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BBCより   らくせき

2017年05月02日 09時32分20秒 | Weblog
北朝鮮をめぐり東アジア情勢の緊張が続く中、政府は5月1日午後、「安全保障関連法(安保法制)」に基づき、海上自衛隊のヘリコプター搭載型の護衛艦「いずも」によるアメリカ軍の補給艦防護(米艦防護)任務を開始した。安保関連法に基づく初の米艦防護となる。NHKニュースなどが伝えた。

「米艦防護」とは、自衛隊法の「米艦等の武器等防護」規定に基づき、他国軍の艦船を防護する任務。2016年3月に「安保関連法」が施行され、実施可能となった。他国から要請があった場合、防衛相の命令により他国の弾薬や艦船、航空機を守る任務に従事する。おもにアメリカ軍を想定したもので「米艦防護」と呼ばれる。

これまで平時に自衛隊が防護できるものは、自らの艦船や武器のみとされていたが、「米艦防護」ではアメリカ軍の艦船を守る場合も、状況に応じて「合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる」と定められている。

「いずも」は1日午前10時ごろ、神奈川県横須賀市の海上自衛隊・横須賀基地を出港。午後1時ごろに千葉県・房総半島の沖合でアメリカ軍の補給艦「リチャード・E・バード」(全長210メートル、乗員約130名)と合流した。

両艦は揃って四国沖まで移動。米補給艦は日本海などに向かい、北朝鮮の弾道ミサイルを警戒監視する米空母カール・ビンソンやイージス艦などに燃料などを補給するものとみられている。一方、「いずも」は護衛艦「さざなみ」と合流し、南下。15日にシンガポールで開かれる国際観艦式に参加する。

■米艦防護は安倍政権の「実績作り」? BBC「北朝鮮の脅威増大、安倍首相には有益」

「いずも」は海自最大級のヘリコプター搭載型の護衛艦。最大14機のヘリを搭載できるが、防空能力や攻撃能力は高くない。装備は必要最低限のもので、他の艦船を護衛するには不向きと見る声もあるという。

今回の米艦防護について、テレ朝newsは「海上自衛隊最大の護衛艦がアメリカ海軍の輸送艦を守るということが日米同盟の深化・強化をアピールする狙い」「政府は、この任務を1カ月ほど前から検討し始めていて、危険度が低い太平洋側での任務実施を決定しました。こうした実績を徐々に積み重ねていき、北朝鮮に対する圧力を強めたい考え」と、分析している。

一方で時事ドットコムは、房総半島沖から四国沖にかけての太平洋海域は北朝鮮の脅威が直接には及びにくいとみられることから、「防護に当たる海上自衛隊護衛艦は別の任務に向かう途中で、安保法制定に心血を注いだ安倍政権の『実績作り』の面も否めない」と解説する。

イギリスのBBCは今回の米艦防護について、「より小型の護衛艦を投入する選択肢もあったが、海自最大の護衛艦(いずも)を投入した」と指摘。さらに「安倍首相と稲田防衛相は、日本の平和憲法を廃止しようしているナショナリストだが、平和憲法の廃止はほぼ不可能だ。そのため安倍首相は、安保関連法を強引に成立させた」と説明。

その上でBBCは「安否関連法は事実上憲法を無視し、自衛隊は同盟国を守ることができる」とし、「安倍首相は、日本の再軍備に対する国民の反対が広がっていることを認識している。北朝鮮の脅威が増大することは彼にとって有益だ」と分析した。

■安倍首相は2015年に「可能な限り最大限の情報を開示」「丁寧に説明する」と強調していたが…

自衛隊による米艦防護はアメリカ側からの要請に基づく。要請があった場合は、防衛相が実施の可否を判断、決定する。また、初めて要請を受けた場合や、第三国での警護要請があった場合など、「内閣総理大臣が必要と認めた場合に、NSC(国家安全保障会議)で審議する」とされている。

集団的自衛権の行使には国会の承認が必要となるが、米艦防護には国会の承認は必要ない。2015年8月の参院安保特別委員会では、民主党の水岡俊一参院議員(当時)が「国会承認もいらないけども、自衛官がミサイルを撃てる」「この裏口入学は絶対にいけないと思う」と、米艦防護の運用に懸念を示したが、中谷元防衛相(当時)は「(存立危機事態とは)厳格に手続き要件を区別しております」と理解を求めた。

