先程、ときおり愛読している公式サイトの
『 「取りやすいところから徹底的に取る」
政府がたばこの次に増税を狙っている"ある嗜好品" 』
と見出しを見たりした。
現在の財務省の至上命令は「社会保障費の削減」です。
1990年度に11兆6000億円だった社会保障費は、
2021年度には35兆8000億円と11年で、3倍以上に膨れ上がっています。
今後はさらに高齢化が進展し、2022年にはいわゆる「団塊の世代」が
後期高齢者である75歳以上にさしかかります。
75歳以上になると1人当たりの医療・介護にかかる費用は急増することから、
社会保障費の削減は急務なのです。
■健康と経済のバランスを取る「ハームリダクション」
たばこ増税の是非をめぐる議論のプロセスにおいては、たばこ価格を一気に引き上げることで、
「医療費抑制と税収確保の両立」が可能になるという試算も見られました。
しかし、大幅な増税は「健康増進のための消費抑制策」としてはあり得るとしても、
喫煙者を減らす目的で増税する一方で、その増収分を当てにするのでは、
筋が通らないという指摘もあります。
医療費は抑制したいが、2兆円の安定税収はキープしたい・・・
この矛盾を解消する考え方があります。
それが「ハームリダクション」です。
「ハームリダクション(Harm Reduction=被害の低減)」とは、
健康上好ましくない行動習慣を持っている人が、
そうした行動をただちにやめることができない場合に、
その行動に伴う害や危険をできるかぎり少なくすることを目指すものです。
ここで言う行動習慣には、薬物やアルコールなどの依存も含まれますが、
たばこで言えば「紙巻たばこ」から「加熱式たばこ」への移行がそれにあたります。
加熱式たばこの健康への影響については、まだ明らかになっていませんが、
喫煙者の健康被害軽減だけでなく、
周囲の非喫煙者が被る受動喫煙による健康への影響を軽減する可能性があるからです。
■加熱式たばこは増税すべきではない
自民党の「ルール形成戦略議員連盟」(会長:甘利明税制調査会長)では、
すでにハームリダクション政策の検討に着手しています。
私は、紙巻たばこから加熱式たばこへの誘導の議論も、行われていると見ています。
将来的には「増税」や「喫煙できる場所の制限」などの施策によって
紙巻たばこへの圧力を強めると同時に、加熱式たばこに比べて高い税率を課すことによって、
喫煙者を加熱式たばこへと誘導しようというもくろみです。
紙巻たばこを好んで購入している愛煙家のなかには、
たばこがどれだけ値上がりしても、買い続けるという人もいます。
一方で、加熱式たばこは、今回の増税での値上げ幅が紙巻たばこよりも小さいものが多く、
懐へのダメージもまだ軽いはずです。
年間にしてみると銘柄によっては、万単位で差額が生じるため、
増税を機に加熱式たばこへ移行する人を増やしたい、
というのがハームリダクションに基づいた政府の狙いです。
ただ、この「加熱式たばこへの誘導策」も、将来にわたってうまくいくとは限りません。
現在、喫煙者に対する世間の圧力によって、喫煙できる場所は減少の一途をたどっています。
さらに相次ぐ増税となっては、加熱式たばこを吸う人の数も、確実に減少していくでしょう。
だから、今のうちから加熱式たばこの増税は、避けるべきだと私は考えています。
しかし、たばこ税収が減少すれば、
政府は2兆円をショートした分の税収を、たばこ以外に求める必要が生じます。
■次に課税ターゲットとなる嗜好品とは?
では今後、どのような増税策が、考えられるのでしょうか?
