のんびりぽつぽつ

日常のこと、本のこと、大好きなこと・・・
いろいろ、と。
のんびりと。

「Miss You」

2007年02月23日 22時12分20秒 | ★★柴田よしき
柴田 よしき 著 
文春文庫。

東大卒のほどほど美人な文藝雑誌編集者。3年目になる彼女のお世話になった先輩が何者かに殺害され、まるで次だといわんばかりのタイミングで、彼女が狙われ始める。

ふむふむふむ・・・

ああ~、私ったら慣れてきたなあ・・・・柴田流・・・

さくさくと読んでいき、この人怪しいって思った人がビンゴ&理由もわかっちゃいました。ほっほっほ~。

自慢できるようなことではありませぬが、こんなことは滅多にないからね。私の場合。それだけお話の流れがきっちりとわかりやすかったってこと、か??(爆)

実は。
「手紙」以降、どの本に手をつけようか迷って迷って・・
もう一冊東野圭吾で行こうか、とも思ったのですがどれを読んでいいものかわからない。そこに丁度、以前からセットで注文していてなかなかこなかった本と、送料無料のためにあわせた()この本が届いたので、手にとって見ました。

あんまり乗り気ではなかったんだけど、柴田よしき作品ならば内容は安心だろう、、と。

読書はその時の気分に多大に左右される。
それがとってもよくわかる本の読み方でした。。

さーて、と。次は何にしようかな。なかなかこなかった本に手をつけようか、それとも、霧のむこうの不思議な町でゆっくりしてきたほうがいいかなあ

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「フォー・ディア・ライフ」「フォー・ユア・プレジャー」

2007年01月23日 17時58分09秒 | ★★柴田よしき
柴田 よしき 著
講談社文庫

2冊一緒に。シリーズもの。

主人公は新宿2丁目で無認可保育園の園長さんを勤める花咲慎一郎。嫌いな呼ばれ方は「ハナちゃん」
あくまで、本人の本業は保育園の園長さんなのだけれど、場所柄、不法滞在の女性たちのお父さんのいない子ども達などなどを預かることが多いため、資金繰りはいつも切羽詰っており、裏家業・・ヤバイ仕事も引き受ける「探偵業」をして、必死に赤字補填をしている大変いそがしい園長さん。

彼の前身は刑事。それもマルボウ刑事さん。
ある事情で警察をやめ、ついでに警察に疎まれ、春日組の前組長の愛人さんに見込まれて、この保育園の園長さんを任される・・

探偵業が主体な話かな、と思っていたら、なんだかおもしろい構成で。
保育園のやっかい事も探偵業のやっかい事も、気が付くと一緒にもつれてつながって解決する。
特にシリーズ2作目はほんとに「こいつ気にくわん!!」と思った父親が、ほんとに莫迦であほでどうしようもなく(失礼)、、ラストにきっかり絡んできてハナちゃんを激怒させ(私も一緒に激怒して)、保育園の問題を解決するし。

このシリーズ。山内錬君が出てくるのよね。
すっかり春日組の「若頭」に納まってしまっている彼で、かなり人格も危ない状態になっているんだけれど。
「聖なる黒夜」を初めに読んだ私としては、辛いなあ。
それでも、ほんの少し、ほんのちょっぴりだけれど、昔の彼を思い起こさせるシーンがあったりも、する。
そんなこんなで、山内を罵倒するハナちゃんを、私は悲しい思いで見てしまう。

ハナちゃんと山内がどのくらいこれから絡むのか、気になるところだけれど、続きは文庫じゃないみたいなので、また気長に待つ作品になってしまった。
(実際、ここが気になるっていうのは、正直この作品の主軸からちょいと外れているかも。。なあ。。。)

そうそう。それぞれの文庫の文頭に、タイトルの和訳がでている。
「フォー・ディア・ライフ」は「一所懸命・命からがら」などの意味。
「フォー・ユア・プレジャー」は「楽しみに」などの意味。
なるほどね。
まさにその通りの内容、なのだなあ。上手いね。タイトル。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「聖なる黒夜」

2006年12月11日 22時35分30秒 | ★★柴田よしき
柴田 よしき 著。
角川文庫。上下巻。

突然、はまってしまった。。


ああ、素子さん関係で手にした「観覧車」の人だね。久々に目に留まったなあ~

・・・と思って読み始め・・・

読み始め・・・・



びっくり

全然違う。
全く違う世界。

こんなダークな刑事物語も書くんだ。この人。


いきなり、嵌る。
ものすごく、おもしろい。

人を。
苦しいほどの哀しみを背負って生きている人を、
描くのが、とてもうまいね。

ダークだわ。あまりにもあちらの世界。。。なのに、妙に心に届くものがある。うわあ~!!!


これはレビューじゃないなあ。でも、正直読み終えていま、こういう印象。
とんでもないぞ?どんでん返しがひっくり返って逆立ちしたぞ・・・???

気になる人は読みましょう(笑)
ミステリーだし、中身ふれたらネタバレだしね~(って訳のわかんない言い訳・・/爆)

この勢いでいくと、久々にカテゴリー追加か???
3冊ア○ゾンに注文してしまった。。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

観覧車。

2005年07月14日 11時45分16秒 | ★★柴田よしき
『観覧車』 柴田よしき 著 祥伝社文庫

切ない。しみじみと切なく悲しい物語。

突然失踪した夫、貴之を待ちつづける下澤唯。
彼の仕事であった探偵事務所を引き継ぎ、必死で気を張って生きている女性。
この本は、小さな個人の探偵事務所で一人孤軍奮闘しながら、その底辺に理不尽なほどの淋しさを抱えた一人の女性の物語。
事務所に依頼される件を追いながら、失踪から7年の彼女の心の移り変わりを描いた、ほんとうに切ない物語。

短編集なので、単独でも楽しめる。火サスのような大事になる話ではなく、日常に起こる普通の人が普通に(といっていいならば)探偵を頼もうとしたときに依頼される事柄、浮気調査や人探しなどをこなしながら、たった一年しか結婚生活を送れなかった夫を待つ日々。その仕事の中身には、もし長年連れ添っていたらそんな気持ちを持つことが出来るのか、と唯に非常に悲しい気持ちを抱かせるものもある。

積み重なる時間。
積み重ねる日常。

それを積み重ねていくはずだった人を、最初の数年は意地で、その後は、ただ淡々と待ち続ける。

ラスト。
最初の「観覧車」という話で、浮気の末会社のトラブルで自殺をした父親の娘が唯にいう。
知らないほうが幸せなんて、そんなのは嘘だ。と。
自分は彼氏がムチャクチャ好き。ためらいもせずに唯の問いかけに答え、もし浮気したのならこっちからふってやる。お母さんのように、浮気した挙句に自殺されても追い続けるのはいやだ、と。

そして唯は。
7年間待ち続けた唯は。

 むちゃくちゃに、好き
 まだ。

そう自分に認めて歩き出す。彼をみつけ、この待ち続けた時を取り戻すため。
どんな結果が待っているのか、多分それは決して気持ちのいい「真実」ではないのだけれど。
彼が生きているとわかった以上は探す。私も生きているのだから、と。
ようやく、そう決意して、話は終わる。

唯の切ない気持ちを底辺に、淡々と事務所に依頼された件の人間模様を描くミステリー。
おそらく、待つという行為の、一番悲しい待ちかたじゃないのか、、
人と人との関係について、考え込んでしまった作品だった。

乞う。続編!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする