その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

兵どもの夢

2009-08-18 21:06:47 | 暮らし
『暑さ寒さも彼岸まで』などと言われますが、我が町の夏まつり『青竹ちょうちん祭り』が終わりますと、一気に秋めいてきます。
盆地性の気候は、昼暑く夜冷え込みます。お日さまと昼の暑さは、稲の光合成を高め、夜の冷え込みは稲の呼吸量を減少させるため、稲の登熟には欠かせない条件であります。この辺が、関東の熱帯夜が続く所との違いではありますが、コロコロと鳴くエンマコオロギの声は、物悲しくさえあります。
『夏草や 兵どもが 夢の跡(芭蕉)』
奥州平泉を訪れた芭蕉と曽良は、古の昔に儚くも散った源義経主従に思いを馳せながら、この句を詠んだと言われておりますが、我が家の畑に兵(ツワモノ)が、クモの糸に絡んでおりました。
          
『女郎蜘蛛』の太い糸ならいざ知らず、とても小さなクモの細い糸に絡んでいたところを見ますと余程弱っていたのでしょう。これもまた儚さを感じる光景であります。「蝉はねぇ、7年近くも土の中にいて、地上に出て1週間。捕まえたり、殺したりしたら可哀そうだよ…。」などと、私の母親は言っておりましたが、悪ガキの私がそんな言う事を聞く訳もありません。羽根の根元を木綿糸で結び付けては、飛ばせて遊んでおりました。
トンボやセミのお尻の穴に麦わらを押し込んで飛ばすなどという、私のオジ貴たちのような残酷なマネはしませんでしたけど…^^;
短いその一生ですが、木々の間を飛び回り、求婚のために精一杯鳴く(非常に迷惑な歌声ではありますが)蝉ですが、今日、街角で見つけたアブラゼミは、コンクリート電柱に止まろうとしては、滑り落ち、また飛んでは、滑り落ちることを繰り返しておりました。必死さの中にある滑稽さ…笑っちゃいけないところでしょうが、「あんたの夢って何なんよ?」と聞いてみたくなった瞬間でした。
コメント (2)
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