今年は、年初からナマ・コンサートが続く。
今月は、”サンミ ヴァイオリン コンサート 天満敦子が奏でるストラディヴァリウスの響き”
会場はレストラン。300人程度。年配者が多い。食事とのセットで、希望によりコンサートの前と後どちらかを選んで食事をする。フレンチ、イタリアン、和食の3種類。予め申し込んでおく。昼の部と夜の部があるので、選択の幅があって嬉しい。
《 プログラム 》
♪タイスの瞑想曲(マスネ)
♪愛のあいさつ(エルガー)
♪愛の悲しみ(クライスラー)
♪G線上のアリア(バッハ)
♪ホーム・スウィート・ホームの主題による変奏曲(ファーマー)
♪トロイメライ(シューマン)
♪シャコンヌ(ヴィターリ)
♪望郷のバラード(ポルムベスク)
♪チャルダーシュ(モンティ)
誰もがよく知るポピュラーなクラシックを並べたのは、店常連客への配慮だろう。季節ごとの、このコンサート企画は10年前から。彼女の出演は4度目とか。
何と言っても聴衆のお目当ては「望郷のバラード」。高樹のぶ子の朝日新聞連載中から話題になった「百年の予言」の影響が大きい。主人公走馬充子は、天満敦子がモデルである。
ルーマニアの悲劇の作曲家ポルムベスクの作品が、ほぼ史実として紹介された。愛と性の描写が激しく、朝の連載に相応しくないとの場外論戦も話題になったと記憶している。
歴史の裏側から名曲や音楽家を自らの手で引き上げ、人類の遺産として残す仕事は、芸術家たちのもう一面の尊い作業である。