雨で1日が始まった。新緑の黄緑がさらにみずみずしく見える。田んぼも耕されている。田園風景が春になった。
実家が来月解体される。うさぎ小屋のような家だが、処分するとなるとそれなりに大変だ。家族誰もがさびしい思いをして越した家だ。最近、私だけがつらかったのではないと、気がついた。その家がなくなる。もう戻るところはない。
家具も道具ももちろん人もいない家はただの物体だ。人は何を大事に暮らしていたのだろう?何を守っていたのだろう?残ったものは形のないもののようだ。
家族が仲よく笑って暮らした思い出なのだろうか。残るのは、「あい」だけのような気がした。