なぜだ?
そんなに特別わたわたしている訳ではないのに
なんでこんなに飛ぶように時間が過ぎていくんだろう??
9月の読書メーター読んだ本の数:11
読んだページ数:3130
ナイス数:622
食堂つばめ (ハルキ文庫 や 10-1)の
感想ずっとぶたぶたさんだけを読んできて初めて別のシリーズを手にしてみたが、全く予想外の物語だった。ごく普通の食堂かと思ったらさにあらず。あの世とこの世の境にある街。そこと向こう側、そしてこちら側を行き来できる人が紡ぐ物語。想いを残した人が背中を押されて作った食堂に淡々と静かな空気を満たして進むお話は始めは何となく居心地が悪くて。なのに読み進むうちにその中に取り込まれひきこまれて最後にどっと動く波にきちんと乗れたことをなぜだかほっとしている。ほの暗い世界と、そしてこちら側でのハレに向かう世界。→
読了日:09月30日 著者:
矢崎 存美彼女の色に届くまでの
感想図書館本)面白かった。とても読みやすくて分かりやすく、美術関連無知な私でもちゃんと楽しめる。専門的なことも描かれつつミステリとほんのりある恋心。高校から社会人までのスパンのなかで主人公ふたりと周りの人たちの変化を自然に受け入れながら、ミステリをその時々で解き明かしてそれがラストにつながって。ちょっと不思議な小説。楓ヶ丘動物園シリーズとはまた別の魅力で楽しめました。で、緑川ってやっぱ怖いby一読者(笑)
読了日:09月29日 著者:
似鳥 鶏真夜中のパン屋さん 午前5時の朝告鳥 (ポプラ文庫)の
感想図書館本)真夜パン最終巻。思いがけず前回から数年後の主要な登場人物たちの後日譚でした。それぞれが出会ったときから段々と状況を変えながら、でも変わり者でお人好しであったかい光を持つ人たちなのは同じ。かなり特殊な事情を抱えた彼らが真夜中のパン屋さんに集いつつ自立していく姿。ゆっくりと読み進めてきてこれが大団円なんだな、とスルリっと納得できる終わり方でした。この先もブランジェリークレバヤシは淡々とこの街にあり、常連さんたちもその事情を変化させつつも集うんだろうなぁ。新たな人を加えて新たな物語を紡ぎつつ。
読了日:09月27日 著者:
大沼 紀子掟上今日子の旅行記の
感想図書館)1日で記憶がリセットされてしまうのにフランスにいる今日子さん。そして相も変わらず失業中(笑)の厄介くん。で、エッフェル塔を怪盗から守る?お話。日本からしたら裏側のような地でのお話はいろいろひっくりかえっていて、思いがけず酒豪な今日子さんが垣間見られたのは嬉しかったかな。ただ、うーん。これは好みの問題ですが、やっぱり厄介くんとのお話はどうもあと一歩乗りきれないのも自覚してしまいます。シリーズの中でもさくさくスルリっと読めるものでした。で、イギリスでのお話がとってもすごーく気になります。
読了日:09月22日 著者:
西尾 維新,VOFAN掟上今日子の家計簿の
感想図書館本)なるほど。刑事さんと今日子さんシリーズの3冊目ですか。私が慣れたということだと思うけれど、西尾さんの文章を随分サクサク読めるようになったなぁ。な、中で。え?!犯人の名前は誰??という一編にボーゼンとし、その次の作品のラストで拒絶反応ひきおこし非常に苦い思いを抱えながら、それでも読んでしまうミステリー小説。なんなんだろうなぁ、とちょっと考えてしまいます。そんな題材を敢えて描いたってことでもあるのでしょうね。
読了日:09月19日 著者:
西尾 維新,VOFAN朧月市役所妖怪課 妖怪どもが夢のあと (角川文庫)の
感想長屋歪が!!!悲しい(;_;)宵原くんがなんだかだんだん苦手になりつつ、でも妖怪課の人たちと併せての存在感がしっかりとしてきて、3冊かけてやっと皆さんをわかってきたかな?と思ったら終わり。ここで終わりは物足りないです。だから続きがでるのは嬉しい。
読了日:09月16日 著者:
青柳 碧人朧月市役所妖怪課 号泣箱女 (角川文庫)の
感想妖怪は退治するべきものなのか封印までで留めるべきなのか。このふたつのことで揺れる朧月市。妖怪課の面々の奮闘はでも基本的にはこの騒動には関わりなく、うっすらと恋バナも絡めつつ日々は移る。秀也がだんだん妖怪の扱いに慣れてきてこれで四角四面な考え方から角が取れてきたらいいんだけどなぁ、などどほのぼの読んでいたらラスト。なんだかいやぁな陰謀とともにエライコトになってしまいました。市長が辞めたら妖怪たちはどうなるんだ!?←そこ?いややっぱり生物多様性が良いと思うの、ね?
