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新聞の片隅に載ったニュースから(140)     大西五郎

2014年03月20日 18時56分13秒 | Weblog
 上野千鶴子さん山梨市長と「和解」(14.3.19 毎日新聞)

 山梨市が中止方針を撤回した社会学者、上野千鶴子さんの講演会が18日、同市で開かれた。望月清賢市長が冒頭、「上野先生に無礼を働いた」と陳謝すると、上野さんは「過ちを改めるに、はばかることなかれ」と応じ「和解」が成立。会場は聴衆約400人で満員になり、上野さんは「ひとりで最期まで在宅で」と題して1時間半にわたり熱弁をふるった。最期に「今回の講演料は市に寄付します」と表明し、喝采を浴びた。
 講演会を巡っては、少年の性に関する上野さんの過去の発言などを挙げて望月市長が「表現が強すぎる」などと中止を申し入れた。しかし、市民の抗議などを受け、17日に一転して開催を決めた。

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この記事では望月市長が上野さんの少年の性を巡る過去の発言(熟女に癒してもらえばいいなど)の表現が強すぎるなどと「中止を申し入れた」となっていますが、16日の毎日新聞では、「望月市長は『住民から抗議もあり、公費開催はふさわしくないと判断した』と説明。」となっています。
「市民からの抗議」が中止のきっかけのようですが、島根県松江市で「はだしのゲン」が学校図書館の開架から教員室などに「しまい込まれた」事件も教育委員会にかかってきた市民からの電話に教育委員会が過剰に反応したためでした。東京都美術館が造形作家の作品に政治の右傾化に反対するメッセージを書いた紙が付いていたため、「市民からの抗議」を恐れて美術館側がメッセージを取り除くよう要求しました。
最近自分に気に入らないことがあるとネット上で攻撃し、それを見た人が同調していわゆる「炎上」することがしばしば起きていますが、ネトウヨと呼ばれる人たちの間でよく起こるようです。これらの人たちは自分で事実かどうかを確かめようともしないで、冷静に考えれば「はたして本当だろうか」と思うようなことでも「ネット上に書かれたことは事実である」(メディアはなかなか本当のことは書かない)と決め付けて抗議の声を挙げるというケースが多いとジャーナリストの安田浩一さんの「ネットと愛国」という本に書いてありましたし、15日の中日新聞の「ネットで何が・・・」でも、「何かの事件が発生すると『在日コリアンの仕業』とのネット上の書き込みがあふれる」と指摘しています。ネット上のキャンペーンを読むとお二人の指摘のようなことが起きていると思います。一種の狂気を感じます。
これに行政が必要以上に反応しているのが問題です。山梨市の場合も(人数は明らかにされていませんが)講演会に反対する電話なりメールで中止の判断をしたということですが、多くの市民は講演会を支持し、中止を思い留まらせ、会場は満員になったことを見れば、市の側が抗議に過剰に反応し、方針を誤ったと云えます。行政は抗議の声の大きさに怯むことなく、言論・表現の自由をしっかりと守ってほしいと思います。
                                    大西 五郎
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随筆 「至福のホームコンサート」  文科系

2014年03月20日 16時03分28秒 | 文芸作品
 4日土曜日、表題のことがあった。演奏者は3人、いずれも中部アマチュアギターコンクールの優勝者ばかり。初めは去年の総合優勝者Tさん。次が、今年の総合優勝者Kちゃん、今年の第32回日本ジュニアギターコンクール総合優勝者で、小学6年生である。そして最後が、このコンサートの企画・開催者Uさん。今年のシニアの部第1位の方であり、この日の会場提供者でもあられる。僕は枯れ木も山の賑わいで、唯一の単なる聴衆。もっとも、Kちゃんのご両親もいらっしゃったけど。笑顔がいつも素敵なお父さんと、美しくって思慮深げなお母さんと。
 このホームコンサートって、本当に至福。何か気になれば演奏者の直ぐ脇へ行って、それを観させていただくことも出来るし、ギター経歴なども気軽に問答してもらうことが出来る。そんなこんなで、アマチュアの最高峰である演奏者たちの個性が目の前に全部見えるのだ。下手くそな僕で僭越ながら、それを表現してみよう。おおむね他の皆さんにも確認済みのものでもあって、間違ってはいないと思うし。

 Tさんは、大阪の方。大学時代からのギター弾きで、退職後この10年間を先生に通われたとのこと。信じられないような話で、大学時代からの基礎が余程良かったとしか思えない。いろんなギター技術の模範みたいなカッチリと安定した演奏をされる。アマチュアなのにレパートリーの広さがまた凄くって、常時20曲はあるとのこと。バッハ、「11月のある日」「アンダルーサ」「アルハンブラ」等々、もっともっと多くを弾かれた。
 Kちゃんは、メルツの「ハンガリー幻想曲」、パガニーニ「超絶技巧練習曲」など。あの小さな体、か細い腕手のどこから、あんな強烈な音・表現力をほとばしり出せるのかと、いつも、ただ、目を見張るばかり。32回目だったかの全日本ジュニアにおいて、「小学生でのジュニアグランプリ」は過去3~4人と聞いた。近頃有名な村治佳織、奏一姉弟などもここを通った口であって、プロとしての大成功がほとんどもう保証されたも同じ6年生だ。
 Uさんは、ソルの練習曲作品31の19番や「ガボットショーロ」「フリア・フロリダ]などをいつものように音楽性豊かに優しく弾いてくださり、場が和んだものだった。ただ、今日のホステス役ということで、随分遠慮しておられたようである。彼女については、ここでもよく紹介した「ギター遊びの会」のお仲間でもあり、またご紹介する機会もあるだろう。

 話は替わるが、一昨日5日は名古屋マンドリン合奏団(第52回)定期演奏会というのを、名古屋市芸術創造センターへ聴きに行ってきた。ギターもあったし、多分低めのマンドリンである「マンドラ」とか、マンドリンをバイオリンとするとチェロのように大きな「マンドロンチェロ」とかを初めて見たり聞いたりして、興味津々だった。初めのほうの演奏がなんか音質が悪く、後に行くに従って良くなっていったと感じたが、あれが演出であったら嫌だなとも思った。3部に分かれていたから、せめて1、2部を入れ替えたほうがもっと気が利いているのではないか。それ以上に、あらかじめ誰か1部の音を注意する人がいなかったのかと、不思議な気もしたものだ。最後のマスカーニと「未完成交響曲」とが良かったので、全体としては満足したのだが。
 それにしても、大学のギター・マンドリン同好会のOBたちがこの会をずーっと52年続けてきたらしいその努力には、頭が下がる。会場も満員であったりして、この国、この地の音楽文化の発展にとって、数人のちょっと優れたプロの出現よりも音楽の普及にとって遙かに計り知れない功績があったのではないか。
 なお、事後にこんな事もあった。僕の中・高一貫校、そして同じ大学と通した同級生が1人出演していたのでちょっと同窓会のような趣もあって、終わってから5人ほどで食事をして、その後、僕の行きつけのスポーツバー「グランスラム」にご案内した。演奏会場の近くだから、歩いて行けるのだ。みなさん大いに興味を持たれたらしく、このうちの誰かがお孫さんでもつれてここに来られればいいと僕から申し上げた。実現すれば僕にとってこんな嬉しいことはない。

(2010年09月07日に初出掲載、再掲)
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