ちょっと変わった映画である。事故死した父親の葬儀に出ずに、家を出て行った母親を、息子の3兄弟が訪ねる道中記である。
3人が3人とも自分勝手な我がまま流、ぶつかりながらのインドの旅の物語。
めったに目に出来ないインドの風景や街並み、生活など興味津々。
件の母親が登場するのは、映画の最終章。教会で生活し宗教活動に専心していた。これがなんとアンジェリカ・ヒューストン。ご存知映画監督ジョン・ヒューストンの娘。この存在感たるや、曲者役者の3人が束になってもとうていかなわない。
世界のIT産業のトップを走るインド。映画は最大の娯楽だという。ちょうど映画に熱気があった日本の50~60年代というところか。アメリカ映画も配給されているのかしら。だとしたら、数億のインド人が観ることになるが、果たして違和感を感じさせずに仕上がっているのか。米映画に観る日本の描き方に不満を持つことの多い身として多少の気がかり。
前知識無く入った映画館では、短編が上映された。これが実は、本編『 ダージリン急行 』のプロローグになる『 ホテル・シュバリエ 』。
3男ジャックとガール・フレンドの2人の13分。電話の声で婆さんかと思いきや、登場したのはナタリー・ポートマン。嬉しかったね。しかもショート・カット。胸がドキドキ。もう一度観ようかしら。
新宿武蔵野館。70点。