太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

あなたの知らない世界

2012-05-09 09:21:15 | 不思議なはなし
怖い系が苦手な人は、スルーしてね。



昨夜、夫と二人で居間のソファに座ってDVDを観ていた。

私が何かの気配を感じて、右のほうを振り向くと、右側に座っていた夫と目が合った。

「なに!?」

「いや、別に」

照明を落としてあるダイニングルームを、白くて丸い何かがスーっとキッチンに向かって横切ったのが見えたのだが、私はそれを言わずにいた。

でも夫は食い下がって

「ねえ、何??」

「何か見たように思ったんだけど」

「何かいたよねッ!横切ったよねッ!白かったよねッッ!」

夫も見たのか・・・



彼はたまーに、見えたり感じたりする人で、そういう目に見えない何かの存在を信じているというか、知っているんだけれど、それ以上のことはわからないので、なんだったんだろう・・という疑問だけが残る。

わからないのは私も同じで、だから話し合っても仕方がないから、互いにその見たものについて触れなかった。



私が1度だけ、はっきりと「見た」のは祖父だった。

祖父は88歳で他界したが、最後は自宅で療養していた。

その夜、祖父の状態が思わしくなく、かかりつけの医師も来た。

夜も更けてきて、祖父の状態も変わりがないので、私はお風呂に入ることにした。

浴室から戻る時、隣の応接間を誰かが歩いているのを見た。

応接間とダイニングの間は、アコーディオン式の扉があって、普段は全開にしてある。

ほんのりとした明るさしかなかったが、それが祖父であることは間違いがなかった。

祖父は、普段着の青い着物を着て、いつものように背筋を伸ばして、仏間のほうに向かって歩いていた。

私はそれを見て「あー、おじーちゃん元気になったんだなー」と思った。



しかしその数秒後、

「ンなわけない!」

だって祖父はここ半年ほどは寝たきりで、寝ているときには着物じゃなくてパジャマを着ていたんだから。

あわてて祖父の部屋に行くと、そこにはやっぱり呼吸器をつけた祖父が寝ていて、そしてそれからまもなくして息を引き取った。

不思議と怖くはなかった。

祖父はあの時、既に体から出ていたんだと思う。



生まれつき敏感で、いろんなものを見てしまう人たちが友人の中にいるけれど、

私は彼らの話を聞くたびに、鈍感でよかったーと胸をなでおろしたものだ。

昨夜の白い何かで既にビビっている私。

どうかどうか、このままずーーーーっと鈍感道を守り続けられるよう願っている。









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