中のふと心に止まる部分は変わって行っても、
それでも、この緩やかに流れる世界の時間に、自分が浸れることに安心する。

変わっていく世界。
変わらずにいる場所。
流れ去る時間と、いつまでも止まる時。
そのどちらにも身を置いて、どちらにも置かない生活を。。なんだかいま憧れていたりする。。
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「ペンキや」

2007年02月04日 22時20分34秒 | ★★梨木香歩
梨木 香歩 著・出久根 育 絵。
理論社。

梨木さんの絵本シリーズ3冊目。
以前の2冊よりも、随分と難しい・・・ような気がします。

ペンキやの息子に生まれ、ペンキやになった一人の少年しんや。
父親の歩んだ道を自分も歩み、そして、相手の望む色を見つけ出してはペンキを塗る。
その一生は、職人として真摯に仕事と向き合った日々。

色。
沢山の色を沢山たくさん塗り続けると、最後はどうなるの?
どうしても
まっくろ。
と答えたくなってしまうのだけれど、
この本に教えられる。

ユトリロの、白。

人生を精一杯に生き、伴侶と共に歩む。
その一生の最後の色が、白。

とても、
とても、人の一生に対しての、精一杯に生き抜く人たちに対しての暖かさを感じる。
同時に、
その一生の最後の瞬間は、衝撃でもあったのだけれど。
(でも、死とは、そういうものかもしれない、とも、思う。)

私が塗り続けている沢山の色は、最後に「ユトリロの白」になれるだろうか。

ふかく、深く。
明るく、あたたかい、白。

そんなことを思いつつ、本を閉じる。

ふしぎな絵と共に、深く考えさせられる一冊。

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「マジョモリ」

2006年10月24日 20時32分37秒 | ★★梨木香歩
梨木 香歩 作・早川司寿乃 絵
理論社

今日も絵本です。
「蟹塚縁起」と合わせて梨木さんの絵本シリーズでした。(昨日気づけよ!!)
まだ帯にはあと一冊あります。手元にはありません・・・いかんいかん・・・

さて。
「マジョモリ」
これは昨日の「蟹塚縁起」とは一変して、とてもやさしい物語。
少女が空色の草のつるに導かれて、まじょもりのお茶会に招待されるお話です。
やさしい絵とやさしい文章。
「西の魔女が死んだ」のような雰囲気でした。

春の花を咲かせる神様(ハナちゃん)にご招待されたってことなんだけれど、ちょっとおもしろかったのが、少女のお母さんの描き方。
模範的なお母さんじゃあないんです。
普段はきまぐれで、どうも娘の行動には興味を示さない、そんな人。
娘がハナちゃんにご招待されたって聞いて『私もご招待されたーい!』って泣いちゃうし、
娘の言づけから自分も招かれると、娘と同じくらいの年齢の少女に戻っていて、ちょっとキツイ性格で、娘とおもいっきり口げんかをしているし。。
(それでも、出かける前にはちゃんと火の元を点検しているところが主婦・・なんですが・・・)
絵本のお母さんって大概やさしくてしっかりもので・・みたいじゃないですか。全然そんなところがないんです。
(それでいて、不意に親の行動をとるところも見え隠れしていたり・・)
いいなあ。こういうの・・私も子どもに戻って、好き勝手言って対等に娘たちと口げんかしたいなあ、、なんて想像しちゃいました。

まじょもりの中で、ハナちゃんと一緒のお茶会。
ハナちゃんが初めて食べる生クリームを使ったお菓子。

日本の風土にお茶会は何処となく異国の雰囲気。
独特の世界が違和感なく感じられるから不思議です。

そうそう。
絵本ならではのことが、ラストのラストにあって、それがまたうれしかった一冊でした。
(絵の早川さんは、「からくりからくさ」等の装丁画も担当されている人ですね。だからかな、梨木さんのやさしい文章にぴったりと合う安心した絵でした。。)


さて、残りの一冊「ペンキや」も探してきましょうか。
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「蟹塚縁起」

2006年10月23日 21時21分52秒 | ★★梨木香歩
梨木 香歩 作・木内 達朗 絵
理論社

梨木さんの、絵本です。
帯に「・・・あなたがその恨みを手放さぬ限り・・・」と、ある通り、
これは、とうきちという百姓の若者の、前世からなる恨みと、その先の物語。。
ある、青白い月夜の夜。その一夜に起こる不思議なお話。

人を恨むこと。
人を許すこと。
人に報いること。

この3つが淡々と描かれる、暗いトーンの絵と文章。

梨木さんの長編ばかり読んできましたが、それがぎゅう~~~っとつまって、1つの絵本に出来上がっている。
すごく、単調で、ものすごく奥が深い作品でした。
久しぶりに、じっくりと、ゆっくりと、1つの物語を読み終えた気分。
穏やかにゆるやかに、この先のとうきちと名主親子は生きていくのでしょう。
土と共に。月と共に。
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「沼地のある森を抜けて」

