私は東京郊外の調布市に住む年金生活の66歳の身であるが、
子供に恵まれことがなく家内と2人だけの家庭であり、
そして築後30数年の古惚けた家に住んでいる・・。
平素の私は、煙草も喫うし、お酒も好きだし、散歩する以外はスポーツはしないぐうだらな身で、
家内より早くあの世に行くと確信はしているが、
この世の中は、もとより先のことは何が起きるか解からないので、
家内に先立だれた場合のことを一年に数度ぐらいは考えたりしている。
家内とは日頃から、葬儀、お墓のことも何度も話し合い、
葬儀は親族関係だけの家族葬とした後、お墓は樹木園に埋葬し、
それぞれ好きな落葉樹の下で土に還る、
そして四十九日が過ぎたら、その時のきまぐれでお墓参りをすれば、
とお互いに確認し合っている。
私は家内が亡くなった時は、世の中はこのようにこともあるのか、
と呆然としながら四十九日を終えて、樹木園に行き、埋葬をすると思われる。
そして私は、料理、掃除、洗濯などは初心者の若葉マークのような身であり、
戸惑いながら行うが、
何より長年寝食を共にし、人生の大半の苦楽を分かち合い、
気楽に安心して話す相手がいなくなったことが、何よりも困るのである。
この後は、やむえず古惚けた一軒屋を処分し、都立の大きな公園の近くで、
スーパーと本屋に10分前後で行けた上で、
大学病院に公共の交通機関の利便性のある場所で、
小さな2DKのマンションを選定すると思われる。
これ以前には、住まいが狭くなるので本の大半は処分し、1000冊前後に厳選した上、
映画などのビデオテープ、DVDはもとより音楽のカセット、CD、DVDは
程々に多いがすべて移動する。
こうした独り身の日常生活の時は、
付近の公園で四季折々の情景を眺めながら散策したり、
スーパーでお惣菜コーナーの売り場で買い求めたり、本屋に寄り、
数冊を購入する。
そして週一度は定期便のような居酒屋に行き、
中年の仲居さんにからかわれながら、純米酒を二合ばかり呑むだろう。
こうした中でも、私は家内の位牌の代わりに、
定期入れに愛用した革のケースに、家内のスナップを入れて、
いつも持ち歩くと確信している。
こうした日常生活を過ごすと思われるが、
私は国内旅行も好きなので、月に3泊4日前後で、各地を訪れるだろう。
劇作家のチェーホフの遺(のこ)された、
《 男と交際しない女は次第に色褪せる、女と交際しない男は阿呆になる 》
と人生の哲学のような名言は、
どうしたらよいの、と考えたりするだろう。
やむえず、私は宿泊先の仲居さんで、お酌をして下さる方たちと、
やさしくふるまいながら語りあうと想像される・・。
そして、その夜は枕元に革ケースを置いて、
人生はいつまで続くの・・、と思いながら眠るだろう。
このようなことを昼過ぎに、川沿いの遊歩道を歩き、
休息しょうと木のベンチに座り、ぼんやりと落葉樹の芽吹きの情景を眺めて、
思ったりしたのである。
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子供に恵まれことがなく家内と2人だけの家庭であり、
そして築後30数年の古惚けた家に住んでいる・・。
平素の私は、煙草も喫うし、お酒も好きだし、散歩する以外はスポーツはしないぐうだらな身で、
家内より早くあの世に行くと確信はしているが、
この世の中は、もとより先のことは何が起きるか解からないので、
家内に先立だれた場合のことを一年に数度ぐらいは考えたりしている。
家内とは日頃から、葬儀、お墓のことも何度も話し合い、
葬儀は親族関係だけの家族葬とした後、お墓は樹木園に埋葬し、
それぞれ好きな落葉樹の下で土に還る、
そして四十九日が過ぎたら、その時のきまぐれでお墓参りをすれば、
とお互いに確認し合っている。
私は家内が亡くなった時は、世の中はこのようにこともあるのか、
と呆然としながら四十九日を終えて、樹木園に行き、埋葬をすると思われる。
そして私は、料理、掃除、洗濯などは初心者の若葉マークのような身であり、
戸惑いながら行うが、
何より長年寝食を共にし、人生の大半の苦楽を分かち合い、
気楽に安心して話す相手がいなくなったことが、何よりも困るのである。
この後は、やむえず古惚けた一軒屋を処分し、都立の大きな公園の近くで、
スーパーと本屋に10分前後で行けた上で、
大学病院に公共の交通機関の利便性のある場所で、
小さな2DKのマンションを選定すると思われる。
これ以前には、住まいが狭くなるので本の大半は処分し、1000冊前後に厳選した上、
映画などのビデオテープ、DVDはもとより音楽のカセット、CD、DVDは
程々に多いがすべて移動する。
こうした独り身の日常生活の時は、
付近の公園で四季折々の情景を眺めながら散策したり、
スーパーでお惣菜コーナーの売り場で買い求めたり、本屋に寄り、
数冊を購入する。
そして週一度は定期便のような居酒屋に行き、
中年の仲居さんにからかわれながら、純米酒を二合ばかり呑むだろう。
こうした中でも、私は家内の位牌の代わりに、
定期入れに愛用した革のケースに、家内のスナップを入れて、
いつも持ち歩くと確信している。
こうした日常生活を過ごすと思われるが、
私は国内旅行も好きなので、月に3泊4日前後で、各地を訪れるだろう。
劇作家のチェーホフの遺(のこ)された、
《 男と交際しない女は次第に色褪せる、女と交際しない男は阿呆になる 》
と人生の哲学のような名言は、
どうしたらよいの、と考えたりするだろう。
やむえず、私は宿泊先の仲居さんで、お酌をして下さる方たちと、
やさしくふるまいながら語りあうと想像される・・。
そして、その夜は枕元に革ケースを置いて、
人生はいつまで続くの・・、と思いながら眠るだろう。
このようなことを昼過ぎに、川沿いの遊歩道を歩き、
休息しょうと木のベンチに座り、ぼんやりと落葉樹の芽吹きの情景を眺めて、
思ったりしたのである。
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