二つの新聞を読むようになって、目立った記事を発信したくなった。中日の記事は全国の方々向けに、朝日の記事は愛知の当ブログ読者に向けて。記事を選ぶ観点だが、「世界の中の日本」あるいは「日米中関係」ということになろうか。これからの日本政経が特に、中米間の「トゥキディデスの罠」の動向によって没主体的に翻弄されて行く事が目に見えているからである。ちなみに、この問題は日本人政治意識の最弱点だと思う。ネトウヨ諸君など右翼は大変なアメリカ音痴だし、マスコミの中米報道は変な先入観に囚われた記事しか書かない。アメリカは「自由と民主主義の国」で、中国は「習独裁の全体主義」という昔ながらの構図だけである。前者は既に嘘だし、後者だけでは中国の事は正しく伝わらない。そもそも、日本の輸出入がどんどん対中の方に傾いていて、その中国に冷戦を持ちかけているのは国連無視が当たり前になったアメリカの方なのだから。
ちなみに、この両新聞の記事紹介は、関東で朝日と東京の両新聞記事を紹介するのと同じ事になるのではないか。
まず今日の朝日。「コロナ死者の3分の1は高齢者施設で亡くなっていると米マスコミは分析している」というのがあった。このことに関わってまた、こんな解説記事もついていた。「そういう高齢者施設の運営主体が、どんどん投資会社に移っていて、ヘッジファンドが運営している高齢者施設も多い」ということだ。「安い職員を使って、マスクや手袋も支給されない」とか。
中日新聞では安保条約発効60年という特集があって、登場する3人の識者の1人、孫崎享が安保条約第1条と国連憲章との大変矛盾する現状を語っている、その内容が今時実に面白い。「国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する」が彼が上げた日米安保条約第1条部分なのだが、他方国連憲章第2条にはこうあると、孫崎は語る。
「全ての加盟国は、武力による威嚇または武力の行使を慎まなければならない」
孫崎はこうして、武力の行使や威嚇をイラン、イラクなど近年しょっちゅうやって来たアメリカは「国際連合の目的と両立しない」のだから、安保条約第1条の約束違反であると日米政府をたしなめているわけだ。流石に元外務省国際情報局長というべきだし、近年のアメリカが困窮し尽くした末にそれだけ変わってしまったということをも教えている。ちなみに、こと世界の外交に関しては今や、中国の方がはるかに国連尊重国と言える。対するアメリカは今や、国連敵視国になっている。そんな事情にも関わって、昨日あるブログに付けた拙稿をここにも転載しておきたい。
【 新自由主義経済って、単なる暴力経済。「株主利益の最大化方針」を誰が正しいと決めたのか。彼らに良いように世界各国障壁が取っ払われてしまった。その昔の「自由競争こそ経済発展の元・政府はできるだけ小さな政府で」といういわれないやり方を金力・株主本位という形で世界に野放しにしたのである。アメリカは西欧や日本に対したように、企業の敵対的買い付けで世界を支配できると目論んできたのだろう。ところが、中国が障壁に立ちはだかった。現物経済も全てこの国に取られてしまった。中国元の障壁はそのままだ。さすれば、トゥキディデスの罠よろしく、米衰退一路になる。困った困った、当面保護主義と米大陸ブロック経済で凌いでおいて・・・と、そういうことなのである。もはや、普通のやり方では中国に対抗できないと認めているのである。
前回の「トゥキディデスの罠」局面では、ゴルバチョフが「降伏」と手を上げたが、アメリカにそんな事はありえない。
とすれば何か大変な事が世界に起こる。香港、台湾、ウイグル、それとも陸海の絹の道で?
そこで日本は、というわけから、安倍の「中国寄り動向」も、既に18年から起こっている。こんな局面を馬鹿の安倍と胡麻擂り官僚上がり側近には、手に負えるわけがないのである。世界に翻弄されるのではなく、メルケル辺りと世界を回して欲しいし、その力もあるはずというのが日本の首相という立場なのだが・・。
ただ翻弄されるだけは、日本国民には大悲劇しかあり得ない。既にこの25年ほどの国民1人当たり購買力平価GDPは世界5位から32,3位にまで落ちているはずである。日本31位、韓国32位というのが最新18年の数字だから、今はおそらく韓国にも抜かれたろう。あちらの方がコロナ被害もはるかに少なかったのだし、新政権に立ってすぐに最低賃金をいち早く上げて、内需拡大に励んでいる。
激動の世界に、アメリカにはしごを外されてばかりの「選挙勝利だけ政治」という馬鹿な日本首脳部! そんな悲劇ばかりが巻き起こってきた国である!】