太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

サプライズ パーティ

2012-05-14 10:35:41 | 日記
本人には黙っていて、極秘に準備を進めるパーティがサプライズパーティ。

映画では観た事があるけど、招かれたのは初めて。

ずっと牧師をしていた人の、85歳の誕生日がサプライズパーティだった。

招待状には、

『プレゼントはいりません。持ってくるのは、パパとの思い出だけ!』と書かれていた。


夫が通っていた小学校は教会も兼ねていて、その校長でもあった。校長先生というと、遠い存在のイメージがあるが、

毎日子供達と触れ合って、遊んで、悩みを聞き、家族とも交流があって、そういう「やさしい隣りのおじさん」みたいな校長だったという。

日曜礼拝に通っていた人たちや、友人たちが、彼の娘さんの家に集まった。

60を過ぎた人たちが、囚人の仮装をしたり、モンローのようなドレスにカツラをつけたり・・・・

こうやってとことん楽しむことが大好きなアメリカ人の陽気な気質は、いつも私を圧倒させる。



本土に住む、もう一人の娘さんも駆けつけた。



庭にテーブルとランタン、灯が灯されて、趣をこらした食事が並ぶ。

懐かしい面々が話に花を咲かせているうちに、本人がやって来るというので、皆がシーンと静まり返る。

何も知らない本人が、庭に姿を見せた途端、全員が叫ぶ。

「サプラーーーーイズ!!!ハッピーバースディ!!」

誰かがギターを弾き、誕生日の歌を合唱する。


彼が両手を広げ、驚く顔が、みるみる笑顔に変わってゆく。


食事をしながら、PCと繋げたTVの画面に、彼の若い頃の写真やらがスライドショーで映し出されるのを見て、また盛り上がる。

彼との思い出を、話したい人が前に出て語る。

食事も音楽も、すべての演出は娘さんの旦那さんが取り仕切っている。

スライドショーを見た本人が

「こういう洒落たのは葬式のときにとっておけばいいのに」

と言えば、

「大丈夫、葬式のときにはタイトルを変えるだけだから」

と婿さんが切り返す。一同大爆笑。



「いろいろあるけど、いつも今日が最高の日だと思って一日を始めて、いろいろあっても、今日が最高の日だったと思って寝る。

おかげで今日も最高の日になったよ、ありがとう」



短いけれど、心にズキューンと来るスピーチだった。

誰もみんな笑顔、笑顔。それぞれに抱えているものはあるはずで、

だけどココにあるのは愛ばかり。






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Mother's Day ブランチ

2012-05-14 10:32:18 | 日記
昨日は母の日。

ヨットクラブで、叔父叔母や友人たちとMothers's Dayブランチを楽しんだ。




シンプルだけど可愛いテーブルセッティング


ここでの母の日は、子供から母親だけじゃなく、

夫から、子供の母親である妻、親から、孫の母親である娘、というふうに、「母親」である人全員が対象になる。

夫の父は、妻にカードと薔薇の花束とレイ、そして新しいカヤックをプレゼントした。

男も女も、こうやってプレゼントをする機会が多くて、本当にここは贈り物文化なんだなーと思う。



私と夫は、夫の母にチューリップの鉢植えと、可愛い付箋紙のセットをあげた。

そして私の実家の母には・・・・・

もうすっかり準備を忘れていて、電話だけ(親不孝者)

姉と妹が、母を映画に連れていってくれるというので、気持ちだけ便乗。



親に、「ありがとう」と直接言えることのありがたさを、年齢を重ねるごとに強く思うようになる。

電話では、ただ普通に話をしただけで、母に「ありがとう」と言えなかった。

言ったら、涙が出そうだったから。



昨年、ハワイに来た両親を空港まで送って行った時、もう搭乗するギリギリのところで、母を抱きしめた。

私の人生で、母を抱きしめたことがあっただろうか。

母はちょっと驚いて、でもただ笑って、何も言わずに手を振って、飛行機に乗り込んだ。

抱きしめた母の背中が、思ったよりもずっと痩せて小さかったから、私は涙が止まらなかった。

ここの生活では毎日のようにハグをしあって、ハグには慣れているはずなのに。

帰国した母が電話で「あのとき、何かもっと言いたかったんだけど、泣いちゃいそうで言えなかったわ」と言った。



昨日は、聞き慣れた鳥の声が

おかーさん おかーさん

と言っているように聞こえて仕方がなかった。







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