『 平気で「お弁当」を買う人が知らない超残念な真実
「安い市販品」に、こんな「裏側」があったとは・・・
「結局のところ、 「健康の最終結論」は3つしかない 』、
と題された見出しを見たりした。
《・・「食の裏側」を明かし70万部を突破する大ベストセラーになった『食品の裏側』の著者、
安部司氏が開発したレシピ集『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』が
8冊6万5000部を突破し、話題を呼んでいる。
安部氏が自ら15年かけて開発した膨大なレシピノートの中から、
「簡単に時短に作れるレシピ」を厳選した1冊だ。
いまなお食品添加物の現状や食生活の危機をメディア等で訴え続けている安部氏が、
「平気で『市販のお弁当』を買う人が知らない超残念な真実」について語る。

☆お弁当は「差」が激しい。「安さ」の裏側は?
食事をつくれないとき、出かけるときなど、「市販の弁当」は非常にありがたい存在です。
ご飯とおかずが詰め合わされているから、これ1つで食事が完結するし、
家族で食べる場合も、それぞれが好みのものを選ぶことができます。
みなさんも一度ぐらいは、利用されたことがあるのではないでしょうか。
なかには日常的に食べているという人も少なくないでしょう。
しかしみなさん、「市販の弁当」がどのように作られているか、
その「裏側」をご存じでしょうか。
今回は、いわゆる「仕出し弁当」、「持ち帰り弁当」のつくられ方を見ていきたいと思います。
つくられ方といっても、もちろん業者によって違いがあります。
家庭でつくるのと同じように手作りしたり、
添加物をほぼ使わずにマジメにつくっている業者も存在します。
ただ、残念ながら少数です。
あるいはメインの惣菜だけ自前でつくって、煮物など副菜のみ仕出しを使うところもあります。
その意味では「お弁当は『差』が激しい」といえます。
ここではあくまでも「こういうつくられ方をしているところもある」
という一例として、ご覧いただければと思います。
わかりやすい例として、人気の「ハンバーグ弁当」を考えてみましょう。
「激安で売られている弁当」は、「裏側」でこのようなつくられ方をするところが
少なくないのが実情です。
ハンバーグ弁当のメニューは、白いご飯にハンバーグ、付け合わせにスパゲティ、
ポテトサラダ、キャベツの千切り、福神漬けというものです。
まず、このハンバーグ弁当を「家でつくる場合」を考えてみましょう。
まず合いびき肉に、炒めて冷ました玉ねぎのみじん切り、
パン粉、牛乳、卵、塩コショウなどを加えてこね、まるめて焼きます。
ソースは簡易的にケチャップとウスターソースを半々に混ぜた即席でいいことにしましょう。
ポテトサラダは、ゆでたじゃがいもをつぶして、
きゅうり、ハム、ゆでにんじん、さらした玉ねぎのみじん切りなどと一緒に、
マヨネーズで和えます。
スパゲティは、玉ねぎ、ピーマンを炒めてゆでたパスタを入れ、ケチャップで味付けします。
添え物の漬物は、家にあるたくあんや浅漬けなどで、いいことにしましょう。
この「家でつくるハンバーグ弁当」は、加工用の添加物はゼロです。
厳密に言えば、マヨネーズやソースに使われている「化学調味料」や、
市販の漬物を買ってきた場合は、それに使われている添加物くらいのものです。
☆「アベ食品のハンバーグ弁当」衝撃のつくられ方
次に、町の仕出し弁当専門店「アベ食品」がつくる激安ハンバーグ弁当を見ていきましょう。
「家庭でつくる弁当のように、ハンバーグをネタからつくって焼く・・・」と思えば、さにあらず、
「業務用の冷凍品」を仕入れてきて、
これを湯煎(ゆせん)や電子レンジなどで解凍して詰めるだけです。
ソースも「仕入れのデミグラスソース」を使います。
「付け合わせのナポリタン」、「ポテトサラダ」も業務用を仕入れてきて、
それをパックから出して詰め合わせます。
「福神漬け」は、もちろん仕入れ品。
驚くべきことに、アベ食品では「白ご飯」、「キャベツの千切り」も仕入れ品です。
結局、「アベ食品」でやっていることは、
「仕入れの食材」をパックから出して、詰め合わせるだけです。
鍋もガスも、包丁さえも使いません。
「弁当業者」というより、「詰め合わせ業者」といっても過言ではありません。
こうしてつくられた「アベ食品」のハンバーグ弁当。
プラスチックのふたを開けてみると、
鮮やかなナポリタン風スパゲティの上に大ぶりのハンバーグ。
上にはツヤツヤと光るとろみのあるデミグラスソースがかかっていて、見るからにおいしそうです。
付け合わせは、ポテトサラダとキャベツの千切り。
つやのある真っ白なごはん。鮮やかな朱色の福神漬けも添えられていて食欲をそそります。
「アベ食品」では、この弁当を契約企業やスーパーに卸しています。
☆使われている添加物を「リスト」にすると…
私は何も「仕入れ品を使うことがいけない」と言っているわけではありません。
弁当業者だって、「仕入れ品」を使ったほうが安いとか、
朝一から調理していたら昼前の納品に間に合わないとか、いろいろ事情もあるでしょう。
私が問題にしたいのは、こうした仕入れ品を使うことによって、
かなりの「添加物」が使われているということです。
以下は、それぞれの食材によく使われている添加物の一例です。
調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、加工デンプン、リン酸(Na)、着色料(カラメル色素、紅麹色素)
② デミグラスソース
増粘多糖剤(加工デンプン、キサンタンガム)、調味料(アミノ酸等)、酸味料、カラメル色素
③ スパゲティ
調味料(アミノ酸等)、酸味料、pH調整剤、増粘多糖類、着色料(クチナシ色素、紅麹色素、紅花色素)
④ ポテトサラダ
増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、ソルビット、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、グリシン、酢酸Na、香辛料抽出物
⑤ 福神漬
調味料(アミノ酸等)、酸味料、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(サッカリンNa)、合成着色料(赤102、黄4、黄5、赤106) 、香料
⑥ キャベツの千切り
表示なし
⑦ 白ごはん
乳化剤、pH調整剤、調味料(アミノ酸等)
*メーカーによって違いはあります