2005年12月02日 14時52分32秒 | ★★梨木香歩
梨木 香歩 著 新潮社。

梨木さんの最新刊。ぬか床と沼地のお話ですってことで、今回お終い・・・って、分けわかんないですね。
帯には、 「からくりからくさ」に連なる、命のものがたり とあります。なるほど、とも思うし、ちょっと印象は違うかなあ、とも思います。

両親を事故で亡くしてから、いままでずっと一人暮らしを通してきた上淵久美。母親の妹、時子叔母が自宅で亡くなったことから、家宝の「ぬか床」を受け取ることになる。この、ぬか床が・・・只者ではないのだ。手入れする人を選ぶは、うめくは、叫ぶは、卵は産む(??)は・・・
そして、「カッサンドラ」という不気味でとても気分の悪い女が卵から孵った後、状態が悪くなってしまったぬか床のために、「和からし」を入れたことから話が動き出す・・のかな。帰りだす・・といった方がいいのかな・・・?
自分の祖先をたどり、出身の島にわたって「ぬか床」を沼に帰すために、風野という酵母菌の専門家で亡くなった叔母ともぬか床のことで知り合っていた男性(だけれど、男という精神を否定している人。というか、性を否定しているのかな?)と共に久美は島に渡る。

その合間に3話、別のお話が組み込まれる。違う視点から描かれるお話。それがまた絶妙に本編に絡まる。大木にからまる蔦のように、からくさ模様の、ように。

命。
その一番小さな単位ともいえる、細胞。太古の昔にうまれた、たった一つの細胞が、生き残ろうといろいろなことを試みる。分裂と再生と変化と変異と・・・その中の1つの方法として、沼地という特殊な状態が生まれ、島と、そして受け容れるだけのゆとりをもった人々に守られつつ時を経て、時代の流れに逆らえず、島を出てぬか床となる。
それがいま、人のいなくなった島の沼地に帰ったとき、その後がどう変わっていくものかそれは、まだ誰にもわからない。

平和に滅びていくという、沼の人たち。
変わっていくタモツくんとアヤノちゃん。
風野さんと久美さん。

どんな形を取っても、何に形を変えても、伝わってゆく何かがある。生命は、いつか必ず、光のように生まれてくる。

今までの、梨木作品とは、ちょっと違う印象を受ける。
やわらかさ、だろうか。
物語のなかに、激しいものが確かに存在するんだけれど、そこを今までのように鋭利に切り込まずやさしく描く。
生命に対するあたたかさを感じるような・・・なんとも言いがたいのだけれど、あえて言うならば、非常にやさしい物語。

命とは何なのか。白銀の世界とは何なのか。変わるというのは、どういうことか。
その先にあるものは、一体何なのか。


余談。
久美さんがぬか床をかき回している、物語導入部。ぬか床のにおいがしてきた。実家のぬか床。おいしいお漬物。冬はちゃんと塩で蓋をして、すっぱくなりそうだと「和からし」を入れて・・・母がそうして手入れをして、もう何十年も生きているぬか床。うーん!ぬか漬が食べたい!!でも、来春までお預けだよなあ。今は冬。ぬか床は「お休み中」なんだもの・・・。
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「村田エフェンディ滞土録」

2005年11月25日 17時31分00秒 | ★★梨木香歩
梨木 香歩 著 角川書店。


百年前、大学で考古学の講師をする村田君が日本国の代表として土耳古(トルコ)に留学している間の滞在記。
「エフェンディ」というのは、おもに学問を修めた人物に対する一種の敬称で、下宿先の家の使用人ムハマンドが名前につけてそう彼を呼ぶ。
この下宿。
主人は英国人のディクソン夫人。使用人のムハマンドは土耳古人。村田は日本人。そして考古学者のオットーは独逸(ドイツ)人、発掘物の調査に当たる研究家ディミトリスは希臘(ギリシア)人と、多国籍の下宿。否応なく、梨木さんのエッセイ「春になったら苺を摘みに」を思い浮かべる。
そして、ムハマンドに道で拾われる鸚鵡(オウム) の話から滞在記は始まる。

異国の人々の集うことの楽しさ。奥深さ。複雑さ。
国家、宗教を乗り越えられる『個』の力。
そして、抗うことのできない『時代』の悲しみ。

そこここにそんなものが見え隠れするお話のように思った。
時の流れ。時代の変化。それは否応なく、この多国籍なディクソン夫人の下宿にも押し寄せ、土耳古を離れた後の村田もその中で悲しむことになる。
その全ての流れを「鸚鵡」が見つめる。不思議な目をした不思議な鳥。話の中心にいるわけではないのに、なぜか彼(でいいのかな?彼女かな?)がこの物語をまとめる、つなぎとめる役割なのだと、涙で読み終わった後そう考える。

