日本のラップは、優秀だと思う。
音楽のラップじゃなくて、包むラップの方だ。
ハワイに来た時、義両親のキッチンにあったのは半透明のラップだった。
表と裏があって厚みがあり、伸縮する材質でできている。
一目見て、「これでご飯を解凍するのは嫌かも」と思った。
なぜなら、私がラップを使う目的の99%は、ご飯を冷凍し解凍することだからである。
この半透明の素性の知れないものを加熱したら、なにやら良からぬものが染み出てきそうじゃないか。
そこで私は、日本のラップに似たものを買ってきた。
そして使ってみて、改めて日本で使っていたラップの良さを思い知る。
箱が丈夫にできているのはともかく、最も肝心なのは切れ味であろう。
日本のラップは、スッと出して、ピッと潔く切れる。
スッと出して、ピッ
使い切る最後まで、
スッと出して、ピッ
それが当たり前だと思っていた私の傲慢さよ・・・・
こっちのラップときたら、まずのっけからスッと出てはこない。
日本のラップのように、使い始めはここですよというガイドもないから、
眼鏡をかけて、最初の糸口を探すところから始まる。
そうして見つけた手がかりをたぐって、ラップを引き出すのだが、
日本のラップのように、ロールを支えておけば使い良い、という意識など皆無なので、
ロールが飛び出ないように押さえつつ、ゴロゴロと引き出す。
やっと引き出したそれを、ギザギザのカッターでピッと・・・・・・
いくわけがない。
端っこから、のらりくらりとしながら、皺を寄せつつ身をよじり、未練たらたら引きちぎられる。
むろん切り口はぐちゃぐちゃ。
このギザギザは一体なんなのだ、と聞きたい。
それともラップそのものの材質が問題なのか。
そして毎回、手がかりを探すところから始まる。
スッと出してピッが、
のらりくらり出してビヨーーーン、ブッチリ
しばらく使っていると、箱がヨレて崩壊してくる。
そのため、使うときにはロールごと取り出し、手がかりをみつけて引き出したら、
再び崩壊しかけた箱に戻し、ギザギザでビヨーンブッチリとやるのである。
もし毎日のようにラップを使うのであれば、相当な忍耐力が必要であろう。
2か月に1度、4合のご飯を炊いて冷凍するだけの私ですらイライラする。
日本よりもお客様は神様のはずのアメリカなのに、(その記事はコチラ)
アメリカはその神様のことをぜーんぜん考えてはくれない。
もっと出しやすいようにしたら、切りやすいようにしたら、という向上心はゼロで、
「ま、ラップなんだからこんなもんしょ」
というヤル気のなさが、アメリカ企業なのだと思う。