こんな事は専門家ならば知りすぎるほど知っている。それどころか日夜その実践を狙って来た人々が世界中に存在しているのだ。こういう人々が当たり前のように存在する社会は、良い社会と言えるのだろうかと僕は思う。このエントリーの前に書いた空売りとか、以下のCDSとかは、我々素人にはそんなことを考え込まさせる。ただし、これらの国際金融の行為は秘密裏に行われるものばかりである。総て最初から公然とやれば、儲からないからだ。
なお、以下のCDSは保険商品だから、バブルを作り上げるためにも大いに貢献してきた。破綻直前まである債券や金融商品をAAAにしていたとか。
過去の拙稿抜粋で恐縮だが・・・。
【 ④CDS
こんなサブプライム・ローン組込証券に格付け会社によって破綻直前までトリプルAの信用が付いていた。それにはこんな保険商品も掛けられていて、これが大宣伝されたことも関わっている。クレディット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれた保険商品である。
『企業ばかりではない。国家もそうである。ギリシャの金融危機が深刻化したのはギリシャ国債の空売りに加えて、新契約の裸のCDSの掛け金がどんどん上がってギリシャ政府が発行する新国債の利子率が急騰したためである。ドイツなどはその裸のCDSの取引を禁じているのだが、そういう取引を歓迎する金融センターが世界中にたくさん残っている』(ロナルド・ドーア著「金融が乗っ取る世界経済」)
『保険法だったら、隣の家に黙ってその家に火災保険をかけることは禁じられている。全く当然だ。放火罪奨励はとんでもないことだからである。しかし社債のCDSの場合、国によっては、そのとんでもないことがまかり通る』(同上書)
この「裸のCDS」ゆえにこんなことが起こる。A社の社債を持っていない人がこの社債に莫大な保険を掛け、安い掛け金のA社債を無数に買い集め始める。すると、その会社を潰すことになっていくのである。安い掛け率の保険が買い占められたら、新たな社債を発行しようにも利子率が高くないと誰もこれを買ってくれない。よってこの会社はもう、会社存続のための新たな借金もできなくなる理屈だ。CDSを「大量破壊兵器」と語ったのが有名な投資家ジョージ・ソロスだ。
『ゼネラル・モータースなどの倒産を考えよ。その社債の持ち主の多くにとって、GMの再編より、倒産した場合の儲けの方が大きかった。人の生命がかかった保険の持ち主に、同時にその人を打ちのめす免許を持たせるようなものだ』(前掲書)
「(会社再建よりも)打ちのめした方が儲かる」CDSの実際が、投資銀行リーマン・ブラザースの倒産でも示された。倒産時のリーマン社債発行残高は1559億ドル。その社債へのCDS発行銀行の債務総額は4000億ドルだった。】
ちなみに、こういう仕組みを知らなければ今の世界政治は分からないも同然。だって、これらが今のアメリカ経済・政治の絶対的主流なのだから。それどころか、こういう仕組みの操り手たちが「株主資本主義」という名前で日米などの物経済を破壊した末に、いま中国の現物経済とその貿易黒字分や、ベネズエラやイランの原油を手中に収めようと画策しているのである。
なお、こういう金融(株主)資本主義の担い手達にとっては、今世界を席巻し始めた右翼ポピュリズムは同士にも等しいものだ。世界の人々が、自分の国だけを観ていてくれれば、自分らがより自由に世界を、転がし、搾取することができるのだから。
なお、以下のCDSは保険商品だから、バブルを作り上げるためにも大いに貢献してきた。破綻直前まである債券や金融商品をAAAにしていたとか。
過去の拙稿抜粋で恐縮だが・・・。
【 ④CDS
こんなサブプライム・ローン組込証券に格付け会社によって破綻直前までトリプルAの信用が付いていた。それにはこんな保険商品も掛けられていて、これが大宣伝されたことも関わっている。クレディット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれた保険商品である。
『企業ばかりではない。国家もそうである。ギリシャの金融危機が深刻化したのはギリシャ国債の空売りに加えて、新契約の裸のCDSの掛け金がどんどん上がってギリシャ政府が発行する新国債の利子率が急騰したためである。ドイツなどはその裸のCDSの取引を禁じているのだが、そういう取引を歓迎する金融センターが世界中にたくさん残っている』(ロナルド・ドーア著「金融が乗っ取る世界経済」)
『保険法だったら、隣の家に黙ってその家に火災保険をかけることは禁じられている。全く当然だ。放火罪奨励はとんでもないことだからである。しかし社債のCDSの場合、国によっては、そのとんでもないことがまかり通る』(同上書)
この「裸のCDS」ゆえにこんなことが起こる。A社の社債を持っていない人がこの社債に莫大な保険を掛け、安い掛け金のA社債を無数に買い集め始める。すると、その会社を潰すことになっていくのである。安い掛け率の保険が買い占められたら、新たな社債を発行しようにも利子率が高くないと誰もこれを買ってくれない。よってこの会社はもう、会社存続のための新たな借金もできなくなる理屈だ。CDSを「大量破壊兵器」と語ったのが有名な投資家ジョージ・ソロスだ。
『ゼネラル・モータースなどの倒産を考えよ。その社債の持ち主の多くにとって、GMの再編より、倒産した場合の儲けの方が大きかった。人の生命がかかった保険の持ち主に、同時にその人を打ちのめす免許を持たせるようなものだ』(前掲書)
「(会社再建よりも)打ちのめした方が儲かる」CDSの実際が、投資銀行リーマン・ブラザースの倒産でも示された。倒産時のリーマン社債発行残高は1559億ドル。その社債へのCDS発行銀行の債務総額は4000億ドルだった。】
ちなみに、こういう仕組みを知らなければ今の世界政治は分からないも同然。だって、これらが今のアメリカ経済・政治の絶対的主流なのだから。それどころか、こういう仕組みの操り手たちが「株主資本主義」という名前で日米などの物経済を破壊した末に、いま中国の現物経済とその貿易黒字分や、ベネズエラやイランの原油を手中に収めようと画策しているのである。
なお、こういう金融(株主)資本主義の担い手達にとっては、今世界を席巻し始めた右翼ポピュリズムは同士にも等しいものだ。世界の人々が、自分の国だけを観ていてくれれば、自分らがより自由に世界を、転がし、搾取することができるのだから。