東京スポーツWebに、本日こんな報道記事が載った。僕としては「やっぱり」という感じだ。
【 本田改心“前線から猛チェックやる” 東スポWeb 9月10日(火)
日本代表のエースMF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)がついに改心した。キリンチャレンジカップのガーナ戦(10日、横浜)に臨む日本代表は、今大会前まで7試合で19失点と崩壊した守備の再建に乗り出している。本田らは攻撃を重視する姿勢を見せてきたが、多くのイレブンは前線からの積極的な守備を主張。活発な話し合いの末に、本田も守備に取り組むことを受け入れたという。
DF長友佑都(26=インテル)は9日の全体練習後、こう切り出した。「圭佑や(FW香川)真司(24=マンチェスター・ユナイテッド)とも話をして、前(攻撃陣)の人が守備をしないと、僕らのサッカーは強豪相手には厳しいと…。圭佑は攻撃面だけではなく守備でも成長したい気持ちが強い。そこは彼の(レベルアップに向けた)通過点なんじゃないか」。エースが前線から積極的な守備に取り組むことを明らかにした。
3戦全敗に終わった6月のコンフェデレーションズカップ(ブラジル)で本田の恩師の星稜高(石川)サッカー部・河崎護監督が「圭佑だけがボールを追わな過ぎた。あの緩さがチーム全体にも波及した」と厳しく指摘したように、守備の意識は低かった。2―4と敗れた8月のウルグアイ戦後にDF内田篤人(25=シャルケ)が守備の重要性を説いても「それは違う。楽しくない」とあくまで攻撃重視の方針を示した。
とはいえ、ザックジャパンの守備再建は急務。今回の合宿中も「攻撃か守備か」を選手ミーティングで議論した。ある選手は「かなりの時間を使って話し合いをしましたね。結局は守備のほうに意見が統一されていった。圭佑くんはいつもは自分の意見を強く言うけど、今回はほぼ何も言わず聞いている感じでしたよ」。これまで「攻撃」を主張してきた本田もイレブンの決定に従い、ただうなずくだけだったという。
3―0で勝利した6日のグアテマラ戦では相手が守備的だったため、日本DF陣の積極性は見られなかった。それでも、主将のMF長谷部誠(29=ニュルンベルク)は「それぞれのマインドの中で攻撃に比重が偏り過ぎていた。そこの切り替えはしっかりできた」と手応えありの様子だった。
本田らが前線から組織的な守備を構築できれば、確実に失点は減るはず。“抵抗勢力”だったエースも守備を受け入れ、ザックジャパンはブラジルW杯に向け再スタートできそうだ。】
なお、同じ東スポに4日付けでこんな記事も載っていた。見出しはこういうもの。
『「攻撃陣vs守備陣」日本代表内の対立を岡崎が仲裁へ』
【 ザックジャパンは再建できるのか――。日本代表は、キリンチャレンジカップ・グアテマラ戦(6日、大阪・長居)、ガーナ戦(10日、神奈川・横浜)に向けて合宿中。6月のコンフェデレーションズカップ(ブラジル)以降、DF陣が崩壊。チーム再建を急ぐ中、MF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)ら攻撃陣と守備陣の“対立”が浮き彫りとなっている。この状況を打破するため、FW岡崎慎司(27=マインツ)が仲裁に乗り出す考えを明かした。
7試合で計19失点。守備面で大きな課題を抱えるアルベルト・ザッケローニ監督(60)は、初日から守備練習に多くの時間を費やした。イレブンに細かなポジショニングなど、戦術指導を施し、再建への意欲を見せた。その一方、イレブン間では守備をめぐる対立が激化していた。
8月の親善試合ウルグアイ戦で4失点した際、DF内田篤人(25=シャルケ)が「やっぱり(全員が)守備から入らないと」と主張すると、MF本田は「それは違う。楽しくない。やられたから引いて守るのはナンセンス。3点、4点取れなかったことを反省したほうがいい」と反論。大きな溝が浮き彫りなっていた。
