セーター2枚を着て出かけると、暑いくらいだった。桜は終わっても、海棠、レンギョウなどのほか色とりどりの花が咲き誇っている。春じゃ、春じゃ。夕方は部屋がオレンジ色に染まった。琵琶湖も赤く染まっているのだろう。
昼ごろ買い物に出かけていつもと一通り違う道に入るとお寺があった。こんなところにお寺が という感じだ。この長浜の地は、姉川の戦い、そして賎ケ丘の戦いがあり、特に姉川の戦いでは川は血の川となり、野原は血原となったとも言われている。少し岐阜によれば、関が原があり、京に近いだけに城も多く、権力を争う舞台ばかりだ。今日見つけたお寺は、その戦国の世に嫌気がさし、高野山に出家した武将がこの地に建てたと言う。
女が3人いると、2人で1人の悪口をいい、男が3人いると、3人で争いを始めるという話がある。人の歴史は、戦争の歴史だといってもいいだろう。宗教ですらその争いに巻き込まれていく。それでも、心理学によると、戦いで1対1で出会ったときは、人は人を殺さないそうだ。
春の美しい花の季節に血なまぐさい話になってしまった。長浜駅で「東京にある長浜の観音堂」というパンフレットをみつけた。長浜市は、観音信仰が篤く、住民の手で守られてきた観音様が点在している。そして、東京上野の「不忍池」は江戸時代に、寛永寺の開祖・天海が琵琶湖に見立て竹生寺になぞらえて弁天島を築かせたそうだ。その上野の池の近くに「びわ湖長浜 KANNON HOUSE」があるという。「不忍池」は子供のころよく出かけたところだ。なにかの縁なのだろうか。観音さまの慈悲の心を受けて安らぎの気持ちになれば、戦いなどなかったかもしれないし、カトリックならマリア像をみて、あわれみを頂いたろうに・・・。人のおろかさ、権力欲というのはどこからくるのだろうか。