渋谷パルコ劇場 14時開演 上手
えと。
初めて足を踏み入れたパルコ劇場。
役者さんの息遣いまで感じられるような、、近さでした。
も、無駄に緊張~~~(する必要はないんだけど、ね//笑)
だって。世界の渡辺謙ですもん。(っていうとご本人はとても嫌がるそうですが@ミタニンエッセイ朝日新聞)
でもね。
映像でしか見たことのなかったこの劇場。
思った以上にこじんまりとしていて、うん。今回のような作品にはきっと。とてもいい劇場なんでしょうね。
三谷作品はここで多く上演されていますが、なんとなく分かるような気がしました。(あくまでも気がしただけです。ハイ)
さてさて。
内容は…
こちら(公式HP)を見ていただくとして。
三谷幸喜作・演出の舞台は生で2作品目ですが、
初めて出掛けた「ろくでなし啄木」が若者チームの躍動感とか率直さを表していたとするならば、
このホロヴィッツは熟年チーム。非常に味のある人たち4人で、とてもとても味のある深い風景を描き出してくださいました。
内容は単純明快。
世界的ピアニストのホロヴィッツとその妻ワンダが、ホロヴィッツのピアノの調律師であるモアの家に土曜日の夕食を共にするために初めてやってくる。
モアの妻エリザベスは初対面の世界的音楽家夫妻のために朝からてんてこ舞いでもてなす準備。
そしていよいよやってきたホロヴィッツ夫妻ともてなすモア夫妻の間に起こるあんなこと、こんなこと。
すべてが会話で成り立って物語が進んでいく。
最初は笑いを散りばめて、ちょっと落ち着いた上質なコメディかな?って思って、
段田@ホロヴィッツの老人であることの動き一つ一つに笑い感心し、その妻ワンダ@高泉さんの高慢で決め付ける言葉の数々に痛みを感じながら戸惑い、
ホロヴィッツに終始翻弄されながらも妻を思いやる渡辺@モアにクスッっと笑ったり和久井@エリザベスに、本当に初舞台?と感心しきり。。だったり。
導入部がコメディタッチで軽い笑いであったものが、徐々にその笑いに変化が起きて段々に雲行きが怪しくなってきた後。
この物語は後半で一気に厚みが増し、実は最初から散りばめられた伏線が綺麗にそこに集まってきて見事に収束していき。
様々な笑いで飽きさせなかった世界はそのまま、ふた組の夫婦が背負う過去を静かに現す。
段田安則さん以外は私は初めて拝見する、渡辺謙さん、和久井映見さん、高泉淳子さん。
特別に大きな出来事が起きるわけではなく、ただ、土曜の夜を初めて一緒に過ごすふた組の夫婦の景色を現すこの4人が、
本当にどこを見ても安心して見ていられて(へんな表現なんですが)心地よい。
どちらの方向に向かっていっても、きっとこちらを置いてけぼりにせず、
きちんと導いてラストに連れて行ってくれる。
安心感?かな。私がこの作品と波長が合ったってこともあるんでしょうけれど、
改めて、ああ、舞台って面白いなあ・・・としみじみ、思いました。
上質の様々な笑いと、そして静かな悲しみに満ちた作品 です。
と、思います。
渡辺謙さん。大好きな俳優さん。(独眼竜政宗からね~)
三谷さんの演出でどんな感じになるんだろう?と思ったら。
なんていうか、とてもとても、、普通に存在する普通の男性になっていて。
映像の中で時折みる、圧倒されるような迫力は、あれもまた見事な演技力なんだなあ、と気づかされました。
なんかね。
失礼ですがとってもかわいい。
和久井映見さんは逆にかなり迫力あるし。
段田さんや高泉さんの老人ぶりもあまりに見事で完璧で。
どうも、私は演技派の俳優さんに目がないみたいです。
歌っても踊っても語っても座っていても。
その場に自然に役柄をまとって存在する俳優さんたち。
すごいなあ。こんなこと簡単(に見えるよう)にできてしまう人たち。
すごいなあ。
楽しいなあ。こういう世界とそこに包み込まれる時間。
エンタメの乾きはエンタメで。
心の隙間が埋まるわけではない。
でも。
心のどこかにまた、ほっこりと嬉しい場所ができた気がしています。
さあ、次は「おのれナポレオン」だっ!
様々な意味で、、このホロヴィッツを見たことで。
更に更に…ものすご~~~く、楽しみですよっ!
追記
ホロヴィッツとの対話はWOWOWさんで生中継があります。
3月30日(土) 午後5:50から 詳細は
こちら
生で観た風景と映像に映る風景がどう違うのか とか、
ほぼひと月後の4人が作り出す風景がどう変わっているのか とか
興味津々で、います