のんびりぽつぽつ

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2019年8月の読書 冊数は少ない。が読み応えは充分である。

2019年09月28日 17時38分38秒 | ★★★毎月の読書まとめ
8月の読書メーター読んだ本の数:5読んだページ数:1736ナイス数:618三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫)三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫)感想久しぶりの三島屋怪異譚。黒白の間とおちか。語り手は1人。聞き手も1人で語り捨て、聞き捨て。今回のお話は江戸市中のみならず、近郊の村から更にお取り潰しになった藩の不思議まで幅広く、そして哀しみや怒り、切なさや優しさ。語るひとりひとりの人生が重なって心に沁み入る。前のめりに読み進めて最後。え?青野様ご仕官!?寝耳に水な展開におちかさんじゃないけれど私の心もフリーズ。寂しい。昼行灯さんがご登場でこちらもなかなかに楽しげでああ、「おくらさま」のお話からおちかさん今後少し心持ちが変化していくな、とは思いましたが。→読了日:08月26日 著者:宮部 みゆき
花を呑む (光文社時代小説文庫)花を呑む (光文社時代小説文庫)感想弥勒シリーズ7冊目。なんとおけいさんが辛いことから事件に巻き込まれてヤキモキする。怖いことにならず本当に良かった。伊佐治親分の家族が唯一江戸庶民として真っ当に生きているような気がしてしまう。親分もある意味普通じゃないのだなぁ、と改めて確認した巻だった。遠野屋清之介と木暮信次郎との間の緊張感は、その緊張感が清之介を商人としてきっちりと江戸の町に根付かせてくれることになるのではないか?なんて思ったりもしたが、こんな考えは木暮様に嗤われるかな。もう一度シリーズ最初から読み直したいと同時にこの先もすごく気になる。読了日:08月17日 著者:あさの あつこ
精霊の木 (新潮文庫)精霊の木 (新潮文庫)感想上橋さんの処女作。デビュー30周年を記念して文庫化され初めて読むことができた。「守り人シリーズ」を感じさせる作りと考え方で確かに若さの文でもあるけれどそこに読み手に伝わる強い想いもきっちりとある。何というか、目の前にある「今この世界」に透けるように重なる「どこか、でも確実にそこにある世界」を描くことが本当に巧みだな、と改めて思う。この表現が難しい感覚が私はとても好き。そして、人と人。人と自然。大地と世界。重なり合う様々なもの、ことをどう感じどう生きるのか。作品と読み手として惹き込まれつつ駆け抜けた。読了日:08月13日 著者:上橋 菜穂子
火花火花感想図書館本)珍しく話題作を読む。戸惑った、というのが正直な感想。「語ること」を生業の中心に置く筆者らしく、その文章は目の前で漫才を展開しているのを見ているような感じになることも多くとても読みやすい。のだけれど。つまるところ、私がこの一気に喋り倒す?今の漫才をあまり得意としていないためか、どこが「笑い」なのかが分からない進行に置いてけぼりになる事が多々あって。それでも徳永がこの世界から去る決意を神谷先輩に話すとき、神谷が「芸人に引退はない」と語る場面はぐっと胸に迫るものがあり印象につよく残った。読了日:08月08日 著者:又吉 直樹
ぶたぶたのおかわり! (光文社文庫)ぶたぶたのおかわり! (光文社文庫)感想再読)リハビリ読書に選んで大正解。とにかく心があつたまる。ほっこりして安心できる。「こむぎ」も「きぬた」も、そしてアップルパイの珈琲店の3号店(あれ?お店の名前なんだっけ?)も、きっと今もほっこりふっくら満足のお店として存在しているんだろうなぁ。こういう「おかわり!」は大好き。また、あるといいな。後日譚というか今も元気にやってるよ、な物語。あ、ここで初登場のお寿司屋さんはメインのお話が読んでみたいです。読了日:08月02日 著者:矢崎 存美
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