私は東京郊外の調布市に住む年金生活の66歳の身であり、
ここ2週間ぐらいは本の整理をしたり、庭の手入れの樹木の剪定、草むしりをしたり、
そして、いつものように買物、散策をした後は、読書して過ごしてきた。
たまたま本日は、居間のアルミサッシの雨戸が敷居に滑らかさを欠けたので、
ガタがきた雨戸を少し修正したり、
浴室の壁面のタイルが少しヒビ割れたので、最寄のホームセンターに行き、
補修剤を買い求めたりした。
そして築後33年も過ぎれば、やむえないかしら、と私は苦笑したりした。
この後、私は主庭の若葉を見つめたりしながら、
パソコンに向かい、このサイトに綴った自身の投稿文を読み返していた。
そして、あの頃はこのような思いであったのかしら、と微苦笑した・・。
【 倉本聰(くらもと・そう)・著の『失われた森厳~富良野風話~』】
と題して、2006(平成18)年5月27日に投稿しているが、あえて再掲載をする。
【・・
今、読んでいる本は、倉本聰・著作の『失われた森厳~富良野風話~』である。
私は倉本聰氏に関しては、1部のシナリオを除き、購入し、精読しているつもりである。
従って、私はこの著作者から、色々な面で影響を受けているひとりである。
昨夜、読んでいて、私の場合であったら、と考えされられた。
一部を無断であるが、引用させて頂く。
《・・
『適疎』
・・(略)・・
僕が住んでいる富良野の土地は文化村という森の中にある。
この村はそもそも、東大演習林元林長・高橋延清先生の、
どれ位の森にどれ位の人間が住めば、
人と森とが共存出来るかという一つの実験的な試みから始まった。
市の所有する約1万2千坪の自然林を図面上12に分割し、
家を建てる場所以外、木を伐ってはいけない。
垣根、塀などを立ててはいけない。
水は沢から引く。
電気だけは一応通してくれる。
そういうことでスタートした。
爾来に20数年、12の土地は全て売れ夫々に夫々の家が建っていたが、
僕を含めて3軒だけを除くと後は全て別荘であり、
それもあんまり利用されていないから、
全ての森は僅(わず)か3軒で殆ど独占していることになる。
言い方を変えれば、1万2千坪割る3、
イコール1軒当たり4千坪の森の空間で豊かに暮らしている計算になる。
この森にはフキ、ゼンマイ、ツクシ、フキノトウ、ウド、タラノメと山菜が豊富だし、
秋になれば様々なキノコが森のあちらこちらに顔を出し、
どこで採ろうが文句は言われない。
そもそも僕は土地は所有するという概念にかねがね疑問を持っているのだから、
塀に囲まれた都会の暮らしならいざ知らず、
自然を独占するのは自由である。
過疎の暮らしとはそういうものである。
確かに過疎の地は消費が乏しく、従って雇用の機会が少ない為に、
経済社会の概念から見れば失格というレッテルを貼られてしまうだろう。
しかし僕のような自由業のものにはここがたまらない天国である。
・・(略)・・
僕は今この土地を決して過疎でなく、適疎であると認識している。
・・》
注)著作者の原文にあえて改行を多くした。
著作者の倉本聰(くらもと・そう)氏の数多くの随筆で、概要は綴られていたのが、
具体的な敷地の関しては初めて思われ、
私は、今回の『適疎』を読んでしばらく言葉を失った。
さて、私達夫婦が、このような文化村の森の生活を万一与えられた場合、
退職後の身となった今、果たして生活して過ごせるものだろうか、と思いめぐらした・・。
著作者が40代半ばの時、開墾者のような強い意志と意欲があった上で、
周囲の人々と自ら溶け込みながら交流を重ね、自身を鍛えられた、と想像する。
著作者のご夫婦は、こうした時の流れの中、森の中で生きる知恵を修得し、
定着という稀(まれ)な栄誉を自ら獲得したと思われる。
私の20歳頃の漠然としたあこがれとしては、
里山の一面、500坪前後の多くの落葉樹の木に囲まれて、
平屋の30坪前後の住居で生活するのが夢であった。
私は自由職を目指していたが、拙(つたな)い自己を悟(さと)り、
サラリーマンの身に転じた。
28年前頃、東京の郊外にわずか百坪の敷地のある住居を構え、
若さの勢いで茶室も付けてしまい、悪戦苦闘しながら住宅ローンを返済してきた。
都心のサラリーマンの生活をしている中、
都会の垢に染まり、利便性に囲まれ、35年ばかり甘受している身となった。
定年退職後の今、単なるあこがれだけでは、心も身も無理である。
私のような小心者は、今ある庭の樹木を手入れをし、
著作者の住まわれている森に思いを馳(は)せるのが、
私の拙(つたな)い実力に相応しい生活かしらと苦笑している。
・・》
このように投稿していたのである。
