私は東京郊外の調布市に住む年金生活の68歳の身であるが、
昨日の午前中のひととき、家内が台所で皿洗いなどをしている付近のラジオから
山口百恵ちゃんの『いい日旅立ち』の唄声が聴こえてきた・・。
この後、私は庭のテラスに下り立ち、眩(まばゆ)い陽射しを受けながら、
樹木や草花を眺めたりし、秋めいた情景に心身をゆだねたりした。
そして、働いて下さる現役の諸兄諸姉の多くは、三連休かしらと思い、
何かと成果主義とデフレの蔓延する風潮の中で過酷な勤務される人たちは、
せめて休日の時ぐらいの時は、ご家族でゆっくりと過ごして下さい、とぼんやりと思ったりした。
この後、しばらくして先程ラジオから流れていた歌が脳裏に残っていたせいか、
私は心の中で唄いだした・・。
♪雪解け真近の 北の空に向い
過ぎ去り日々の 夢を叫ぶとき
【『いい日旅立ち』 作詞、作曲・谷村新司、編曲・川口 真、唄・山口百恵 】
この歌は盛んに街に流れていたのは、 確か1978〈昭和53)年の晩秋の頃であったと思われるが、
JRの前身の国鉄時代の新宿駅で『いい日旅立つ』の歌が流れて、
私は中央線のプラットフォームで快速の東京駅行きを待っていた時も、メロディーが流れていた・・。
この当時の私は、音楽業界のあるレコード会社に勤め、
六本木の本社に於いて、情報畑のコンピュータ専任として奮闘していた時代であった。
そして毎月20日から数日間だけは、新宿駅から神田駅に行き、
委託処理をしていた日本橋ある情報処理会社に通ったりしていた。
このような時代、朝のラッシュ時も、或いは退社後の街の中を歩いたりしていると、
ある他社レコード会社の所属の山口百恵ちゃんの『いい日旅立つ』の歌が盛んに流れて、
私は人影のない処で、かぼそい声で唄ったりしていた・・。
♪帰らぬ人たち 熱い胸をよぎる
せめて今日から一人きり 旅に出る
【『いい日旅立ち』 作詞、作曲・谷村新司、編曲・川口 真、唄・山口百恵 】
私はプラットフォームで前方に見える中央線の松本行きの『L特急』の列車が、
始発前の待機の状況で、勇姿を見せていたりしたので、
多忙な私にとっては、平日にゆっくりと旅行に行けるのは夢のようなことであり、
羨望しながら見つめたりしていた。
私はこの春に家を新築した年であったので、高揚感もさることながら、公私共々多忙な時であった。
住宅ローンなどを含めて一戸建ては何かと出費が多く、私たち夫婦は悲鳴をあげながら、
この難局を何とかしなければ・・と家内は契約社員として働きに出たりして、
お互いに奮闘したりしていた。
この年の前の2年間は、新婚生活を始めて賃貸マンションに住んでいて、
1976〈昭和51〉年の最初の夏季休暇の時は、
私たち夫婦は『L特急』に乗車し、上野駅から長野電鉄に乗り入れた湯田中駅の終点で下車し、
その後は路線バスで志賀高原の奥地のリゾートホテルに2泊3日で行ったりした。
翌年の夏季休暇の時は、やはり『L特急』に乗車して、新宿駅から松本駅で下車し、
その後は大糸線で簗場駅で下車し、青木湖の湖畔にあるリゾートホテルに2泊3日で滞在し、
周辺を散策したりした。
こうした賃貸マンションで私たち夫婦は新婚生活していたが、
もとより私は家計の収入の責務があり、孤軍奮闘したり、家内は専業主婦の身でありながら、
私たちは予期した以上に貯金もでき、単純に享受できた時期でもあった。
そして、家を建てた当年、私は収入からして多大な住宅返済となり、殆ど生活に余裕はなくなったが、
せめて夏季休暇の時ぐらいと、旅行会社のJTBの格安のパンフレットを見て、
蓼科高原の白樺湖の湖畔にある観光ホテルに2泊3日としたのである。
この時も、新宿駅から茅野駅まで『L特急』を利用した後、路線バスで白樺湖に行ったりした。
このような私たち夫婦は、新婚時代からささやかな思いでが『L特急』と共にあるので、
ラッシュアワーで混んでいるプラットフォームに立ちすくんで、
前方に観える『L特急』の列車を眺めていたのである。
そして、いつの日にか、平日のゆっくりとした時に、『L特急』で旅行するのが、
私の30代の叶うことのない夢であったが、
その後は、中央本線などは『L特急』列車から、
洒落た最新鋭の列車に、大きく変貌してしまったのである。
私は、『L特急』の程ほどのスピード感で車窓から観る情景が好きで、
そして在来線の駅舎のそれぞれ特徴を秘め、旅に出てきた実感が醸(かも)しだされてきた。
或いは車内の座席に近い窓も開き、それぞれの地の駅弁とお茶も買い求めることも出来、
この当時は、座席で喫煙もできた時代であったりした。
昨今の私は、『いい日旅立ち』を聴いたりすると、『L特急』の列車が浮かび、
私の苦節の多かった30代の思いでと共に蘇(よみが)り、
年金生活の今、なぜかしら愛惜を深めたりしている。
