処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

十三人の刺客

2010-10-18 10:01:16 | 映画

監督:三池崇史

2010年ヴェニチア国際映画祭コンペティション部門正式出品作品

出演:役所広司、山田孝之、伊勢谷友介、古田新太、伊原剛志、松方 
    弘樹、松本幸四郎、稲垣吾郎、岸部一徳、平幹二朗、市川正親        
    etc.
 
       


時代劇の復興が言われるこの数年、この作品はその頂点の一つにはなるだろう。間もなく封切られる佐藤純弥監督の『桜田門外ノ変』もその口か。

勧善懲悪の単純なストーリー。極悪非道に堪えて堪えて堪えて、末に、300人を相手に斬って斬って斬りまくって、お殿様の首を見事ゴロンと切り落とす。

十三人は、自分の流儀や型で大暴れ。特段目を引いたのは、松方弘樹の殺陣。さすが往年のやくざ映画のキャリア、一番に決まっていた。

平幹二朗がチョイ役、松本幸四郎はもっとチョイ役。が、実に大事なキーパーソン。こうした大ベテランや大物俳優がチョット出の映画は、それだけで重量感が増す。傑作になることが多い。

それにしても出色は、残虐な君主役の稲垣吾郎。感情の無い表情は実に不気味。ここまでやれると踏んでのキャスティングだったろうか、想像以上の出来だったのではないか。いま思い出してもゾッとする。

もう一人の出色は、この冷酷無比のお殿様を最後まで守る市川正親。主君に仕え守ることが武士の魂と、悲しいほど忠実な腹心。

工藤栄一監督のオリジナル作品は
1963年。観たのは高校1年の時になるか。重量感と豪華さと展開に息を呑んだ記憶がある。CG処理の無い時代。それだけ完成度が高かったといえる。映画が国民の総娯楽の時代、観客数はかつての方がはるかに多かろう。
そう、このリメイク版を観に映画館に脚を運んだ初老の人たちは、きっとオリジナルを観ている。もっともっと国民的話題作だったから。

   1963年版



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