私は東京郊外の調布市の片隅みに住み、世田谷区と狛江市に隣接している。
電話に関しては、管轄地域の関係で、世田谷区の管轄下となっている。
そして小田急線と京王線の間にあり、いずれも最寄駅まで15分前後の徒歩の距離である。
私たち夫婦は、自動車を所有するつもりがないので、
私は平素は駅前までは散歩がわりに歩くが、
都心に出たりする時は、殆どバスと電車を利用し、
やむなく急ぎの用事とか冠婚葬祭などの場合は、タクシーを使うこともある。
いずれにしてもバスと電車を利用しても、
自宅から都心の新宿、青山、六本木、渋谷、東京駅には、ほぼ1時間で行ける。
私の住んでいる地域は、住宅街であり、この外れに私の家がある。
そして落葉樹の多い樹木につつまれた庭を眺め、
築後33年過ぎた古惚けた家に住み、私達夫婦は子供に恵まれなかったので、
ふたりだけの生活している。
このような現状であり、私は齢を重ねるたびに体力も衰えきたので、
今のようにスーパー、専門店などで買物、病院、そして本屋が近くにないと、
何かしら不便と感じたりしている。
東京の郊外の利便性に、馴らされ甘受している。
しかしながら私の幼年期は、農家の児として育ったので、
起伏の少ない田畑、あぜ道、湧き水、そして竹林、雑木林などに、
限りなく愛惜しながら心を寄せている。
退職後、殆ど毎日は散策をしているが、付近の小公園、川沿いの遊歩道を歩くことが多い。
この遊歩道は片側が帯状に小公園となり700メートル前後あり、
樹木、草花が四季それぞれに彩(いろ)っている場所である。
私はケヤキ、コナラ、クヌギなど四季折々の情景に圧倒的に魅せられ、
そして白梅、桜(サクラ)、モミジ、公孫樹(イチョウ)などを見たりし、
季節のうつろいを眺めて、過ごしたりしている。
そして、この地域は無念ながらブナの大木がない、と苦笑したりしている。
こうした時、ときおり家内と国内旅行をして、
ブナ林の中をさまよい歩いたり、里村の情景を眺めながら、あぜ道、農道、村道を歩いたりし、
しばらく見惚(みと)れたり、ときには涙を浮かべることもある。
そして、齢を重ね体力も気力も衰えた今、
里山に住むという夢のようなあこがれの住まいと現実とは確かに違う、
と思いを知らされたりしている。
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ここ2週間ぐらいは本の整理をしたり、庭の手入れの樹木の剪定、草むしりをしたり、
そして、いつものように買物、散策をした後は、読書して過ごしてきた。
たまたま本日は、居間のアルミサッシの雨戸が敷居に滑らかさを欠けたので、
ガタがきた雨戸を少し修正したり、
浴室の壁面のタイルが少しヒビ割れたので、最寄のホームセンターに行き、
補修剤を買い求めたりした。
そして築後33年も過ぎれば、やむえないかしら、と私は苦笑したりした。
この後、私は主庭の若葉を見つめたりしながら、
パソコンに向かい、このサイトに綴った自身の投稿文を読み返していた。
そして、あの頃はこのような思いであったのかしら、と微苦笑した・・。
【 倉本聰(くらもと・そう)・著の『失われた森厳~富良野風話~』】
と題して、2006(平成18)年5月27日に投稿しているが、あえて再掲載をする。
【・・
今、読んでいる本は、倉本聰・著作の『失われた森厳~富良野風話~』である。
私は倉本聰氏に関しては、1部のシナリオを除き、購入し、精読しているつもりである。
従って、私はこの著作者から、色々な面で影響を受けているひとりである。
昨夜、読んでいて、私の場合であったら、と考えされられた。
一部を無断であるが、引用させて頂く。
《・・
『適疎』
・・(略)・・
僕が住んでいる富良野の土地は文化村という森の中にある。
この村はそもそも、東大演習林元林長・高橋延清先生の、
どれ位の森にどれ位の人間が住めば、
人と森とが共存出来るかという一つの実験的な試みから始まった。
市の所有する約1万2千坪の自然林を図面上12に分割し、
家を建てる場所以外、木を伐ってはいけない。
垣根、塀などを立ててはいけない。
水は沢から引く。
電気だけは一応通してくれる。
そういうことでスタートした。
爾来に20数年、12の土地は全て売れ夫々に夫々の家が建っていたが、
僕を含めて3軒だけを除くと後は全て別荘であり、
それもあんまり利用されていないから、
全ての森は僅(わず)か3軒で殆ど独占していることになる。
言い方を変えれば、1万2千坪割る3、
イコール1軒当たり4千坪の森の空間で豊かに暮らしている計算になる。
この森にはフキ、ゼンマイ、ツクシ、フキノトウ、ウド、タラノメと山菜が豊富だし、