2日にはDF吉田麻也(25=サウサンプトン)が「前からの守備も連動してやれれば良い守備になる」と全員守備を提唱したのに対し、司令塔のMF遠藤保仁(33=J2G大阪)は「(現状を)攻撃的すぎるとは捉えていない」と、今後は攻撃に比重をかける意向を示唆するなど、足並みは揃っていない。
攻守両陣営が統一見解や方向性を見いだせないまま試合に臨めば、苦戦は必至。親善試合とはいえ、ホームで再び大量失点での敗戦となれば、日本代表の支持率は下がり、チームを立て直せない指揮官の評価も急落する。ブラジルW杯を前に、ザックジャパンは空中分解しかねない。
そんな危機を察知した岡崎は攻撃陣とDF陣の“和解”に乗り出す考えを明かした。「DF陣だけで守備というのではなく、攻撃陣も含めて全員で守る意識。プラスアルファも大事だけど、それよりも基礎が大事だと思う。攻撃陣としてもそれは“これから話そう”となっている」
岡崎の見解は、前線から積極的な全員守備で再建するというもの。そのためにも、まずは攻撃陣が譲歩。チームとしての意思統一を図り、守備面の課題が修正できれば、攻撃面の改革に着手するもくろみだ。全イレブンが揃う3日以降にも選手ミーティングで提言するという。
ブラジルW杯に向け攻撃陣と守備陣が対立し、不穏なムードも漂っていたザックジャパン。果たして岡崎の仲裁は奏功するのか。 】
私見だが、この内田や岡崎の動きの背後には、ザックが糸を引いていると僕は観ている。ザックがコンフェデの前の守備に怒っていたことははっきりしているのだから。そして、こういう前と後の対立という問題はサッカーでは元々よく起こりうる難しいもので、選手が自主的に解決するのが最も望ましい(とザックも観ているはずだ)からだ。
この一連の記事は、サッカーの最も難しい部分を的確に取材した素晴らしいものだと思う。どういう記者がこういう問題意識を抱き、取材し、書いたものか知らないけれど、非常に深謝という気持ちになる。
今夜のガーナ戦がいよいよ楽しみになった。
【 本田改心“前線から猛チェックやる” 東スポWeb 9月10日(火)
日本代表のエースMF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)がついに改心した。キリンチャレンジカップのガーナ戦(10日、横浜)に臨む日本代表は、今大会前まで7試合で19失点と崩壊した守備の再建に乗り出している。本田らは攻撃を重視する姿勢を見せてきたが、多くのイレブンは前線からの積極的な守備を主張。活発な話し合いの末に、本田も守備に取り組むことを受け入れたという。
DF長友佑都(26=インテル)は9日の全体練習後、こう切り出した。「圭佑や(FW香川)真司(24=マンチェスター・ユナイテッド)とも話をして、前(攻撃陣)の人が守備をしないと、僕らのサッカーは強豪相手には厳しいと…。圭佑は攻撃面だけではなく守備でも成長したい気持ちが強い。そこは彼の(レベルアップに向けた)通過点なんじゃないか」。エースが前線から積極的な守備に取り組むことを明らかにした。
3戦全敗に終わった6月のコンフェデレーションズカップ(ブラジル)で本田の恩師の星稜高(石川)サッカー部・河崎護監督が「圭佑だけがボールを追わな過ぎた。あの緩さがチーム全体にも波及した」と厳しく指摘したように、守備の意識は低かった。2―4と敗れた8月のウルグアイ戦後にDF内田篤人(25=シャルケ)が守備の重要性を説いても「それは違う。楽しくない」とあくまで攻撃重視の方針を示した。
とはいえ、ザックジャパンの守備再建は急務。今回の合宿中も「攻撃か守備か」を選手ミーティングで議論した。ある選手は「かなりの時間を使って話し合いをしましたね。結局は守備のほうに意見が統一されていった。圭佑くんはいつもは自分の意見を強く言うけど、今回はほぼ何も言わず聞いている感じでしたよ」。これまで「攻撃」を主張してきた本田もイレブンの決定に従い、ただうなずくだけだったという。
