「カラ~ン コロ~ン」と下駄を鳴らしながら、お露さんが愛しい新三郎さんの許に通うのが『怪談牡丹灯篭』でありますが、例え幽霊であっても絶世の美女が通ってくれるのならば、男冥利につきるというもの…などと、世の男のおバカは止まるところ知りません。
都市伝説と言えば、人面犬であったり、トイレの花子さんであったり、子どもたちの考えるお話は、無邪気なものが多いものですが、話がエスカレートしてくると死にいたるケースもあるようで、子どもの空想力を持ち続けたまま、少々危険な大人になっていくのが、ご都合主義の世の男性と言うことが出来るかもしれません。
今夜、夢屋を襲った伝説は、パソコン文字化けの怪…。
仕事の締切に終われ、サービス残業をしておりました。『十三仏』(冥界の審理を行う菩薩様であります)の掛け軸を手にし、お釈迦様、不動明王、弥勒菩薩…そのお顔を眺めながらコメント文を作成し、入力し、登録終了となるところですが、登録画面が原因不明の文字化けを起こしてしまいました。
夜が更ける中、再度入力・登録…文字化け。仕事に嫌気が差してきた頃ですから、段々イラついてきます。三度目の正直、入力し登録…文字化け。
ここまで来ると少々嫌な予感がしてきます。これは「身体を厭え」との御仏のおぼし召しと都合よく判断し、作業中止。登録作業は断念しました。
いつの間にか秋風が吹くように成り、釣り場の背後のどんぐりが、「ポトン、コトン」と音を立てながら落ちて来ます。田圃の稲穂も実入り始め、穂首を垂れ始めました。小さかった『コバネイナゴ』の太腿も世界陸上のアスリートたちの様に、太く美味しく?育ちました。
稔りの秋も間近だというのに、怪談話もあったもんじゃない。そんなことを考えながら、「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」という川柳の季節感を想うと、お盆から今の季節か~!
しかし、夜風が涼しすぎる位の毎日、薄着の幽霊も風邪をひいてしまうのではないかなどと下らない妄想を巡らしながら、まったくオチのない都市伝説話をしてしまいました。