ところどころに出てくる神々の気配は、「家守綺譚」の雰囲気を思い出す。綿貫と高堂も終わりのほうで顔を出しているし、あちらのお話にそういえば村田氏もちらっと出ていたっけ。
全体にどこか陰の印象のある今回の物語のなかで、2階の屋根裏(??)を大騒ぎで駆け回る八百万の神々のくだりは、私にはちょっとほっとするものでもあった。

梨木作品は、いつも非常にエネルギーを必要として、一気に読めなかったり、読む前にとても「覚悟」が必要だったりするのだが、それは、私の中に隠れる様々な感情を読み終わった後に引っ張り出されるからなのかもしれない。
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「春になったら莓を摘みに」

2005年07月28日 12時08分30秒 | ★★梨木香歩
梨木香歩 著 新潮社

梨木さんの書き下ろしエッセイ集。
今までいくつかの本を読んで、とてもこの「作者自身」に興味を持った私。

このエッセイは、何回も短期滞在をしているイギリスとカナダの2箇所でのお話がつづられます。
著者が英国留学時代をすごした、下宿の女主人ウェスト夫人(児童文学者ベティ・モーガン・ボーエン)にどんな風に影響を受け、視野を広めていったのかがよくわかる本になっていました。
ウェスト夫人の「理解は出来ないが受け容れる」徹底した博愛精神。
それが、梨木さんの作品に少なからず影響をし、作品群に潜む、あの確固とした1つの考え方の基本になっている気がします。
実際、読み進むにつれて、ほんとうに「からくりからくさ」の4人の共同生活の現実版がここにあるように感じ、「西の魔女が死んだ」のあのおばあちゃんとの夏がそこにあるように思います。
どんな人の考え方も受け容れ、でも自分を見失わず確固とした信念を持っているウェスト夫人は、けれどもその考え方を決して人に押し付けない。
こんな人に出会えるなんて、なんという「縁」でしょう。

この留学時代にこの下宿に住まなかったら、彼女がたとえ作家の道を歩んだとしても、こういう作品になったかどうか・・?

梨木さんの作品に違和感を覚えることも多々あったりしたのですが、そういう面でも「理解」ができるように思います。
もう一度、違和感のある作品を読んだら、また違う印象を持ちそうです。

エッセイ集ですが、どこかに物語も潜んでいる、そんな本でした。
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家守綺譚。

2005年07月08日 16時59分15秒 | ★★梨木香歩
『家守綺譚』 梨木 香歩 著 新潮社。

古きよき時代の日本。河童や小鬼、人魚に桜鬼、竹精。
四季の花々をタイトルに、小さいお話がいくつも重なる物語。
湖の底に消えた友人の家を守りながら、その友人が掛け軸から現れるのを自然に受け止め、不思議に知恵のある犬を飼い、さるすべりの木に恋慕の情を抱かれつつ、日々をカワウソの如く生きる綿貫征四郎。(本人はカワウソ暮らしとは思っていないけれど、現代人にとってはこの暮らしはまさしく・・・。)

練れている、というのでしょうか。
根本の世界は、「裏庭」や「りかさん」「からくりからくさ」などと同じだと思うんだけれど、もっともっと優しい、穏やかなあたたかさをこの作品には感じました。
植物や獣、花鳥風月に絡ませて「いのち」を現す巧みさ。
引き込まれる和の世界。

彼の生きる時は、不思議がとなりに自然にあって、それを受け入れ楽しんで生きる人々がいて。
四季の移り変わりを日々感じて生活をしていた時代の、ゆったりとした心地よさ。

おもしろい、とか楽しいという表現よりも、そう、とても心地よいお話です。
この世界にいるときだけは、私も日々のあくせくとした時間を忘れゆったりと不思議の中で楽しんでいました。
そして気が付くと、湖の底で葡萄を食べてしまった友人を、綿貫征四郎と一緒に待っている自分がいます。

日々あくせくしている大人たちのための、『童話』のような物語。
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「からくりからくさ」「りかさん」

2005年04月09日 18時08分48秒 | ★★梨木香歩
梨木香歩著 新潮文庫

ひさびさの、本の話題です。
と、いっても、少し前にもう読み終わってまして、続けて2回目に突入しつつあるという・・・
この2冊は、どちらも同じ人形が中心にいます。
でも、影にかくれて表にでない。
でないのに、そこにいて、とてもとても存在感がある。

