本を読んでいたら、私の目に飛び込んできて、しばらく動けなくなった言葉があった。
心がむちゃくちゃ喜んでいるのがわかる。自分の心が喜ぶことが分かるのは、世界中で私ひとりなんだ!
これは たかのてるこ 著の「ガンジス河でバタフライ」という、旅のエッセイの中にあった。
一人旅がしてみたいが、小心者で勇気がなく、思い切って格安チケットを買ってしまったあとも、行かなくて済む理由を探し続けてしまう彼女。
思わず抱きしめてしまいたくなるほど、その気持ちがわかる。
私は過去の人生の大半を、何かの目的のために生きてきたような気がする。
ピアノを習うのは、ピアノが上手に弾けるようになるため、勉強をするのは、いい学校に入るため。
それをすることによって得られる何かが欲しくて、それが動機であることが多かったし、またそのことに疑問も持たなかった。
ただ、人生を大きく変える出来事は、何の目的もなく、ただそうしたかったからという理由で決めてきた。
進学校に入り、まわりに流されて大学受験をすることに反抗してみたかったという理由で、高3の夏にいきなり美大に進路変更したとき。
ある日突然、10年余の不自然な結婚生活がむなしくなり、離婚しようと決めたとき。
英語もろくに話せないのに、アメリカ人と結婚しようと決めたとき。
どの時にも、猛反対にあった。
反対されればされるほど、私はそれをやりたくなり、しかしその一方で、どうにかそれをしなくて済む、正当な理由も探していた。
私を思いとどまらせようとする周囲の意見は、ことごとく、私の心のどこかに潜んでいる不安そのものだった。
美大は90%受からないと言われていたし、離婚したあとどうやって生活するかも、アメリカ人と結婚してうまくいくのかもわからなかった。
先は見えなかったけれど、それが自分の心が喜ぶことだという確信があった。
そして、そう確信したことは、どれも確実に私を幸せにしてきた。
外側の準備などはいらない。
先々の安心を確保してから動くのでは、英語が話せるようになってから結婚するのでは、遅すぎる。
行き当たりばったり、猪突猛進、見切り発車、人はいろいろに言うけれど、どんなに準備しても、それは誰かのデータから得た想像にすぎず、
最悪のシナリオを繰り返し思い描き続けるほど、人生は長くないのだ。
今、チンプンカンプンな早口英語に愛想笑いをしながらも、ハワイに住むことも、私の心が喜ぶことに違いない。
絵を描きたければ描いて、海に行きたければ行き、おもしろそうなことが仕事になれば、仕事をすることもあるかもしれない。
今この瞬間、私の心が喜ぶことを楽しんでいる自分にOKを出せるようになった自分に、ずいぶん遠くまで来たもんだと思う。
それでも時折、中心がブレそうになる。
自分のヨロコビに正直に生きている人の生き方は、私に勇気をくれる。
心がむちゃくちゃ喜んでいるのがわかる。自分の心が喜ぶことが分かるのは、世界中で私ひとりなんだ!
これは たかのてるこ 著の「ガンジス河でバタフライ」という、旅のエッセイの中にあった。
一人旅がしてみたいが、小心者で勇気がなく、思い切って格安チケットを買ってしまったあとも、行かなくて済む理由を探し続けてしまう彼女。
思わず抱きしめてしまいたくなるほど、その気持ちがわかる。
私は過去の人生の大半を、何かの目的のために生きてきたような気がする。
ピアノを習うのは、ピアノが上手に弾けるようになるため、勉強をするのは、いい学校に入るため。
それをすることによって得られる何かが欲しくて、それが動機であることが多かったし、またそのことに疑問も持たなかった。
ただ、人生を大きく変える出来事は、何の目的もなく、ただそうしたかったからという理由で決めてきた。
進学校に入り、まわりに流されて大学受験をすることに反抗してみたかったという理由で、高3の夏にいきなり美大に進路変更したとき。
ある日突然、10年余の不自然な結婚生活がむなしくなり、離婚しようと決めたとき。
英語もろくに話せないのに、アメリカ人と結婚しようと決めたとき。
どの時にも、猛反対にあった。
反対されればされるほど、私はそれをやりたくなり、しかしその一方で、どうにかそれをしなくて済む、正当な理由も探していた。
私を思いとどまらせようとする周囲の意見は、ことごとく、私の心のどこかに潜んでいる不安そのものだった。
美大は90%受からないと言われていたし、離婚したあとどうやって生活するかも、アメリカ人と結婚してうまくいくのかもわからなかった。
先は見えなかったけれど、それが自分の心が喜ぶことだという確信があった。
そして、そう確信したことは、どれも確実に私を幸せにしてきた。
外側の準備などはいらない。
先々の安心を確保してから動くのでは、英語が話せるようになってから結婚するのでは、遅すぎる。
行き当たりばったり、猪突猛進、見切り発車、人はいろいろに言うけれど、どんなに準備しても、それは誰かのデータから得た想像にすぎず、
最悪のシナリオを繰り返し思い描き続けるほど、人生は長くないのだ。
今、チンプンカンプンな早口英語に愛想笑いをしながらも、ハワイに住むことも、私の心が喜ぶことに違いない。
絵を描きたければ描いて、海に行きたければ行き、おもしろそうなことが仕事になれば、仕事をすることもあるかもしれない。
今この瞬間、私の心が喜ぶことを楽しんでいる自分にOKを出せるようになった自分に、ずいぶん遠くまで来たもんだと思う。
それでも時折、中心がブレそうになる。
自分のヨロコビに正直に生きている人の生き方は、私に勇気をくれる。