太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

チーズ

2021-03-05 10:42:18 | 食べ物とか
夫の料理好きな叔母が、味噌を買おうと日本食スーパーに行ったが
あまりに種類が多すぎて、結局買わずに帰ってきたことがあった。
私は、売り場の膨大な種類のチーズを前にすると、そのときの叔母の気持ちがよくわかる。


私が子供の頃は、チーズといえばプロセスチーズ
銀色の紙に包まれたチーズは、給食にも出てきた。
これは何回か記事にしているが、私が初めて「とろけるチーズ」を食べたのは
幼稚園のときだ。
母と通っていた英語教室の先生がピザをふるまってくれた。
生まれて初めてピザという食べ物を知り、その上に乗っている熱いチーズの旨さに打ちのめされた。
それは母も同じだったと思う。

我が家は祖父母もいたし、家でチーズが出てくることはそのあともなかったように思う。
しばらくして、スライスチーズが出てきた。
1枚ずつ包装されたチーズは食べやすく、海苔と合わせて、父のお酒のアテにもなった。
そして、とろけるタイプが出てくると、パンに乗せて焼いて食べた。

高校生の頃、通学路に「ジロー」というレストランがあって、夏休みの部活のあとに時々行った。
そのジローで、私は初めてチーズとご飯の組み合わせを知り、そのうまさに再び打ちのめされた。
行くたびに、ドリアを食べた。

チーズにいろいろ種類があることを知るのは、まだまだ後のことだ。

バブルの時、イタリアン(イタ飯、と呼んでいた)が流行り、モツァレラチーズという名前を知った。

「ニョッキはやっぱりゴルゴンゾーラでしょ」
「サラダにはパルミジャーノじゃなきゃ」

肩パッドの入ったワンピースの肩を怒らせて、みんなおしゃれなOLを気取っていた。
ティラミスが流行り、リコッタチーズという名前も覚えた。

チーズといえばプロセスもドリアもみんな同じと思っていた世界から、
ヨーロッパ人の名前みたいな名前がついたチーズが巷に溢れ、一気にチーズの世界は華やかになった。

今日のランチ

トーストしたエゼキエルブレッドカッテージチーズをのせ、ピーカンナッツを振りかけたもの。


私は猫にチーズケーキという名前をつけるほど、チーズが好きだ。
ブルーなどの臭いチーズも平気。
1番好きなのは、ゴートチーズで、そのまま食べたり加熱するならペッパージャックといわれる、刻んだチリペッパーが練りこまれているのがいい。
黄色味の強いチェダーも、ほかのチーズと混ぜて使うと引き立つし、
モツァレラはトマトとバルサミコ酢の相性が抜群だ。


うちの冷蔵庫にチーズを切らしたことはなく、毎日のようにチーズを食べているが、
幼稚園の英語教室で食べた、ひときれのピザの溶けたチーズの美味しさを超えるものは、この先もないだろうと思うのである。