3―0で勝利した6日のグアテマラ戦では相手が守備的だったため、日本DF陣の積極性は見られなかった。それでも、主将のMF長谷部誠(29=ニュルンベルク)は「それぞれのマインドの中で攻撃に比重が偏り過ぎていた。そこの切り替えはしっかりできた」と手応えありの様子だった。
本田らが前線から組織的な守備を構築できれば、確実に失点は減るはず。“抵抗勢力”だったエースも守備を受け入れ、ザックジャパンはブラジルW杯に向け再スタートできそうだ。】
なお、同じ東スポに4日付けでこんな記事も載っていた。見出しはこういうもの。
『「攻撃陣vs守備陣」日本代表内の対立を岡崎が仲裁へ』
【 ザックジャパンは再建できるのか――。日本代表は、キリンチャレンジカップ・グアテマラ戦(6日、大阪・長居)、ガーナ戦(10日、神奈川・横浜)に向けて合宿中。6月のコンフェデレーションズカップ(ブラジル)以降、DF陣が崩壊。チーム再建を急ぐ中、MF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)ら攻撃陣と守備陣の“対立”が浮き彫りとなっている。この状況を打破するため、FW岡崎慎司(27=マインツ)が仲裁に乗り出す考えを明かした。
7試合で計19失点。守備面で大きな課題を抱えるアルベルト・ザッケローニ監督(60)は、初日から守備練習に多くの時間を費やした。イレブンに細かなポジショニングなど、戦術指導を施し、再建への意欲を見せた。その一方、イレブン間では守備をめぐる対立が激化していた。
8月の親善試合ウルグアイ戦で4失点した際、DF内田篤人(25=シャルケ)が「やっぱり(全員が)守備から入らないと」と主張すると、MF本田は「それは違う。楽しくない。やられたから引いて守るのはナンセンス。3点、4点取れなかったことを反省したほうがいい」と反論。大きな溝が浮き彫りなっていた。
2日にはDF吉田麻也(25=サウサンプトン)が「前からの守備も連動してやれれば良い守備になる」と全員守備を提唱したのに対し、司令塔のMF遠藤保仁(33=J2G大阪)は「(現状を)攻撃的すぎるとは捉えていない」と、今後は攻撃に比重をかける意向を示唆するなど、足並みは揃っていない。
攻守両陣営が統一見解や方向性を見いだせないまま試合に臨めば、苦戦は必至。親善試合とはいえ、ホームで再び大量失点での敗戦となれば、日本代表の支持率は下がり、チームを立て直せない指揮官の評価も急落する。ブラジルW杯を前に、ザックジャパンは空中分解しかねない。
そんな危機を察知した岡崎は攻撃陣とDF陣の“和解”に乗り出す考えを明かした。「DF陣だけで守備というのではなく、攻撃陣も含めて全員で守る意識。プラスアルファも大事だけど、それよりも基礎が大事だと思う。攻撃陣としてもそれは“これから話そう”となっている」
岡崎の見解は、前線から積極的な全員守備で再建するというもの。そのためにも、まずは攻撃陣が譲歩。チームとしての意思統一を図り、守備面の課題が修正できれば、攻撃面の改革に着手するもくろみだ。全イレブンが揃う3日以降にも選手ミーティングで提言するという。
ブラジルW杯に向け攻撃陣と守備陣が対立し、不穏なムードも漂っていたザックジャパン。果たして岡崎の仲裁は奏功するのか。 】
私見だが、この内田や岡崎の動きの背後には、ザックが糸を引いていると僕は観ている。ザックがコンフェデの前の守備に怒っていたことははっきりしているのだから。そして、こういう前と後の対立という問題はサッカーでは元々よく起こりうる難しいもので、選手が自主的に解決するのが最も望ましい(とザックも観ているはずだ)からだ。
この一連の記事は、サッカーの最も難しい部分を的確に取材した素晴らしいものだと思う。どういう記者がこういう問題意識を抱き、取材し、書いたものか知らないけれど、非常に深謝という気持ちになる。
今夜のガーナ戦がいよいよ楽しみになった。