安倍首相も2015年7月の衆院安保特別委で、「新設する米軍等の武器等防護の実施等については、法律上国会報告の対象とはされていません」とした上で、「国会および国会の皆様に対する説明責任を果たすため、可能な限り最大限の情報を開示し、丁寧に説明する考えであります」と、積極的に情報公開する姿勢を強調していた。今回「いずも」が米艦防護を実施することについて、政府は5月1日現在、公式発表していない。

防衛省出身の柳沢協二・元官房副長官補は1日放送のテレビ朝日系「報道ステーション」において、「アメリカの船に対する攻撃があれば自衛隊が武器を使って防ぐわけですから、それは常識的には戦争になる」「事実上の集団的自衛権のような行動が取れる。国会の承認もいらない、公表もしないで進められるというところに二重の問題点がある」と指摘した。
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ハリルジャパン(93) 書評「ヴァーディー自伝」  文科系

2017年05月02日 06時02分35秒 | スポーツ
 スポーツの世界における「劇画以上のシンデレラ・ストーリー」とおおよその内容を分かっていて購入した、300ページの大枚1800円。ここ「ハリルジャパン」シリーズでも僕がずっと「追っかけ」をやってきた岡崎慎司とともに去年ミラクル、レジェンドを創ったばかり、イングランド・プレミアリーグ・チームの同僚・エースの自伝である。

 グレイトブリテン島はイングランド北部、マンチェスターの東にあるシェフィールド出身のこの選手は、イングランド8部アマチュアチームから出発して、プロチームとは言え5部のチームにやっと入れた時には、もう24歳。こんな彼がその年31ゴールを上げてチームを優勝させ、翌年にはイングランド2部チーム・レスターにスカウトされる。この昇格時にして既に二つの劇画・ストーリーを彼は創っているのだ。ノンプロ史上最高の移籍金100万ポンドと、こんな契約条項の獲得である。
『将来もしイングランド代表になったら、○ポンドのボーナスを出すこと』
 24歳でやっとプロになれて、25歳で2部チームにようやく上がれたという遅咲き選手だ。それがこんな条項を望める訳はないと、普通なら考える。が、彼と彼の代理人は「こういう将来」を固く信じていたと見えて、強引にこれを獲得しているのだ。
 この契約条項は、28歳の2015年に見事に結実した。これは、日本のサッカーファンにもよく知られた話だろう。

 以降のチームとこの選手は、こうのし上がっていく。ヴァーディー2年目の13~14年シーズンに2部リーグで優勝、1部の「イングランド・プレミアリーグ」に昇格。そして、プレミア2年目の15~16年シーズンには、「奇跡の優勝」。ヴァーディー個人は得点差1で得点王は逃がしているが、11ゲーム連続得点というプレミア新記録を作り、プロサッカー協会年間最優秀選手賞を獲得している。 この優勝はもちろん、チーム史上初の快挙である。なんせプレミアに居ることさえ珍しいチームだったのだから。このチームにこの年付いていた優勝オッズが5000倍だったという事実は、日本でもサッカーファンなら皆知っている話だろう。

 こういう表の話は、サッカーファンなら知っている人も多いことだろうが、この本は当然裏話も多い。
 まず、このヴァーディーが前科1犯であるとは、僕も知らなかった。同行した身障者の友人を辱められたから起こった乱闘騒ぎに起因するものだ。ちなみに彼は激しやすく、かつ飲んだくれであって、その二つが重なって起こった20歳の時の事件だった。また、この飲んだくれ性は、成功し始めた頃に得た2度目の妻によって見事に調整されるようになっていったようだ。

 サッカー選手としての彼の特徴を見てみよう。岡崎慎司はこう評している。
『ヴァーディーの強さはスピードと動きに緩急があること。まったく力みのないプレーは性格と一緒。どんな時も笑顔で接してくれるヴァーディーが俺は大好きです』
 力みのない多種類の精確なシュート力が最大の特長だが、非常な脚の速さがその土台、背景にある。いつでも相手を抜けるし、絡んできたらスピードを落としてから、また加速して置き去りにすればよいと、そんなプレーなのだ。ダッシュだけではなく長距離にも強い選手で、岡崎と同じように前線からのプレスにも励む。これがまた、優勝の原動力の一つになっていたという、チームプレー第1、日本でFWによく勧められる「エゴイスト」ではないFWの典型である。だから岡崎慎司もこの本の帯でこう叫んでいる。
『是非この本を読んでヴァーディーを好きになってください!』
コメント (1)
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