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安倍首相の「イラク戦争」理解?   文科系

2019年06月27日 10時11分45秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 爆笑問題の二人、特に太田君と安倍首相との質疑応答をネットで聞いた。こんなやり取りがあってまー驚いたこと。この討論自身から、こんなことを教えられた思いだ。安倍首相って、普段はイエスマンばかりに囲まれて来たのだろう。こんな拙劣な会話、質疑応答でいろんな場を乗り切って来られたようだから! これでは、国会答弁にもまともには答えず、関係のない演説話という「答弁」ばかりにすり替えていくことになるはずだ、と。

 話は、日本国憲法前文の「日本国民は・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、(われらの安全と生存を保持しようと決意した)」を読み上げた安倍が、これを否定して見せた所から始まっていた。これを「他力本願ですよ、ベトナム戦争、イラク戦争など戦争はいっぱい起こっているのに・・・」と切って捨てた発言をしたことによって、以下の討論が始まったのである。

安倍「イラク戦争は、日本は支持した。その判断自身は間違っていなかった」
太田「アメリカは、間違っていたと言っていますよ」
安倍「大量破壊兵器があるというその情報は間違っていたけど、戦争判断自身は間違っていなかった」
太田「間違った情報による判断が正しい? 人がボコボコ死んだんですよ!?」
安倍「そりゃ非常に残念ですが・・」
太田「残念!? 間違った情報でボコボコ殺されたんですよ!」
安倍「いや、大量破壊兵器がもしあったら・・・」
太田「なかったんですよ。可能性で戦争してもいーんですか」
安倍「そりゃそうですよ」
太田「あいつ人相危ないからで、殺してもいーんですか?」
安倍「そりゃ、苦しい判断がありますよ」
太田「苦しいのは死ぬ方ですよ」

 どうだろう、どっちが普通判断の会話をしているか? 「間違った情報で人がぼこぼこ殺された戦争をするという判断も、それを支持した日本も間違っていなかった」等と口を滑らせて、言い切ってしまったのが、不用意に過ぎたということだろう。普通の判断力があれば、こんなおかしな論理は実際にそう思っていても言わないものだ。それをあっさり言い切ってしまったところに、しかも、国会と違って1対1の公開討論の場面でこんなことをしたその態度に、彼の非論理と安易さが現れている。同時に、安倍はこれが不用意とも思わず日頃を過ごしてきた人間だということも、端無くも示してしまった。そこをつかれて思わず「そりゃそうですよ!」という、意味のないイラク戦争肯定論を叫び続けた、この醜態!

 大変情けない首相を頂いたものである。また、憲法前文への「他力本願」批判も、その根拠が社会ダーウィニズム丸出しの「戦争現実論」とあっては、俗っぽすぎて何の人間らしい政治理念も感じられないものだ。「戦争はない方がよい」とは口では言いながら、「戦争現実論」の例として彼があげたのが、ベトナムとイラクとあっては、いずれもアメリカの戦争で、そのアメリカに揉み手で付いて行く安倍だからこそ、この「戦争現実論」は自らも造り出しているもの、「ない方がよい」は嘘になってしっているというわけだ。

 なんのことはない、嘘の理由で始まったイラク戦争開始判断を「間違っていなかった」と肯定してみせることによって、自らが主としてアメリカがもたらしている『戦争現実』を作る側に立っているのである。だから彼の社会ダーウィニズム風戦争論は、日本の首相という重要な地位にある自らがそういう現実を作っているという自覚も皆無だと示しているわけだ。
コメント (6)
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