よたよたランナーの手記（１５） ４２日ぶりのラン 文科系

　７月２５日夜、ぬれた地面の小さな段差に気づかず自転車が転倒、左膝お皿にヒビ。以来ここの１１回から１４回までは深浅のリハビリ生活を記してきた。７２歳のこの体が、特に心臓の立ち上がりが、運動不足によって衰えていくスピードはいかに速いか。これを痛感したことからまず上半身を使った心臓能力維持に努めたうえで、先回８月２１日の診断結果をこの第１４回でこう記した。
『　本日８月初め以来久しぶりの診察日に、レントゲンも撮って順調とのこと。左膝お皿のヒビから２５日で１ヶ月になる現時点で、リハビリ注意を詳しく聞いてきた。要はこういうことらしい。
①膝を完全に曲げたり、そこから立ち上がったりという運動とジョギング類とを除いては、何をしてもよい。
②９月の初めにもう一度レントゲンで調べるが、その後はジョギングもできるだろう　』

　それからは、お得意の階段登りや、時に無酸素運動など、許された範囲でリハビリを努力した。その上で、４日の診断日を迎えた。結果は「普通のスピードなら、走って良し」。５日晴れて嬉々としてジムに向かったものだ。
　先ず６キロ時で歩いてみる。５分で異常なしを確認し、７キロ時に上げる。しばらく歩いてからそのスピードのまま走ってみた。左膝に少し違和感が出たのでしばらく歩いて、また走り出す。走り方を忘れている感じがこの違和感をもたらしていたようだ。脚の使い方をいろいろと変えてみる。左膝に着地時の負担が来ないように膝下を前目に降り出してみたり、右親指の踏切をやや弱くしてみたり。すると、７キロ時なら何ともないと分かってきた。心拍数も１３０ちょっと。そこで、今日のスケジュールを、こう決めた。強い運動はだめなのだから、７キロ時のままでどれだけ走り続けられるかを試してみようと。先ず、２０分少々でいったんメーターを止めて、改めて時速７キロで走り出す。３０分１５秒ほど、ちょうど３・５キロで終わった。都合５０分少々、５.７キロほど歩き、走ったことになる。最後辺りの心拍数も１３７、８。極めて順調で、まー嬉しかったこと。

　初めは「走り始められるまで２か月」と診断さていたのだ。それが２０日早まったことが、どれだけ助かったか！　許された運動で事故後早めにリハビリに努められたし、何よりも不安だった心臓の機能低下を最小限に抑えることもできたようだ。前と同様に、当面３０分で５キロ目指して走り続けていくこともできるだろう。
　この年で「ヒビ」と告げられたときの暗澹たる気分を思い出しつつ、今日の走り、体状況を味わっていたときの幸せ感はもう言い様もないものだった。まるでどこまでも走っていける感じ！　こういう低速でしばらく毎日のように走ってみようか。ゆっくりと、長く走るのが心臓にも良いということだし。体脂肪が１３％近くに上がっていたのも気になったことだし。フィットネスに結びつくような低強度の長い有酸素運動を重ねるほどに、３０分５キロも近づいてくるというものだ。