太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

サンクスギビング デー

2011-11-25 09:37:38 | 日記
サンクスギビングの朝、祝日なのに仕事の友人の子供を迎えに行き、そのまま海に泳ぎに行った。

子供は日本でいうと中学1年なのだが、13歳以下の子供は一人で家におけないので、母親の職場で1日過ごすという。うまく相手ができるかわからないけど、職場にいるよりは楽しかろうと思って誘ってみたのだ。

2時間ほど泳いだあと、家に戻って一緒にマッシュポテトを作り、頼んでおいたお寿司を受け取って、叔母宅に向かう。



叔母宅では既にいい匂いが充満していて、ターキーもすっかりいい色に焼けていた。



クリスマスに食べたターキーは、中身を取り出して、セロリやパンやスパイスで作ったフィリングを詰めて焼いたものだったけれど、今日のターキーはそのまま焼いてある。

買ってきたターキーを一晩塩水に漬けてから、バターやオリーブオイルを塗りながら何時間も焼く。



叔父の両親が、ジョージア州から遊びに来ていて、今回はジョージア風のサンクスギビング料理が用意されている。

南部料理は夫も私も初めてのものが多く、同じアメリカでもいろいろあるんだと興味深い。日本だって、地域ごとに特色のあるものを食べているわけで、さらに広いアメリカなのだから当然というえば当然なんだけど・・


コーンブレッド

小麦粉ではなくとうもろこしで作ったパン。野菜が入って、かなりしっとり。



コークサラダ

ブラックチェリー、マヨネーズ、ヨーグルトなどと コカ・コーラ(!)をゼラチンでちょっと固めたデザート。

コカ・コーラを使った料理は初めて!コーラの味はせず、ブラックチェリーの味が一番強くて、悪くない。

南部ではコカ・コーラが牛乳のように毎日宅配されていた時代があったらしい。以前も、そう聞いたことがあった。



スイートポテト(さつまいも)

日本のさつまいもとは少し違って、オレンジ色で、ちょっと水っぽい感じ。南部ではマッシュポテトじゃなくてコチラを食べる。普通にオーブンで焼いただけ。甘くて美味しい。



グリーンビーン(いんげん)

スープでオーブンで蒸し焼きしたものに、セージ(ハーブ)をかけたもの。



トマトサラダ

ハワイ島で採れた大きな黄色いトマトは、トマトの味が濃くて、昔のトマトを思い出す。



ピーカンパイ

ピーカンとは、ナッツの種類で、くるみにとても良く似ている。ジョージアではピーカンがたくさん採れるそうで、このパイは家ごとで少しずつ味が違う、日本の漬物みたいな料理なのだ。

叔父のお母さんは、これを「ミステリーパイ」と呼ぶのだが、何がミステリーなのかはわからない。

このパイはかなり美味しかった。ふた切れぐらいいけそう。


サンクスギビング用に特設されたテーブル

食事は、お昼でもなく夕飯でもない2時ぐらいから。

それぞれ好きなものを好きなだけとって、席につき、叔父のお父さんのお祈りを聞いてから食事が始まる。



我が家でも、食事の前には、みな手を繋いでから夫の父がお祈りを唱えるけれど、何の宗教にも属さない私でも、とても謙虚な気持ちになる。

この場にいない家族の加護、いいことがあればそのことへの感謝、目の前にある食事への感謝、そして生かされていることへの感謝。

ものすごく良いことがなくても、大切な人が幸せでいて、毎日笑顔があって、美味しいものを美味しく食べられることのありがたさが、身体の底から湧いてくる。








楽しい食事が終わり、片付けて、おなかが一杯のところでそれぞれに寛ぐ。叔父のお父さんがギターをつまびく。ボサノバからクリスマスソングまで、あまりに上手なので驚いた。



プールで泳いだあと、パズルに熱中するグループ。


こうして私の初めてのサンクスギビングはおだやかに過ぎていった。




菜ばし

2011-11-23 15:56:53 | 日記
ずっとずっと欲しいと思っているのに、出かけるとつい忘れてしまうものがあって、

菜ばしもその一つだった。

ついに買った。


菜ばしの写真ってなんだか間が抜けてる


日本にいるときは、菜ばしの良さが身にしみなかった。

トングが便利よねー、なんて言って浮気したりしていたけど、菜ばしが最高に使い良いに決まってるのだ。

野菜炒めも(そもそもこっちの人は、あまり野菜炒めを食べない)、ちょっと何かを茹でるときも、ちょっとだけかき回したい時も、

トングやヘラじゃ、なんとなくしっくりこない。

かきまわしたあと、じゃがいもが茹ったかどうか、差して確かめることもできる料理道具って他にある?

