暖かい湘南から米原に着いたとき、邪魔で仕方なかったコートに感謝した。やはり、寒い。長浜は曳山まつりのため、町には交通規制があちこちにひかれていた。明日でお祭りも終わり、その余韻を残す町並だった。
昨日、自分はなにも残さない と書いた後にNHKでものを捨てて身辺をすっきりさせる話をしていた。いや、身辺だけでなく、生き方をすっきりできるという話だった。それを頭でなく気持ちでするということで、思いの残るものは無理に捨てないということ、そして捨てられないものと向き合うということだった。捨てられないには、そこになんらかの想いが残るからだろう。その気持ちと向かいあって、自分を見つめることだという。自分の生きた証として、その品物が必要のだろう。そこまでTVを見ていて、あらまぁー、全部捨てられるということは、過去にこだわりがなくなったのだ!少なくともものに関しては。人の心にはそういう部分があるだろう。
今、衣類も本もかなり捨てられてきれいだ。手紙も写真もどばっと捨てられる。意外に残っていたのが、旅行先のパンフレットだ。特に京都が多い。別に再度見るわかでもないのに・・・。たぶん思いがまだ残るのだろう。
捨てられない数字の記憶もある。Y氏の電話番号だ。メモはないから定かではない。そして、電話をして確認をすることもない。自分の10年前の電話番号は覚えていないのに。これもそのうち忘れるだろう。忘れられないものは大事に持って歩く方がいいのだとつくづくこの頃思う。重いものを捨てられずに持って歩く人のほうが誠実なのかもしれない。