秋になれば様々なキノコが森のあちらこちらに顔を出し、
どこで採ろうが文句は言われない。
そもそも僕は土地は所有するという概念にかねがね疑問を持っているのだから、
塀に囲まれた都会の暮らしならいざ知らず、
自然を独占するのは自由である。
過疎の暮らしとはそういうものである。
確かに過疎の地は消費が乏しく、従って雇用の機会が少ない為に、
経済社会の概念から見れば失格というレッテルを貼られてしまうだろう。
しかし僕のような自由業のものにはここがたまらない天国である。
・・(略)・・
僕は今この土地を決して過疎でなく、適疎であると認識している。
・・》
注)著作者の原文にあえて改行を多くした。
著作者の倉本聰(くらもと・そう)氏の数多くの随筆で、概要は綴られていたのが、
具体的な敷地の関しては初めて思われ、
私は、今回の『適疎』を読んでしばらく言葉を失った。
さて、私達夫婦が、このような文化村の森の生活を万一与えられた場合、
退職後の身となった今、果たして生活して過ごせるものだろうか、と思いめぐらした・・。
著作者が40代半ばの時、開墾者のような強い意志と意欲があった上で、
周囲の人々と自ら溶け込みながら交流を重ね、自身を鍛えられた、と想像する。
著作者のご夫婦は、こうした時の流れの中、森の中で生きる知恵を修得し、
定着という稀(まれ)な栄誉を自ら獲得したと思われる。
私の20歳頃の漠然としたあこがれとしては、
里山の一面、500坪前後の多くの落葉樹の木に囲まれて、
平屋の30坪前後の住居で生活するのが夢であった。
私は自由職を目指していたが、拙(つたな)い自己を悟(さと)り、
サラリーマンの身に転じた。
28年前頃、東京の郊外にわずか百坪の敷地のある住居を構え、
若さの勢いで茶室も付けてしまい、悪戦苦闘しながら住宅ローンを返済してきた。
都心のサラリーマンの生活をしている中、
都会の垢に染まり、利便性に囲まれ、35年ばかり甘受している身となった。
定年退職後の今、単なるあこがれだけでは、心も身も無理である。
私のような小心者は、今ある庭の樹木を手入れをし、
著作者の住まわれている森に思いを馳(は)せるのが、
私の拙(つたな)い実力に相応しい生活かしらと苦笑している。
・・》
このように投稿していたのである。
私は東京郊外の調布市の片隅みに住み、世田谷区と狛江市に隣接している。
電話に関しては、管轄地域の関係で、世田谷区の管轄下となっている。
そして小田急線と京王線の間にあり、いずれも最寄駅まで15分前後の徒歩の距離である。
私たち夫婦は、自動車を所有するつもりがないので、
私は平素は駅前までは散歩がわりに歩くが、
都心に出たりする時は、殆どバスと電車を利用し、
やむなく急ぎの用事とか冠婚葬祭などの場合は、タクシーを使うこともある。
いずれにしてもバスと電車を利用しても、
自宅から都心の新宿、青山、六本木、渋谷、東京駅には、ほぼ1時間で行ける。
私の住んでいる地域は、住宅街であり、この外れに私の家がある。
そして落葉樹の多い樹木につつまれた庭を眺め、
築後33年過ぎた古惚けた家に住み、私達夫婦は子供に恵まれなかったので、
ふたりだけの生活している。
このような現状であり、私は齢を重ねるたびに体力も衰えきたので、
今のようにスーパー、専門店などで買物、病院、そして本屋が近くにないと、
何かしら不便と感じたりしている。
東京の郊外の利便性に、馴らされ甘受している。
しかしながら私の幼年期は、農家の児として育ったので、
起伏の少ない田畑、あぜ道、湧き水、そして竹林、雑木林などに、
限りなく愛惜しながら心を寄せている。
退職後、殆ど毎日は散策をしているが、付近の小公園、川沿いの遊歩道を歩くことが多い。
この遊歩道は片側が帯状に小公園となり700メートル前後あり、
樹木、草花が四季それぞれに彩(いろ)っている場所である。
私はケヤキ、コナラ、クヌギなど四季折々の情景に圧倒的に魅せられ、
そして白梅、桜(サクラ)、モミジ、公孫樹(イチョウ)などを見たりし、
季節のうつろいを眺めて、過ごしたりしている。
そして、この地域は無念ながらブナの大木がない、と苦笑したりしている。
こうした時、ときおり家内と国内旅行をして、
ブナ林の中をさまよい歩いたり、里村の情景を眺めながら、あぜ道、農道、村道を歩いたりし、
しばらく見惚(みと)れたり、ときには涙を浮かべることもある。
そして、齢を重ね体力も気力も衰えた今、
里山に住むという夢のようなあこがれの住まいと現実とは確かに違う、
と思いを知らされたりしている。
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