私は、ハームリダクションを口実に、生活習慣病の原因となりうる食品などに
目をつけるのではないかと考えています。
その代表的な例が「砂糖税」です。
2016年にWHO(世界保健機関)が、糖分を多く含む飲料に課税するよう
加盟国・地域に呼びかけたことをきっかけに、各国で導入が進んでいます。
WHO(世界保健機関)は報告書の中で、
加盟国政府から生活習慣病予防に関する方策についての相談が増えていることを挙げ、
「政府が適切に税制や助成金制度を実施し、日常食の価格に介入することで、
健康促進を図ることができる」と指摘。
そして、世界的に肥満人口の割合が増加していることを課題として取り上げ、
砂糖の摂取量を下げるために、各国政府は甘味飲料に「砂糖税」を課すなどして
甘味飲料の価格を釣り上げ、人々の消費マインドを抑制すべきだと提言したのです。
2018年4月に砂糖税を導入した英国では、炭酸飲料などのソフトドリンクは値上がりしました。
ドリンク100ミリリットル中に、5~8グラムの砂糖を含むものは、
1リットル当たり18ペンス(約27円)、
8グラム以上のものは24ペンス(約36円)の値上がりとなっています。
導入による税収は、半年後の10月末時点で1億5380万ポンド(223億100万円)に達し、
英国政府が年度当初に見込んだ額を上回りました。
現在、砂糖税(砂糖入り飲料水に対する課税等)が何らかの形で導入されている国や地域は、
英国をはじめ、アイルランド、ノルウェー、ボルトガル、ベルギー、デンマーク、フィンランド、
アメリカ、南アフリカ、エストニア、フィリピンなど50以上におよんでいます。
また、国によっては、ポテトチップス税(ハンガリー)、脂肪税(デンマーク、その後廃止)などの例もあります。
■国はどれだけ税収が増えても満足しない
新型コロナウイルスによって、国民の消費生活が一変し、
苦しい思いの日々を送っている一方で、
2020年度の税収は、実は過去最高益の60兆8216億円を記録しています。
これは消費税を10%へ引き上げたことによって、もたらされた結果です。
これだけの税収があっても、まだ「足りない」と国は、
この度のたばこ税増税も実施するのです。
新型コロナウイルス対策費や、
巨額の赤字を出した東京オリンピック・パラリンピックへの財政出動により、
国の財政赤字は、近年に類を見ないほど増加しています。
財政を健全化するためには、税収の増加が不可欠だ、とあらゆる場面で増税を繰り返すのです。
この状況で政府が、次はどんな増税策を打ち出してくるのか、注視しなければなりません。・・》
現在の財務省の至上命令は「社会保障費の削減」に伴い、何かと値上げが発生し、
多々教示され、やがて溜息ばかり重ねたりした。
過ぎし年に、2018年の社会保障給付費は、高齢化率は28・2%の現状の中、
年金は56・7兆円、医療は39・2兆円、介護は10・7兆円、
子供・子育ては7・9兆円、その他6・7兆円・・総計121兆円となり、
国内総生産(GDP)に占める割合として、21・5%と公表されたりした。
やがて2025年には、団塊世代が75歳以上の後期高齢者を迎え、
もとより高齢化率は増加し、社会保障給付費も膨張するので、
無力な77歳の私は、溜息ばかりしている。
働いて下さる諸兄諸姉は、新コロナウィルスの烈風に伴い、
それぞれ過酷な勤務実態と学んで、労苦の多い時代となっている。
ここ10年、個人消費が延びない限りは、民間会社は剰余金が豊富でも、設備投資には積極的になれず、
結果として働いて下さる方の給与は、物価を上回る実質賃金の増加は困難となり、益々消費低迷となっている。
そして私は、何かと働いて下さる現役の諸兄諸姉に注視するのは、
もとより日本の社会保障制度の年金、医療、介護の基盤は、
高齢者が使う費用は、その時の現役世代が保険料や税で負担する財政方式(賦課方式)を取っているので、
働いて下さる現役世代の諸兄諸姉が、その時の高齢者を支えている現実からでもある。
そして年金も現役世代が払う保険料で、高齢者に年金を支給する「世代間扶養」の仕組みを取っているので、
団塊の世代が65歳を過ぎた現在、社会保障を長らく支えてきた団塊の世代が、
「支えられる世代」となって、若い世代に重い負担を強いることになってしまった現状である。
こうした中で、年金生活をさせて頂いている私としては、
無力な私は、溜息ばかりしている。