怒涛の運転免許 ~仮免編~
怒涛の運転免許 ~路上試験1~
フィリピン系の試験官のおばちゃんが書いたメモを、家に戻って改めて眺めてみた。
冷静になってみれば納得できるものがほとんどだったが、「駐車場所から出る時の注意不足」は合点がいかない。
私はおおげさに首をぐるぐるまわして後ろを見たし、そろそろと車を出したはず(こちらでは頭から駐車するのが一般的)。
それでも謙虚になって注意点を克服し、1週間後の月曜日を迎えた。
朝7時15分ぐらいまでに、というところを、7時にオフィスに着いた。
入り口付近には誰もいないように見えたので、「こりゃ1番乗りしちゃったぁっ?」と喜んで近づいていったら、既に15人ほどの人が待っていた・・・
皆さん慣れたもので、それぞれビーチ椅子に座り、ハンバーガーなど朝食を食べている人もいる。一体何時に来ているのか。
今日の分のキャンセル枠が全員にいきわたるほどあるとは思えず、戦意消失しそうになったが、せっかく来たから、待つだけ待つことにした。
7時45分のOPENまでに、私の後に来たのは一人だけだったから、私はビリから2番ということだ。
実はこの日、ワシントンDCに出張していた夫の母が帰ってくる日で、夫の父は空港まで迎えに行くことになっていた。
飛行機が着くのが1時半だから、1時から3時の時間帯以外しか私は選べない。
私の番が来た。もう空きはないんだろうと思っていたら、1時半と2時45分が空いているという。
夫の父に電話をすると、2時45分で大丈夫だと言うので、その時間枠を予約した。
それにしても、15人もの人が予約を取れるほど、時間枠が空いていたというのはどういうことか? もっと不思議なのは、それなのにネットで予約すると2ヶ月先まで一杯だとはどういうことだろう。
所用で出かけていた夫の父が、「オゥ、ウェーール・・」と言いながら家に入ってきた。(日本語だと「こりゃこりゃ」てな感じ)
イヤ~~な予感がした。
母の乗る飛行機が、雪のために遅れて、ちょうど試験の時間に空港に着くという。
でもちゃんと手立ては考えてある、という。(聞こうじゃないか)
前回の試験のとき、最初の受付で自分が免許証を見せたりしただけで、試験前には何もしなかった。今日は既に受付をしてあるのだから、自分は行かなくてもいいと思う。
でも、もし誰か必要だった場合の為にトムに頼んでおいた、と言う。
トムは父の友人で、リタイヤして毎日暇しているおじさんだ。さすがパパ、トムに頼んでくれたなんて、と感激し、
「じゃ、試験の時間にトムが来てくれることになってるんだね?」と言うと
「違う違う、もし必要なら電話して来てもらって、ということだよ。これがトムの電話番号さ」
感激した私がアホだった。
でも、朝一緒に並んでくれた夫や、夫の父、出先から励ましのメールをくれた母、そして関係のないトムまで私の免許取得に協力してくれているのだと感謝した。
夫の父は車を試験会場まで運び、歩いて戻ってきて母の車で空港に行った。
私は一人で試験会場まで行き、受付を済ませ、外のベンチで順番を待っていた。隣の人に順番がまわってきて、同伴者が試験官に免許証を提示したのを見て、いきなり不安になり、オフィスに駆け込んだ。
「これから試験受けるんですけど、一緒に来た義父が急用があって出かけてしまったんです。いなくちゃダメ?」
「もちろんダメに決まってます。一人じゃ運転しちゃいけないんだから。日本の免許証とパスポートがあれば、入国1年以内なら一人で運転できるけど・・」
クールビューティのおねえさんが事務的に言った。
「日本の免許あるけど、パスポートは まだ 持ってない・・」
「まだ?」
ビビリの私は焦ると頭の回路がめちゃくちゃになる。今日は持っていない、と言うところを「まだ」と言ってしまい、それを切り返されて更に焦った。
「じゃあ、誰かをここに呼んでもいい?」
するとクールビューティのおねえさんは、ニコリともせずに
「そんなこと私に聞かないで。それは違法だもの。でも呼びたかったら呼べば?私は聞かなかったことにするわ。ただし試験まであと15分」
聞き終わらないうちに外に飛び出し、トムに電話した。
10回、15回、何度鳴らせどトムは出ず・・・・・
トムに感謝したことを撤回した。
全然役になんかたたないじゃないかッ!!!
仕方がないので、車で家に戻ってパスポートを持ってきた。一人で運転しちゃいけないのは分かっているが、この際背に腹は変えられん。
なぜこんな、いろいろ起こるんだ?
