おんなの顔は請求書

　暖かく気持ちの良い日だった。近くのグラウンドへ出かけて、青空の下で少し運動をしてきた。あとはほとんどサッカーの試合をみている。私は実はよくサッカーわからない。でも、試合を見ながら私の言うことはどうも正しいらしい。8年も取材をしていて、実はわからないとはいえないが、そういうことはたくさんある。サイエンスもそうだ。感覚でつかめるというのか・・・。だから、知識ではない。

　グラウンドにいると、いろいろな情報が入る。集めると言うのではなく、向こうから話しかけてくれる。私の顔は請求書ではないが、会費のこと、寄付金のことも向こうから言われる。いや、4月以降でいいのですよ、と言うが、振込用紙がほしいと言われる。確かに何かが変わった。ただ、運動と日光浴を楽しみに行くだけだからだろうか。写真もプリントしなくてもしてくれる人が出てきた。仲間になったからか、昨日の話の群れに入ったからか。まぁ、顔が請求書と思われなくなってよかった。それなのに不思議とものも届く。人生はわからない。

　ただ、母親の顔の要素は増えた。あちこちに息子がいるようだ。あちらに疲れそうだという人がいれば、救援物資を送り、怪我をした人がいれば、明日は病院へ行くのですよ　と心配し、取材先のお土産を楽しみにしている息子には、いまは取材はお休みなのでとケーキを焼き、ああ、私のほうこそ甘えたいのに・・・。

　女の顔は請求書のほうがいいようだ。