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新聞の片隅に載ったニュースから(139)   大西五郎

2014年03月13日 11時59分14秒 | Weblog

安保基本法案の首相方針代弁?小松法制局長官 (14.3.12 中日新聞)

  小松一郎内閣法制局長官は十一日の参院予算委員会で、憲法に基づき禁じられてきた集団的自衛権の行使を容認することを盛り込んだ「国家安全保障基本法案」について、「安倍晋三首相は自民党が野党時代に決定した基本法案を提出する考えではないと思う」と述べた。

 自民党は、野党時代の二〇一二年衆院選のほか、一三年参院選で安保基本法の制定を公約。衆院選で勝利した後、安倍首相は「憲法解釈を変更する場合はまず閣議決定する」と述べているが、同法案を提出しないと述べたことはない。内閣法制局長官が首相に代わって先回りして方針を答弁することは異例で、議論を呼ぶ可能性がある。

 社民党の福島瑞穂氏に対する答弁。福島氏は内閣法制局長官は政府内での「憲法の番人」と位置付けられていると指摘した上で、「首相と一体で忖度してはだめだ。それをやったら内閣法制局の立場がない」と批判した。

 菅内閣官房長官は記者会見で、安保基本法について「首相の私的顧問会議の報告書が提出された後、与党とも相談し検討していく」と述べるにとどめた。自民党の脇雅史参院幹事長は記者会見で「法制局長官に法案の提出権があるわけではない。首相が言うなら分かるが、余計なことだ」と不快感を示した。

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 小松内閣法制局長官は4日の参議院予算委員会で集団的自衛権の行使容認について安倍首相の方針を尊重するかのような答弁をして、共産党の小池晃議員から「あなたは憲法の番人なのだから、安倍政権の番犬みたいなことはしないでほしい」と言われ、翌日、社民党の吉田忠智議員の質問中に「番犬ということは受け容れることはできない」と、指摘した本人にではなく第三者に不満をぶつけるという異例の行動に出ました。さらに7日に共産党の大門実紀史議員が国会内の廊下で小松長官に「番犬という言い方は不適切だった」と伝えるとともに「抗議するなら他党の議員に言うのではなく、共産党に云ってきてほしかった」というと、小松長官は興奮して大門氏と口論になるということもありました。

小松氏はフランス大使も務め、外務省でミスター国際法と呼ばれたエリート官僚だったそうですが、自信満々で、首相も自分の言うことをきくと思っているようですね。内閣法制局長官の仕事は冷静さが要求されます。すぐに激昂して口論するような性格の人物は相応しくありません。

それにしても衛藤首相補佐官といい、本田内閣官房参与といい、NHK経営委員の百田尚樹、長谷川三千子の両氏、安倍首相が経営委員を入れ替え、経営委員がその意図を汲んで選出したといわれる籾井NHK会長といい、安倍首相が自分の周りに集めた“人材”がどうしてこうもトラブルを起こすのでしょうか。その職務に相応しい知識と能力を持っているからではなく、首相が自分の考えと一致する人物ばかりを自分の周りに集めようとした結果なのではないでしょうか。首相の任命責任が問われます。

                                    大西 五郎

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ザックジャパン(146) ゲーゲンプレス余聞  文科系

2014年03月13日 02時21分43秒 | 文芸作品

 ゲーゲンプレスについて、というよりも今期の欧州チャンピオンズリーグで優勝有力チームの戦術について詳しく書いた本を読んだ。ドルトムントからこの戦術をハインケス監督時代にまるまるパクッたバイエルンミュンヘンを筆頭に、ドルトムント、バルセロナ、レアルマドリッドから、パリサンジェルマンや現在売り出し中のアトレティコマドリまでを含んでいる。「欧州サッカー批評別冊09号」、大枚1,150円なり。さて、その中で例によって木崎伸也がゲーゲンプレッシングの起源を、クロップとグァルディオラを生みの親として、以下のように紹介している。さかのぼって6年前の08年の事だ。

 この文章の小見出し全部を最初に上げておこう。「ゲーゲンプレッシングはプレッシングとは違う」、「ペップの5秒ルール、ハインケスの模倣」、「ドルトムントとバイエルン、何が違うのか?」という3部構成の文章になっている。それぞれの概要はこういうもの。
 第1節は、普通のプレスが、敵がボールをキープしていてじっくりと攻めの構えを見せた時にこちらもちゃんと守備構えを整えて掛けるもの。ゲーゲンは、ここでずっと述べてきたように、身方がボールを失った瞬間に掛けるもの。まずそういう違いが述べられる。
 第2節が、問題のゲーゲンプレスの起源。期せずして08年にバルサのグァルディオラとドルトムントのクロップが、この戦術をチームに仕込み始めたと述べられる。
「バイエルンのゲーゲンがほぼ敵陣高い位置に攻め込んだ状態だけで展開されるのに対して、ドルトのそれはもう少し低い位置で繰り広げられる」と語るのが、第3節。このことを木崎は、ドイツ断トツの金持ちチームとして超高給選手ばかりを集めているバイエルンの特殊性、高い個人能力から出発して、説明している。ラームやリベリー、ロッベンまでが守備に走り回っている姿に眼を見張っているわけである。

 さて、問題の第2節を、詳しく見てみよう。
 08年にバルセロナの監督になったばかりのグァルディオラが「5秒ルール」をチームに徹底させてヨーロッパを席巻したことに木崎伸也は目を付け、解説を加える。チームがボールを失った瞬間にすぐに敵を囲い込んでボールを奪いに行くが、5秒で奪えなければ自陣に戻ってブロック守備に切り替えるという戦術である。これをゲーゲンプレスの発祥だと世界が見ている。こう、木崎は言うのである。グァルディオラ・バルセロナは以降に、この戦術でヨーロッパCL3連覇に近い成績を上げることになる。2回の優勝に挟まれた真ん中の年は優勝したモウリーニョ・インテルに準決勝で敗れたことは有名で、この年のこの2ゲームは当ブログでも何回かご紹介したところだ。10年4月7、21、30日と、5月2日の拙稿において。

 これに対して、クロップ・ゲーゲンプレスについて、木崎はこう語っていく。同じ08年に就任直後のドルトムントで着手したが、バルサよりも選手層がはるかに薄いこのチームでは花開くのに3年かかったのだと。そして11年から始まったドイツ2連覇から、ハインケス・バイエルンによるこのパクリ、バイエルン天下へと続いていったと解説されていく。そのバイエルンに、1年の浪人・充電生活を経てグァルディオラが監督就任となれば、今の常勝バイエルンは必然であったと、これが世界最先端の見方なのだ。木崎は、そんな論を進めている。

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