木の、この感触もとてもいい。

菜ばしを語ることがあるとは思わなんだなあ・・・






パンプキンパイ

2011-11-23 15:30:08 | 食べ物とか
明日はサンクスギビング(感謝祭)。

夫の両親は、シアトルの義兄の家でサンクスギビングを過ごす為に今夜のフライトで発ち、夫と私は叔父叔母たちと一緒に祝う。

私は初めてのサンクスギビングなのだが、この日は家族が集まって食事をする日で、ターキー(七面鳥)の丸焼きと、パンプキンパイが欠かせないらしい。

確かクリスマスにも七面鳥とパンプキンパイが出てきたように思う。

10月のハロウィンからクリスマスまでカボチャが大活躍なのだ。


明日は叔母の家でパーティで、私はパンプキンパイとマッシュポテトを作る当番になった。


じゃーん、初めて焼いたパンプキンパイ


アメリカのパンプキンパイは、それほど甘くないかわりに(他のケーキに比べたら、だけど)スパイスがかなり効いている。

スパイスに慣れてくると、甘いだけのパイよりも美味しく感じるから不思議なもの。

冷凍パイシートを探しに行ったら、すでに丸い型にパイが敷き詰められた状態のものが冷凍で売っていた。

夫の母はパイ生地から作るけど、初心者の私はこれでじゅうぶん。

カボチャも、ピュレ状に裏ごしたものの缶詰があって、味のついていないものと、スパイスも砂糖も入ったものと両方ある。

カボチャ缶がなければ、カボチャを茹でるかレンジでチンして、マッシュすればOK。



パンプキンパイ(20cmぐらいのパイ型2台分)

・カボチャのピュレ  425g
・砂糖 3/4カップ
・塩  大さじ 1/2
・卵  4個
・エバポレイテッドミルク 700cc(ミルクを煮詰めたもの。甘くないコンデンスミルク。なければ生クリーム)
・パンプキンパイスパイス  大さじ 4(なければ、シナモン、ナツメグ、クローブ、ジンジャー、オールスパイス)

1.小さいボウルに塩、砂糖とスパイスを混ぜておく

2.大き目のボウルで卵を溶いて、1.を加える

3.カボチャのピュレを加え、ミルクを少しずつ加えてよく混ぜ、パイ型に流し込む(かなり水っぽい)

4.210度ぐらいで15分焼き、そのあと160度に下げて40~50分焼く。楊枝を差して、何もついてこなければ焼き上がり













ノースダコタから来た少年

2011-11-22 09:28:23 | 日記
夕食の後片付けが終わりそうな頃、誰かが訪ねてきた。

夫がドアを開けて、なにやら親しそうに話をしていると思ったら、家の中に連れてきた。

入ってきたのは、金髪碧眼、お肌もすべすべのティーンエイジャーの少年で、まぶしいような笑顔で握手を求めてきた。

「おなかすいてる?」

と夫が聞くと、少年はちょっとためらってから、

「え、ええまあ・・まだ夕飯食べてないから」と、はにかんだように笑った。

「ちょうどよかった。夕飯の残りだけど食べていってよ」

3時間かけて煮込んだ、チキンのトマトシチューが一人分残っていたので、それを温めてクラッカーと一緒に出した。


少年は、美味しそうにそれをバクバクと食べ、夫と楽しそうに話し、おおいに笑った。


それにしても、この人、誰?


最初は、叔父叔母の知り合いかと思ったが(今、留守番で叔母宅にいるため)こんな若い知り合いが訪ねてくるとは思えない。

どこの出身?なんて聞いているから、夫の知り合いでもない。

盛り上がっている二人を前に、あなたは誰で何しに来たんですか、とも言えず、もやもやしながら会話を聞いていた。



するとどうやら、彼はノースダコタ出身の18歳で、ある企業のコンテストに参加しており、雑誌の講読を契約した数を競って、最優秀者には5000ドルが企業から支払われるということがわかってきた。


なんだ、押し売りじゃん・・・


聞くと、ハワイへは数日前に来て、その前はアラスカにいたという。高校を卒業したあと、大学に行くことを親は望んだけど、その前にやりたいことがあったんだと彼は言った。18歳の、今のこの感覚のままで、いろんな場所に行きたかった彼は、報奨金より何よりも、企業が交通費も宿泊も負担してくれるこの企画が魅力だった。

始めてみたら、それはもういろんな種類の人達に出会い、それはさまざまな土地に行けることと同じぐらい魅力的だった。

「テキサスだったかなあ、不審者と間違われて銃を向けられたことがあって、あれが一番怖かったなー」

前後ろ反対にかぶったキャップから、金色のきれいな巻き毛が完璧な具合の外カールで見えていて、目は澄んで、食べ方もとても上品だ。

ふと少年が、

「無理に購読しなくたっていいんだからね。断っていいんだからね」とつぶやくように言った。





夫は、自分が19歳のときにバックパッカーで諸国を回った話や、33歳の誕生日にスカイダイビングをしたことなど次々と話し、少年はじょうずに相槌を打ちながら聞いている。