あるときは背筋が寒くなり、あるときは涙。
こころに直接感じるものがあるお話でした。
魅力ある蓉子と、おばあちゃんの人柄。。「からくり~」のお旅所を旅立つりかさんには呆然としましたし、また、「りかさん」のおばあちゃんと蓉子の姿には、どこかゆったりと懐かしいものを感じもしました。
紀久さんの生きる姿はとても厳しくて苦しいもので、その心の表現に恐怖を覚え、切なく悲しく、与希子のきっぱりとした真正面の生き方にうらやましさを覚え、マーガレットの思いがけない出来事にあっけにとられ。

そのひとつひとつの隣に、ふっとりかさんが見え隠れする。

ほんとに見事にひきつけられた作品です。

梨木さんの本は、いつも自然と不思議がとなりにいて、それが不自然ではなくとても日常であり、平凡で、でもとても怖くてやさしくて。

久々です。読み終わってすぐに2度目に突入は。
いままで読んだ作品の中で、一番かな。この2冊は。

この2冊は一度に読むのがいいなあ~と思います。続けて2冊でほぅっと・・・考える。
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「裏庭」

2005年03月05日 18時18分59秒 | ★★梨木香歩
梨木香歩作 新潮文庫。第一回児童文学ファンタジー大賞受賞作。

随分時間をかけて読みました。今回の作品は。
「西の魔女~」を二日で一気に読んだことからすると、かなりゆっくりなペースです。。
なんとなく、スピードを出したくない物語。。
読みはじめたとき、そう感じたので。
ゆっくりと、自分の気持ちがぴたって合ったときに手にとって、「疲れたな」って思ったら休んで、そんな風に読みたい作品でした。

伝わるかな?こんな気持ち。。。

「裏庭」
これが、死後の世界なのか 心の中の記憶の庭なのか はたまた「はてしない物語」のように、お話の主人公探しの場所なのか・・・読み始めはとまどい、首をかしげ、
ああ・・・そうか、そんな意味ではなくて、もっともっと深い何か・・・だ。。
読み終わったら、感じます。その、「何か」を言葉にはしたくない・・とも。。。
なんだか、説明できないんです。

ただ。
とても沢山の、「きれいなこと」「きたないこと」「たのしいこと」「くるしいこと」が盛り込まれていました。そのすべてが、人の心。

少女とおじいちゃんのつながり。少女と両親とのつながり。少女と弟とのつながり。

物語の終わりに、裏庭にかかわる、昔少女だった人が言います。
「家庭って、家の庭て書くんだよ。フラット暮らしの庭のない家でも、日本の家庭はそれぞれ、その名の中に庭を持っている。さしずめ、その家の主婦が庭師ってことかねえ。」
それを聞いた相手人の答え。
「庭は植物の1つ1つが造る。生活は家族の一人一人が造るってことですかねぇ。深い、重みのあることばです。」

私は、どうだろう。
目の前にいる、このお話の主人公と似たり寄ったりの娘を眺めつつ・・ふと、思いました。

「フー・アー・ユー」
「テル・ミー」
「アイル・テル・ユー」

私は私になれる場所があるのだろうか。
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梨木香歩さんの本。

2005年02月10日 22時54分34秒 | ★★梨木香歩
新潮文庫から出版されている、梨木さんの本。みつけました
なんと、いつもふらっと立ち寄るスーパーの本屋さんで。。。

先日読んだ、「西の魔女が死んだ」で虜になってしまった私。絶対我が家に来てもらおう~~~と、勇んで行った大手の本屋さんにはなかったのに、こんなところで・・・
ブックカバーの裏の目録もきっちりチェックしましたから、これで、新潮文庫の本はすべて手元に置くことができたようです。

ふっふっふ。でもやっぱり「縁」があったんですよね。ひょいっと目に入ってきてくれたんですもの♪

ああ~~~しあわせ!
うれしいなあ~~~と、普段ただ飾っているだけの、おしどりのブックエンドに挟んでみました。
う~ん。早く読みたい~~~

やっぱり、目が5つ位ほしいかも。。。でも、そうすると記憶する頭もほしいから・・・ああ、、
やっぱり、希望は1日48時間くらいであること・・ですか。
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西の魔女が死んだ

2005年01月27日 21時42分55秒 | ★★梨木香歩
本のタイトルです。梨木香歩さん作。新潮文庫。

泣きました。
気がついたら、涙が止まらなかった。
文字も大きくて文章もやさしくたんたんとつづられているのですが、こころの奥底にある何かに触られた感じ。これは・・・
「死」を扱うにしても、こういう形はなんというか、おかしな話ですが気持ちがいい。
生きることも、死ぬことも、同等に扱われ、気がついたら、涙が止まらなくなっています。

しみじみと静かな涙を久々に流せた。

おばあさんの姿に憧れすらいだき・・・

私は、いつかその時が来たとき、こういうメッセージを残していかれるだろうか。去っていく自分から、残される誰かにむかって、にっこりとほほえんで。。。

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