力の限り走って窓口に行き、パスポートを見せて受理されると、3時3分前だった。
これから試験だというのに、既に私はへろへろに疲れていた。
怒涛の運転免許 ~路上試験1~
フィリピン系の試験官のおばちゃんが書いたメモを、家に戻って改めて眺めてみた。
冷静になってみれば納得できるものがほとんどだったが、「駐車場所から出る時の注意不足」は合点がいかない。
私はおおげさに首をぐるぐるまわして後ろを見たし、そろそろと車を出したはず(こちらでは頭から駐車するのが一般的)。
それでも謙虚になって注意点を克服し、1週間後の月曜日を迎えた。
朝7時15分ぐらいまでに、というところを、7時にオフィスに着いた。
入り口付近には誰もいないように見えたので、「こりゃ1番乗りしちゃったぁっ?」と喜んで近づいていったら、既に15人ほどの人が待っていた・・・
皆さん慣れたもので、それぞれビーチ椅子に座り、ハンバーガーなど朝食を食べている人もいる。一体何時に来ているのか。
今日の分のキャンセル枠が全員にいきわたるほどあるとは思えず、戦意消失しそうになったが、せっかく来たから、待つだけ待つことにした。
7時45分のOPENまでに、私の後に来たのは一人だけだったから、私はビリから2番ということだ。
実はこの日、ワシントンDCに出張していた夫の母が帰ってくる日で、夫の父は空港まで迎えに行くことになっていた。
飛行機が着くのが1時半だから、1時から3時の時間帯以外しか私は選べない。
私の番が来た。もう空きはないんだろうと思っていたら、1時半と2時45分が空いているという。
夫の父に電話をすると、2時45分で大丈夫だと言うので、その時間枠を予約した。
それにしても、15人もの人が予約を取れるほど、時間枠が空いていたというのはどういうことか? もっと不思議なのは、それなのにネットで予約すると2ヶ月先まで一杯だとはどういうことだろう。
所用で出かけていた夫の父が、「オゥ、ウェーール・・」と言いながら家に入ってきた。(日本語だと「こりゃこりゃ」てな感じ)
イヤ~~な予感がした。
母の乗る飛行機が、雪のために遅れて、ちょうど試験の時間に空港に着くという。
でもちゃんと手立ては考えてある、という。(聞こうじゃないか)
前回の試験のとき、最初の受付で自分が免許証を見せたりしただけで、試験前には何もしなかった。今日は既に受付をしてあるのだから、自分は行かなくてもいいと思う。
でも、もし誰か必要だった場合の為にトムに頼んでおいた、と言う。
トムは父の友人で、リタイヤして毎日暇しているおじさんだ。さすがパパ、トムに頼んでくれたなんて、と感激し、
「じゃ、試験の時間にトムが来てくれることになってるんだね?」と言うと
「違う違う、もし必要なら電話して来てもらって、ということだよ。これがトムの電話番号さ」
感激した私がアホだった。
でも、朝一緒に並んでくれた夫や、夫の父、出先から励ましのメールをくれた母、そして関係のないトムまで私の免許取得に協力してくれているのだと感謝した。
夫の父は車を試験会場まで運び、歩いて戻ってきて母の車で空港に行った。
私は一人で試験会場まで行き、受付を済ませ、外のベンチで順番を待っていた。隣の人に順番がまわってきて、同伴者が試験官に免許証を提示したのを見て、いきなり不安になり、オフィスに駆け込んだ。
「これから試験受けるんですけど、一緒に来た義父が急用があって出かけてしまったんです。いなくちゃダメ?」
「もちろんダメに決まってます。一人じゃ運転しちゃいけないんだから。日本の免許証とパスポートがあれば、入国1年以内なら一人で運転できるけど・・」
クールビューティのおねえさんが事務的に言った。
「日本の免許あるけど、パスポートは まだ 持ってない・・」
「まだ?」
ビビリの私は焦ると頭の回路がめちゃくちゃになる。今日は持っていない、と言うところを「まだ」と言ってしまい、それを切り返されて更に焦った。
「じゃあ、誰かをここに呼んでもいい?」
するとクールビューティのおねえさんは、ニコリともせずに
「そんなこと私に聞かないで。それは違法だもの。でも呼びたかったら呼べば?私は聞かなかったことにするわ。ただし試験まであと15分」
聞き終わらないうちに外に飛び出し、トムに電話した。
10回、15回、何度鳴らせどトムは出ず・・・・・
トムに感謝したことを撤回した。
全然役になんかたたないじゃないかッ!!!
仕方がないので、車で家に戻ってパスポートを持ってきた。一人で運転しちゃいけないのは分かっているが、この際背に腹は変えられん。
なぜこんな、いろいろ起こるんだ?
力の限り走って窓口に行き、パスポートを見せて受理されると、3時3分前だった。
これから試験だというのに、既に私はへろへろに疲れていた。