僕も、「標題のこと自身」を語ってみたい。この論議って案外論議対象自身が何なのかがはっきりしているようでそうでないところがある。こう問うからには「個とは」、「組織とは」にはっきり「皆が前提とできる同一定義」がなければならないのだが、それがあるようでないと思うのだ。サッカーって「個と組織」とを明確に分けるのが大変難しいからだろうが。それは、以下のように。
前回108のコメント「ご応答」で述べさせていただいた中山・名波・福西対談(スポーツグラフィック・ナンバー833号所収。コンフェデ総括対談)でも、3者微妙にここが違っていて同一定義があるようには思えないのである。それを見てみよう。
中山がこんなことを言っている。
「両方必要なんだよ。個も組織も結局は同じ方法で高まるものじゃん」
同じ方法で高まる、違ったもの?
中山のこの言葉は、福西が次のように語った直後に、これに応えたものだ。
「世界のトップを相手にした場合、どちらかでは勝てないのは明白だと思う」
【今の日本に両方とも必要な、結局は同じ方法で高まる二つのもの?】
名波がこの対談の最後のまとめを、こんな言葉で締めている。ブラジル目指してこの1年で最も必要なものは?という問いに対して。
「さっき言った『個でボールを奪う能力』と組織で相手を崩す形」
この「さっき言った」というのは、上の福西、中山の言葉を引き取った部分でなのだが、要約するとこうだ。
コンフェデでは「個の守備」は世界比較で圧倒的に弱かった。個の攻撃はある程度の所まで上がっている。
「結局同じ方法で高まる二つもの」個と組織が、攻撃では一定レベルにあり、守備では圧倒的に劣っている? つまり、守備の個と組織が弱いのだから、この両者を「同じ方法で高める」ことが現代表の緊急課題である?
さて、こうなってくると公理、定理などと言葉を厳密に使う幾何学などに慣れている人なら、何を語っているのか分からないという人も出てくるのではないだろうか。プロという「専門家」にしてこうなのである。ただし彼等は失礼ながらプレーの専門家ではあっても、言葉の専門家ではない。よってこの問題への正しいアプローチには、多分こういう作業が必要なのだろう。プレーヤーと言葉の専門家とが協力し合って問題を整理していく作業が。そして、この作業は協会などが一度やってみた方がよいと、僕としては本気で思っている。言葉の整理は思考の整理なのだから。そして、優れたサッカー選手の最重要要件の一つに思考も入っているのだから。
さて、そんな難しい問題を、素人があれこれ話しても、結局何か出てくるのだろうか? 今の3人の話からまー、こんな程度の事は少なくとも伝わってくるのだが。
・個と組織が同じ方法で高まる二つのことであるにしても、守備と攻撃とではその方法が違うらしい。
・その上で、日本の場合は特に、守備の領域で個の力を上げる必要があるらしい。
・上の二つ両方合わせると、日本にこの1年特に必要なのはこういうことらしい。守備の領域で個の力を高めるべく、守備組織を高めるのと同じ方法で努力していこう。
3人の言葉をつなぎ合わせただけの積もりである僕には、上のことさえ何を語っているのかよくは分からないのだが、皆さんはお分かりだろうか。ただし、この「つなぎあわせ」3つは「ブラジルまで1年、代表に最も緊急なこと」なのだから、この上なく重要な部分(への考えを表現した言葉)なのである。
なおこれは上の論議からは離れた私見だが、個人と組織という問題と同程度に最重要なのに、同様に難しい問題・言葉がサッカーにはもう一つある。サッカーの守備と攻撃が、それだ。何を守備と言い、何を攻撃というのか。守備陣だけで守備を語れるチームほど強くはなさそうだという世界の現状が存在するから、重要かつ難しい問題と言えるのである。バルサにしてもドルトムント、バイエルンにしてもそんなチームではないのである。
前回108のコメント「ご応答」で述べさせていただいた中山・名波・福西対談(スポーツグラフィック・ナンバー833号所収。コンフェデ総括対談)でも、3者微妙にここが違っていて同一定義があるようには思えないのである。それを見てみよう。
中山がこんなことを言っている。
「両方必要なんだよ。個も組織も結局は同じ方法で高まるものじゃん」
同じ方法で高まる、違ったもの?
中山のこの言葉は、福西が次のように語った直後に、これに応えたものだ。
「世界のトップを相手にした場合、どちらかでは勝てないのは明白だと思う」
【今の日本に両方とも必要な、結局は同じ方法で高まる二つのもの?】
名波がこの対談の最後のまとめを、こんな言葉で締めている。ブラジル目指してこの1年で最も必要なものは?という問いに対して。
「さっき言った『個でボールを奪う能力』と組織で相手を崩す形」
この「さっき言った」というのは、上の福西、中山の言葉を引き取った部分でなのだが、要約するとこうだ。
コンフェデでは「個の守備」は世界比較で圧倒的に弱かった。個の攻撃はある程度の所まで上がっている。
「結局同じ方法で高まる二つもの」個と組織が、攻撃では一定レベルにあり、守備では圧倒的に劣っている? つまり、守備の個と組織が弱いのだから、この両者を「同じ方法で高める」ことが現代表の緊急課題である?
さて、こうなってくると公理、定理などと言葉を厳密に使う幾何学などに慣れている人なら、何を語っているのか分からないという人も出てくるのではないだろうか。プロという「専門家」にしてこうなのである。ただし彼等は失礼ながらプレーの専門家ではあっても、言葉の専門家ではない。よってこの問題への正しいアプローチには、多分こういう作業が必要なのだろう。プレーヤーと言葉の専門家とが協力し合って問題を整理していく作業が。そして、この作業は協会などが一度やってみた方がよいと、僕としては本気で思っている。言葉の整理は思考の整理なのだから。そして、優れたサッカー選手の最重要要件の一つに思考も入っているのだから。
さて、そんな難しい問題を、素人があれこれ話しても、結局何か出てくるのだろうか? 今の3人の話からまー、こんな程度の事は少なくとも伝わってくるのだが。
・個と組織が同じ方法で高まる二つのことであるにしても、守備と攻撃とではその方法が違うらしい。
・その上で、日本の場合は特に、守備の領域で個の力を上げる必要があるらしい。
・上の二つ両方合わせると、日本にこの1年特に必要なのはこういうことらしい。守備の領域で個の力を高めるべく、守備組織を高めるのと同じ方法で努力していこう。
3人の言葉をつなぎ合わせただけの積もりである僕には、上のことさえ何を語っているのかよくは分からないのだが、皆さんはお分かりだろうか。ただし、この「つなぎあわせ」3つは「ブラジルまで1年、代表に最も緊急なこと」なのだから、この上なく重要な部分(への考えを表現した言葉)なのである。
なおこれは上の論議からは離れた私見だが、個人と組織という問題と同程度に最重要なのに、同様に難しい問題・言葉がサッカーにはもう一つある。サッカーの守備と攻撃が、それだ。何を守備と言い、何を攻撃というのか。守備陣だけで守備を語れるチームほど強くはなさそうだという世界の現状が存在するから、重要かつ難しい問題と言えるのである。バルサにしてもドルトムント、バイエルンにしてもそんなチームではないのである。