夜中に1度も目が覚めず朝が来た。年を取るとそんなことが感動になる。たぶん、上のうちが静かだったのだろう。隣の部屋の音は聞こえないが、上の足音は聞こえる。音には敏感なので文句も言いたいが、ぼろマンションでは仕方がない。昨日苦しんだ膝の痛みはどうやら骨ではなく筋肉らしい。よく温めて歩かなかったので痛みが止まってきた。本当に何が起こるかわからない。
番組紹介ではどんなドラマかわからなかったが、NHKの昭和元禄落語心中が面白い。子供のころは、落語の放送をよくやっていた。ラジオもTVでも、娯楽が少なかったからだろうか、落語、浪曲、講談をやっていた。改めて今聞いてみると懐かしい。寄席も多かった。家からは都電で上野まで行くと末広亭があった。子供なりに話を覚えたものだ。家にも浪曲のLPがたくさんあった。祖父の道楽だったようだ。今も時々、CDで落語も出ているようだ。ドラマを見ていて、聞いてみたくなった。芸人がいなくなったわけではないだろうが、落語を聞く機会も少なくなった。ある意味で落語は『粋』の世界だ。
そういえば、昨夜のドラマで、生真面目な落語家(主人公)に、師匠が「お前には色気がない」という。「色気とは『余裕』、『ゆとり、遊びだ』がある」という。な~るほど、確かに色気のある人は、どこかに「ゆとり」がある。会話でもうまく流すというのか、笑ってやりすごせる、というのか。抜けていないといけないという。すきあり 位のほうが心をくすぐるのかもしれない。