夫は彼のような自由な若者が大好きだ。

「できることなら今でもバックパッカーに戻りたいくらいだよ」と言って笑ったけど、まあそれは本音なんだろう。



購読する雑誌は、50種類ぐらいの中から選べるようになっていて、夫は自分用にサーフィン雑誌を、叔母へのクリスマスプレゼントにワインの専門誌を注文した。

代金はその場で現金で支払い、書類と控えをもらった。

「僕も今度は、バックパッカーで外国に行ってみるよ」1時間後、少年は、あふれるような笑顔を残して元気に帰って行った。



「ねえもしこれが詐欺で、雑誌がこなかったら?」

私は意地悪な質問をしてみた。

「雑誌は来るさ。でも来なくてもいいさ」

夫が一人旅をしていた時、どこの誰ともわからぬ自分に、やさしくしてくれた人がたくさんいたという。

ここがハワイじゃなく、ニューヨークやシカゴだったら自分は同じことをしたかわからないけど、彼に感じた自分の感覚を信じるよと言った。



「ファーゴ」という映画があって、それは冬のノースダコタが舞台である。

空と大地の境すらわからないぐらいの雪世界で、深い深い冬が続くあの街で少年は生まれたのだな。

「クリスマスでもサーフィンができるハワイは天国だなぁ」

目を輝かせて言った少年の名前は、ジョリイ、といった。

夫は窓から、夜道を去ってゆくジョリイの姿をしばらく見ていて、フッと笑った。

嘘でも、本当でも、どちらでもいい、私もそんな気持ちになった。




エネルギーリズムと留守番

2011-11-21 11:46:21 | 日記
週末から、叔母宅に猫シッターに来ている。


ベランダからの風景

水彩で、景色でも描こうと思っているのだが、なかなか筆が進まず・・・


ドリーも元気


夫と結婚してわかったことだけれど、夫は二つのリズムを繰り返している。

私はそれを、「ジャンク期」と「ストイック期」と密かに呼んでいる。

ジャンク期には、ビールもピザもハンバーガーも、スコーンもパスタもチップスも何でも食べる。

一般的に白人は日本人に比べて、アルコールに強いらしいのだが、夫は身体が大きいせいもあるのか、さして酔わずに飲む飲む。

何もそこまで飲まなくても、というほど飲み、エクササイズはせず、ジャンキーなものを食べる。

当然、体重は増えて、腹まわりがもたついてくる。



ところが、ある日を境に、ストイック期に突入する。

そうなると、お酒は1滴も飲まない。何人かで食事に行っても絶対に飲まない。

ピザもハンバーガーもパスタも、炭水化物は一切食べない。

野菜と一部のフルーツと、プロテインだけ。

何もそこまで厳しくしなくても、というほどストイックになり、エクササイズをする。

おもしろいほど体重が落ちて、すっきりしてくる。



それがどのぐらいの期間続くのか、いつ切り替わるのか、本人にもわからない。

そしてストイックな時期になると、決まって同じことを言う。

「すごくエネルギーが湧いてきて、気持ちがいい。思考もクリアになるみたいだ」


それなら一生そのままいけばいいのに、と思うのだが、またいつのまにかジャンク期に入るのだ。


意思が強いんだか弱いんだかわかりゃしない・・



ちなみに、おとといまでストイックで、昨日からジャンクになったらしい。

大抵、どちらも1ヶ月から長いときには数ヶ月続くけど、今回のストイックは過去最短で、たった5日だった。



エネルギーを読める人が、「彼は自分で自分のエネルギーをコントロールできるのよ」と言ったが、そうなのかなあ?



それにしても、叔母の家にいるときにジャンク期に入るとは敵もさるもの。

我が家は、お菓子をそれほど食べないし、買い置きもしない。外食が多いから、食材の買い置きもそれほどない。

でもここには、食品庫をあければ、魅惑の高カロリー食品がわんさかある。

それに加えて、叔父叔母ともグルメでもあって、かんぴょうみたいなパスタとか、珍しい缶詰とか、叔母が作ったチキンスープストックの凍らせたのとか、初めて見るジャムとか、一度食べてみたいと思うようなものが詰まっている。

「留守中は、なーーーんでも食べちゃっていいわよー」

という言葉に甘えて、普段は作らないような凝ったものを作ったり(といっても知れてるケド)、うなるほどあるワインをあけたり好き放題。

留守番、おおいに楽し、である。