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会社を潰すと儲かるその社債の保険   文科系

2019年06月16日 15時09分49秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 こんな事は専門家ならば知りすぎるほど知っている。それどころか日夜その実践を狙って来た人々が世界中に存在しているのだ。こういう人々が当たり前のように存在する社会は、良い社会と言えるのだろうかと僕は思う。このエントリーの前に書いた空売りとか、以下のCDSとかは、我々素人にはそんなことを考え込まさせる。ただし、これらの国際金融の行為は秘密裏に行われるものばかりである。総て最初から公然とやれば、儲からないからだ。
 なお、以下のCDSは保険商品だから、バブルを作り上げるためにも大いに貢献してきた。破綻直前まである債券や金融商品をAAAにしていたとか。
 過去の拙稿抜粋で恐縮だが・・・。


【 ④CDS
 こんなサブプライム・ローン組込証券に格付け会社によって破綻直前までトリプルAの信用が付いていた。それにはこんな保険商品も掛けられていて、これが大宣伝されたことも関わっている。クレディット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれた保険商品である。

『企業ばかりではない。国家もそうである。ギリシャの金融危機が深刻化したのはギリシャ国債の空売りに加えて、新契約の裸のCDSの掛け金がどんどん上がってギリシャ政府が発行する新国債の利子率が急騰したためである。ドイツなどはその裸のCDSの取引を禁じているのだが、そういう取引を歓迎する金融センターが世界中にたくさん残っている』(ロナルド・ドーア著「金融が乗っ取る世界経済」)
 
『保険法だったら、隣の家に黙ってその家に火災保険をかけることは禁じられている。全く当然だ。放火罪奨励はとんでもないことだからである。しかし社債のCDSの場合、国によっては、そのとんでもないことがまかり通る』(同上書)

 この「裸のCDS」ゆえにこんなことが起こる。A社の社債を持っていない人がこの社債に莫大な保険を掛け、安い掛け金のA社債を無数に買い集め始める。すると、その会社を潰すことになっていくのである。安い掛け率の保険が買い占められたら、新たな社債を発行しようにも利子率が高くないと誰もこれを買ってくれない。よってこの会社はもう、会社存続のための新たな借金もできなくなる理屈だ。CDSを「大量破壊兵器」と語ったのが有名な投資家ジョージ・ソロスだ。

『ゼネラル・モータースなどの倒産を考えよ。その社債の持ち主の多くにとって、GMの再編より、倒産した場合の儲けの方が大きかった。人の生命がかかった保険の持ち主に、同時にその人を打ちのめす免許を持たせるようなものだ』(前掲書)

「(会社再建よりも)打ちのめした方が儲かる」CDSの実際が、投資銀行リーマン・ブラザースの倒産でも示された。倒産時のリーマン社債発行残高は1559億ドル。その社債へのCDS発行銀行の債務総額は4000億ドルだった。】


 ちなみに、こういう仕組みを知らなければ今の世界政治は分からないも同然。だって、これらが今のアメリカ経済・政治の絶対的主流なのだから。それどころか、こういう仕組みの操り手たちが「株主資本主義」という名前で日米などの物経済を破壊した末に、いま中国の現物経済とその貿易黒字分や、ベネズエラやイランの原油を手中に収めようと画策しているのである。
 なお、こういう金融(株主)資本主義の担い手達にとっては、今世界を席巻し始めた右翼ポピュリズムは同士にも等しいものだ。世界の人々が、自分の国だけを観ていてくれれば、自分らがより自由に世界を、転がし、搾取することができるのだから。
 
コメント (3)
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今一度、空売りの説明   文科系

2019年06月16日 14時36分40秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 空売りとは、他人の株や債券などを借りて売ること。どんどん売り浴びせてその値が下がった時に、どうして儲かるのか。この仕組みがなかなか素人には分かりにくい。他人の命が掛かったような株や債券の値段を敢えてめちゃくちゃに引き下げると儲かるというのは、人の悲劇を自分が儲けるために作ること。そんな仕組みは決して良いものとは言えぬと僕は思うのだが、それが白昼堂々とどころか、世界中で日常茶飯事に行われている、そんな世界である。人が人を死ぬような目に遭わせる仕組みって、その人を人でなくする仕組みだとも思うのである。世の金持ち達がそういう人々なら、基本的人権とか、人間尊重を基本に置いた民主主義思想などとは全く馴染まない人々とも思われてくるのである
 そういう仕組みの、世界で現にあった一例をもう一度書いてみます。

【 ちなみに、1997年に起こったアジア通貨危機の震源地、タイの通貨バーツ空売りの仕組みをご紹介したい。以下は、毛利良一著「グローバリゼーションとIMF・世界銀行」(大月書店2002年刊)からの抜粋である。

『通貨危機の震源地となったタイについて、背景と投機の仕組みを少しみておこう。タイでは、すでに述べたように経常取引と資本取引の自由化、金融市場の開放が進んでいた。主要産業の参入障壁の撤廃は未曾有の設備投資競争をもたらし、石油化学、鉄鋼、自動車などで日米欧間の企業間競争がタイに持ち込まれた。バンコク・オフショアセンターは、46銀行に営業を認可し、国内金融セクターが外貨建て短期資金を取り入れる重要経路となり、邦銀を中心に銀行間の貸し込み競争を激化させて不動産・株式市場への資金流入を促進し、バブルを醸成した。(中略) 投機筋は、まずタイ・バーツに仕掛け、つぎつぎとアセアン諸国の通貨管理を破綻させ、競争的切り下げに追い込み、巨大な利益を上げたのだが、その手口はこうだ。(中略) 1ドル25バーツから30バーツへの下落というバーツ安のシナリオを予想し、3ヶ月や半年後の決済時点に1ドル25バーツ近傍でバーツを売り、ドルを買う先物予約をする。バーツ売りを開始すると市場は投機家の思惑に左右され、その思惑が新たな市場トレンドを形成していく。決算時点で30バーツに下落したバーツを現物市場で調達し、安いバーツとドルを交換すれば、莫大な為替収益が得られる』

 見られる通り、一例として言えば、1億ドルで30億と安くなったバーツを普通に現物調達したうえで、結んであった1ドルを25バーツで買う先物予約の通りにドルを買えば、1億2千万ドルに換えられるのである。】


 なお、この後のエントリーでCDSという同じような金融の仕組みを説明してみる。今の世界政治はアメリカが動かしている所が大きいが、そのアメリカがこういう金融資本主義、株主資本主義の王国であるから、これを知らずしては世界政治がなんにも分からないに等しいからである。
 また、日本のネトウヨ諸君もそうだが、今世界で大流行していると喧伝されている右翼ポピュリズムは、金融資本主義の最大の身方、同志である。だって、世界の人々が自分の国のことだけに熱中してくれたら、それだけ自由に国際金融が世界政治を転がせるのだから。世界金融は日米などの物経済を大いに破壊したが、現在は中国の現物経済やそこに貯まった貿易黒字金とか、ベネズエラ、イランの原油を狙っている。


コメント (3)
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日本はもう終わりらしい   らくせき

2019年06月16日 07時59分26秒 | Weblog
ホルムズ海峡の日本のタンカーが攻撃を受けた。
でも・・・
どこかノンビリして平和ボケの報道。
安倍さんの外交の失敗を見抜けない。
アメリカの子分という立場の危うさに気づいていない。

タコつぼに入ったままの日本。危ういかも。
もう少し複眼で。
コメント (4)
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