安倍政権の詐欺体質・欺瞞体質を許してはならない。「脱原発」グループの活動こそ国民全体の将来を考えている点で、真の「愛国心」を象徴しているといえる。安倍政権の標榜する「愛国心」の中身は、実は「安倍ワールド」だけを愛している「愛自心」であって、「愛国心」を偽装しているのであり、真の「愛国心」を大切にする者は、騙されてはいけない。彼らの標榜する「道徳教育」も同様であり、その道徳の中身は彼らにとって、国民に身につけさせると統治するうえで都合のよい道徳なのである。だから、権力を使って強制するのである。また、彼らの国民に対する言動や態度は道徳を云々する資格を有していない事に気が付かなければならない。彼らの押し付ける道徳は、敗戦までの大日本帝国下での教育勅語やそれを具体化させた修身科の内容と同じものなのである。教育勅語や修身を真面目に疑うことなく身につけた子どもたちは「侵略戦争」の兵士や銃後として利用された事を思えばその意味が理解できるだろう。
沖縄県の東村高江の人たちの安倍政権に対する闘いに対する安倍政権の対応こそ彼らの正体であり、この「脱原発」グループに対しても同様の事態が予想されるのである。「自民党改憲草案」の第21条「表現の自由」第2項には「公益及び公の秩序を害する事を目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をする事は認められない」とあり、第13条「人としての尊重等」には「全て国民は人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で最大限に尊重されなければならない」という内容が規定されているがこれに触れ処罰の対象としているので安倍政権は断じて許さないのである。
8月2日の朝日新聞に、東京・霞が関の経済産業省の敷地にテントを設置して脱原発を訴えているグループに対し、安倍政権がテントの撤去と損害賠償などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)が7月28日付の決定で、グループの上告を退け、グループ側の敗訴が確定した。
今後安倍政権が申し立てれば、テントの撤去と土地の明け渡しが強制執行される。あわせて、約5年間の敷地使用料と、年5%の遅延損害金の計約3800万円の支払い命令も確定した。
安倍政権のこれまでの原発に対する姿勢はいかに国民を愚弄するものであるかを確認しよう。
先ず民主党政権は、東京電力福島第一原発の事故によって、「原発の運転期間は40年」「運転延長は極めて例外、1回限り最長20年」「30年代に原発ゼロを目指す」とした。そして、安倍政権は、発足当初は「原発の依存度を可能な限り低減する」と協調していた。しかし、すぐに「原子力規制委員会が新規制基準に適合すると判断した原発は再稼働させる」と原発推進に転換した。
2014年には、閣議で、「エネルギー基本計画は、原発の依存度を可能な限り低減させるとしつつ、重要なベースロード電源」と位置づけた。
翌2015年には、総発電量に占める30年度の原発比率を20~22%とする電源構成を決定した。
再稼働を推進できるように、自治体には交付金の出し方を変更し、原発が停止中でも一定の稼働率があるとみなして配る交付金は減らすが、再稼働した原発が立地する道県には別枠の交付金を設けて、再稼働に同意するようにした。つまり、お金で再稼働への流れをつくったのである。
原発の運転期間原則40年制度も安倍政権は規制委と結託して「空洞化」させている。規制委は6月20日に、運転40年超の関西電力高浜原発1、2号機の不正といえる手続きを認め(特例扱い)の1回限りの最長20年延長を認め、他の原発に対し運転延長の先例を作ってしまった。
林幹雄(当時)経産相は国会で、30年度の原発2割達成には「一部の炉は法令で認められた40年を超える運転期間の延長を行う」と答弁した。
このように国民との約束を簡単に平気で破る体質こそ安倍政権の本性であり、彼らの標榜する「愛国心」の中身は「愛自心」に過ぎないのである。また、彼らの政策は極めて近視眼的単眼的であり将来の国民の「命と財産を守る」事を第一義に考えたものではないものなのである。その意味で国民に対して無責任そのものの政権なのである。彼らは所詮国民の多くとは異なる考え方を持つ異質な人間集団なのである。
安倍政権の使う言葉は、多くの国民が使う言葉と同じであっても、そこに込められた意味は全く異なっているのである。敗戦までの大日本帝国のように。