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昨日の午前中のひととき、家内が台所で皿洗いなどをしている付近のラジオから
山口百恵ちゃんの『いい日旅立ち』の唄声が聴こえてきた・・。
この後、私は庭のテラスに下り立ち、眩(まばゆ)い陽射しを受けながら、
樹木や草花を眺めたりし、秋めいた情景に心身をゆだねたりした。
そして、働いて下さる現役の諸兄諸姉の多くは、三連休かしらと思い、
何かと成果主義とデフレの蔓延する風潮の中で過酷な勤務される人たちは、
せめて休日の時ぐらいの時は、ご家族でゆっくりと過ごして下さい、とぼんやりと思ったりした。
この後、しばらくして先程ラジオから流れていた歌が脳裏に残っていたせいか、
私は心の中で唄いだした・・。
♪雪解け真近の 北の空に向い
過ぎ去り日々の 夢を叫ぶとき
【『いい日旅立ち』 作詞、作曲・谷村新司、編曲・川口 真、唄・山口百恵 】
この歌は盛んに街に流れていたのは、 確か1978〈昭和53)年の晩秋の頃であったと思われるが、
JRの前身の国鉄時代の新宿駅で『いい日旅立つ』の歌が流れて、
私は中央線のプラットフォームで快速の東京駅行きを待っていた時も、メロディーが流れていた・・。
この当時の私は、音楽業界のあるレコード会社に勤め、
六本木の本社に於いて、情報畑のコンピュータ専任として奮闘していた時代であった。
そして毎月20日から数日間だけは、新宿駅から神田駅に行き、
委託処理をしていた日本橋ある情報処理会社に通ったりしていた。
このような時代、朝のラッシュ時も、或いは退社後の街の中を歩いたりしていると、
ある他社レコード会社の所属の山口百恵ちゃんの『いい日旅立つ』の歌が盛んに流れて、
私は人影のない処で、かぼそい声で唄ったりしていた・・。
♪帰らぬ人たち 熱い胸をよぎる
せめて今日から一人きり 旅に出る
【『いい日旅立ち』 作詞、作曲・谷村新司、編曲・川口 真、唄・山口百恵 】
私はプラットフォームで前方に見える中央線の松本行きの『L特急』の列車が、
始発前の待機の状況で、勇姿を見せていたりしたので、
多忙な私にとっては、平日にゆっくりと旅行に行けるのは夢のようなことであり、
羨望しながら見つめたりしていた。
私はこの春に家を新築した年であったので、高揚感もさることながら、公私共々多忙な時であった。
住宅ローンなどを含めて一戸建ては何かと出費が多く、私たち夫婦は悲鳴をあげながら、
この難局を何とかしなければ・・と家内は契約社員として働きに出たりして、
お互いに奮闘したりしていた。
この年の前の2年間は、新婚生活を始めて賃貸マンションに住んでいて、
1976〈昭和51〉年の最初の夏季休暇の時は、
私たち夫婦は『L特急』に乗車し、上野駅から長野電鉄に乗り入れた湯田中駅の終点で下車し、
その後は路線バスで志賀高原の奥地のリゾートホテルに2泊3日で行ったりした。
翌年の夏季休暇の時は、やはり『L特急』に乗車して、新宿駅から松本駅で下車し、
その後は大糸線で簗場駅で下車し、青木湖の湖畔にあるリゾートホテルに2泊3日で滞在し、
周辺を散策したりした。
こうした賃貸マンションで私たち夫婦は新婚生活していたが、
もとより私は家計の収入の責務があり、孤軍奮闘したり、家内は専業主婦の身でありながら、
私たちは予期した以上に貯金もでき、単純に享受できた時期でもあった。
そして、家を建てた当年、私は収入からして多大な住宅返済となり、殆ど生活に余裕はなくなったが、
せめて夏季休暇の時ぐらいと、旅行会社のJTBの格安のパンフレットを見て、
蓼科高原の白樺湖の湖畔にある観光ホテルに2泊3日としたのである。
この時も、新宿駅から茅野駅まで『L特急』を利用した後、路線バスで白樺湖に行ったりした。
このような私たち夫婦は、新婚時代からささやかな思いでが『L特急』と共にあるので、
ラッシュアワーで混んでいるプラットフォームに立ちすくんで、
前方に観える『L特急』の列車を眺めていたのである。
そして、いつの日にか、平日のゆっくりとした時に、『L特急』で旅行するのが、
私の30代の叶うことのない夢であったが、
その後は、中央本線などは『L特急』列車から、
洒落た最新鋭の列車に、大きく変貌してしまったのである。
私は、『L特急』の程ほどのスピード感で車窓から観る情景が好きで、
そして在来線の駅舎のそれぞれ特徴を秘め、旅に出てきた実感が醸(かも)しだされてきた。
或いは車内の座席に近い窓も開き、それぞれの地の駅弁とお茶も買い求めることも出来、
この当時は、座席で喫煙もできた時代であったりした。
昨今の私は、『いい日旅立ち』を聴いたりすると、『L特急』の列車が浮かび、
私の苦節の多かった30代の思いでと共に蘇(よみが)り、
年金生活の今、なぜかしら愛惜を深めたりしている。
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