太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

もののけ

2012-02-03 09:40:18 | ハワイの自然
夜、1歩庭に出れば真っ暗闇である。

照明も置いていないし、月明かりだけが頼り。

晴れた日には、ザルからばらまいたようにたくさんの星が見える。それでも、まだここは家々があるからそのぐらいの星の数で、

ハワイ島やマウイ島で見た星の数といったら、もう気持ち悪くなるほどだった(適切な表現かどうか怪しいが)


さて、そんな夜の庭の一角にあるゴミ箱に、ゴミを捨てに行った。



昼間はこんなふう


右側の奥に見える、青やグリーンがゴミ箱。

懐中電灯を持たずに行って、ゴミ箱の蓋に手をかけたとき、


ガサ・・・・ッ


何か動いた音がする。

人間ほど重くない、何か。

目を凝らしても、ほんとの闇は、ただただ闇があるだけで、目を開けているのかどうかもわからない。




音がしたのは、このへん


この先は、急に下に落ちていて、ジャングル内に消えてゆく。



ゴミを捨てたら、さっさと家に戻ればいいものを、何がいるのか突き止めたい私と、突き止めたくない私が闘っていて動けない。

映画の怖いシーンで、登場人物が不審な音がするクロゼットや、絶対に怪しいドアを開けようとするのを見て、

「バカだねえ、普通は開けないでしょ」

と思うのだが、あれは物語上の演出ではなく、実は正しい心理かもしれない。


庭に続くこのジャングルは、未踏の地で、昔、夫がメネフネ(ハワイの妖精)を見たのもココだ。

メネフネはちっさいオッサンみたいな妖精で、かわいくないって言ってたなあ、などと考えていたら、、

突然、 ゴォ~~~ッッ  と強い風が吹いて、木々がわっさわっさと揺れ、私はその場で飛び上がるほど驚いた。


走って帰りたいのに、半ば腰が抜けて、思うように体が動かない。

それでも、何かいたらどうしよう、と思う一方で、目と耳はその「なにか」に神経を集中しているのだ。

私が何かを感じ取ろうとするからか、真っ暗闇のどこからか、何かが私を感じ取ろうとしているような気がする。


夜の庭は、どんな馬鹿げたものが現れても似合うというか、そんな雰囲気がある。

もののけか、何かのスピリットか、水木しげるの描くような妖怪か、どれが出てきたっておかしくない。

今度は上のほうから、何かを感じた。


このへん


と、その時、背後に バッサー! と何かが落ちた。

本当に驚いた時って、声なんか出ない。

何かに心臓を掴まれたように、一瞬心臓が止まったのがわかった。

何かいたらどうしようと思いつつも、勇気を出して振り向くと、パームツリーから巨大な葉が落ちただけだった。



こういうやつ




庭で肝だめしやってる場合じゃないと思い、でも怖くて背中は見せられず、後ずさりしながら家に入った。


昼間見れば、ただの南国の雑木林。

でもここには、絶対に何かがいると私は思う。







にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村






スケジュール帳

2012-02-03 09:33:53 | 日記
月や週単位でスケジュールを書き込んでいく手帳を、私は長年使ってきた。

社会人になってからずっと、それはなくてはならないものだった。

毎年、どんな手帳にするのか決めるのは楽しい作業でもあった。

新しい手帳を買ったら、まず家族や友人の誕生日を1年分書き入れておき、

仕事が休みの日に印をつけたり、来年は連休がどうなっているかチェックしたりする。



だから昨年も、何の疑いもなく2012年の手帳を買った。

ハワイで探したら、大抵週単位のもので、私が使いやすいと思う1ヶ月が見開きで見られるものがなかったので、

友人にわざわざ頼んで取り寄せてもらい、それを送ってもらうという、人に手間をかけさせてまで手に入れた。

それが確か10月。いや、9月ぐらいだったかもしれない。

誕生日を書き込むという儀式もやり、使い始めるのを待つばかり。



今は2月。私は気づいてしまった。


あれから1度も手帳を開いていないことに・・・


新しい手帳は、夏以来、引き出しの奥にひっそりと押し込まれたままである。

今日まで、存在すら忘れていたことを告白しよう。

その引き出しから、他のものを出そうとして気づいたのだから。


そこには昨年の手帳もあり、中を見てみた。

ハワイに来たのが4月上旬で、1月~3月末までは非常に忙しかった。いつ新幹線のチケットを買うとか、アパートの引渡しとか、電気、ガスをとめるとか・・・・

特に3月は、会っておきたい友人や、済ませておきたい用事も目白押しで、毎日予定がギッシリだ。

しかし、4月からは極端に真っ白になっていて、

たまーーに、誰が来たとか、どこへ行ったということが書いてあるが

それは予定ではなく、覚え書きのように、済んだことを後から書いてあるだけなのだ。それも気まぐれだから、日記がわりにもなりゃしない。



なにしろ、今はいつだって暇だし、誰かと約束するのも即座に「OK」と言える。

覚えておきたい予定は、洗面の壁にメモで貼ってある。

働いていた頃は、毎日手帳を見る習慣があったけれど、今はそれがないから、手帳に予定を書いても意味がない。



私、手帳なんか全然いらないんじゃん。



専業主婦になって、社会から取り残されたような気がして焦るという人もいると聞いたことがある。

日にちも曜日も、時間さえもあまり関係なくなってきている生活は、確かに社会から隔絶されているんだろうけど、

それでも普通に暮らせている自分が、焦りもしない自分が、これでいいのだろうかと思わないこともない。



とりあえず、白紙の今年の手帳をどうするか。

あと11ヶ月もあることだし。でも記入するスケジュールなんてないし。

日記にするにも三日坊主決定だし。

どうしたもんかなぁーと言いつつ、きっと1年終わってしまうような気がする。






にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村