3.11の夜。東日本の都会は、家族の安否を気遣う帰宅難民の流れで溢れた。就中東京。
帰れるのならまだいい。底冷えの巷に放り出されて行き場のない人たち。
帝国ホテルには、周辺に勤めるのビジネス・パーソンや商店関係者など、安心と安全を求めて大量に避難してきた。部屋はすぐに満室。ロビー、アーケードの通路などに着の身着のままで夜を明かした。
ホテル側は、身を寄せてきたすべての人たちに毛布を配り、朝にはスープとパンを用意したという。アーケードで働く人から伺った。
これこそブランド。日本を代表するホテルとして業界を牽引してきたが、それだけのことはある。
政治家の無能無策とは対照的に、被災者、救援者、復旧作業者などなど、普通の国民のわが同胞は、実に驚嘆すべき資質を示している。頑張ろう!日本! 自分にできることは何か。不自由・不便のシェアぐらい喜んで引き受けよう! そのくらいのことしか出来ないのだから。
イライラしらり、ブツブツしたりは、恥ずかしい。日本人が試されている。