読了日:09月13日 著者:
青柳 碧人魚舟・獣舟 (光文社文庫)の
感想SF短編集。既読のシリーズ作品の前章譚ふたつ。「魚舟・獣舟」はとても大事な一点。そして「真朱の街」も同様に。なのでとても印象深い。描かれなくても充分成り立つ。でもこの一編で更にそれぞれの世界がしっかりと立つ。他の短編3作もそれぞれの世界がきちんと確立されてその上での人の姿。面白い。そして中編?ラストの一編は。正直キツかった。読み進める程に落ち込む。そんな中におや?っと重なった新井素子作「大きな壁の中と外」似て非なる世界だけれど仕組みはは似ている。こちらの方は救いがないけど。正直苦手。でも物語がとても→
読了日:09月11日 著者:
上田 早夕里新装版 虹の家のアリス (文春文庫)の
感想人は生きていればそれだけ、笑うけれども泣き喚き怒ることもある。安梨沙が話が進むほどにブラックな一面を次々覗かせはじめ、けれども笑顔だけは絶やさないその不自然さを最後に指摘して諭す仁木。探偵事務所に持ち込まれた生きていく上での隙間に起こる謎を一つ一つ丁寧に解きながら、この物語は安梨沙を人形から人に変え、また仁木も想像上の探偵から地に足を着けた探偵に変わっていく物語だったんだとラストに知った。そこにきちんと生きている普通の人。生きるということを改めて見て実感した気がする。ふたりと、そして周りの人たちのこの先→
読了日:09月08日 著者:
加納 朋子新装版 螺旋階段のアリス (文春文庫)の
感想表紙のイラストそのまんまな雰囲気の、でもちゃんと日常の謎を描いた探偵物。早期退職で探偵に転身した主人公と、そこに突然転がり込んできたアリスそっくりの少女。ルイス・キャロルのあの物語がふたりの会話の随所に散りばめられながら、探偵として持ち込まれた謎を解いていく。それは基本的にほっとする解決ではあるけれど決して安易なものではなく現実から目をそらさない厳しさも含む。生きるってそういうことだ、というのかな。でもだからこその読んでいて心地よい世界がそこに広がった。加納朋子さんだなぁ。仁木の妙に律儀な所も案外好み。
読了日:09月05日 著者:
加納 朋子朧月市役所妖怪課 河童コロッケ (角川文庫)の
感想図書館)こういうお話にはとっても弱いです。もろに好み。妖怪と人との共存。昔ながらの日本の原風景をこの市だけは残さねば、なんて言われた日には、もーもー応援したくなるじゃないですか!(ラスト近くのちょっと不気味な市長さんの言葉)物語はまだ始まったばかり。秀也と妖怪課の面々がこれからどう動いていくのか先がとっても気になります。困ったな。本屋さん行くのかなワタシ(笑)渚シリーズから一変、全く違う分野ですが「らしさ」は読むほどに感じられ、面白い。このシリーズも追いかけたくなりました。
読了日:09月03日 著者:
青柳 碧人読書メーター