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安倍はなぜ三権分立も学問の自由も無視できたのか  文科系

2021年01月07日 09時34分34秒 | 国内政治・経済・社会問題

 以下は、安倍が最近やった二つのことについて書いたコメントを再掲し、安倍の「美しい日本構想」と対比させてみるという趣向である。この比較によって、安倍が目指そうとした物が一そう鮮やかに浮かび上がってくると考えるからだ。

【 普通の理解力の問題 (文科系) 2021-01-05 13:38:25
 安倍は何故、検事総長人事までを自分が握るという、その寸前まで至ることができたのか。三権分立の長期的根本的意味が分からなかったのだと確信する。これが民主主義国家の最後の防衛線であって、ここを揺るがそうとすると自分が独裁者になるというその意味も含めて。それどころか、こう考えていたと、僕は確信する。
『三権分立、そんなのどうでも良い。おれが三権の上に立って日本会議路線を実現していくことこそ、日本を良い国にする道なのだ』
 三権分立って抽象的すぎて、独り善がりの実際的思考しかない人には理解できない事項と思う。】

【 日本学術会議問題も・・・ (文科系)2021-01-05 13:46:50
 日本学術会議問題も同じこと。何故学問の自由が大事なのか。これは凄く抽象的な問題だ。そもそも学者というのが、特に人文社会系の学者は、「今のここの」問題だけを考えるという人々ではない。それどころか、50年後100年後のことをも考える人々である。そういう問題は「今(俺の目標の)役に立つか?」という問題意識だけで手に負えるものではないし、そんな目標で文部行政国家資金を配分したら学者の力を削ぐようなものであり、自然科学や応用科学でさえその基礎的基盤が崩されてしまうだろう。これは、国力が長期的・根本的に損なわれるということでもある。】


 対するに、安倍・管の「政権構想」そのものとして、こんな考え方がある。自由民主党の多くの国会議員が加わっている日本会議の「日本会議がめざすもの」という文書の冒頭部分を抜粋してみよう。

『 皇室を敬愛する国民の心は、千古の昔から変わることはありません。この皇室と国民の強い絆は、幾多の歴史の試練を乗り越え、また豊かな日本文化を生み出してきました。多様な価値の共存を認め、人間と自然との共生を実現してきたわが民族は、一方で伝統文化を尊重しながら海外文明を積極的に吸収、同化して活力ある国を創造してきました。

 125代という悠久の歴史を重ねられる連綿とした皇室のご存在は、世界に類例をみないわが国の誇るべき宝というべきでしょう。私たち日本人は、皇室を中心に同じ民族としての一体感をいだき国づくりにいそしんできました。

 しかし、戦後のわが国では、こうした美しい伝統を軽視する風潮が長くつづいたため、特に若い世代になればなるほど、その価値が認識されなくなっています。私たちは、皇室を中心に、同じ歴史、文化、伝統を共有しているという歴史認識こそが、「同じ日本人だ」という同胞感を育み、社会の安定を導き、ひいては国の力を大きくする原動力になると信じています。』

 この文章にある「歴史認識」、「同胞感」を、日本の人文社会系学者のどれだけが認めるだろうか。また、この同胞感を憲法、法律に盛り込んでいくことについては、司法関係者のほとんども反対するはずだ。それでいて、日本会議国会議員懇談会の名簿を見ると、安倍、麻生は特別顧問だし、管、下村、高市らは副会長。石破、岸田も入っている。こうして、言ってしまえば、こういう歴史認識を持つ人々にとっては、大部分の人文社会系学者などは邪魔者に過ぎぬし、分立三権もこの同胞感国家の実現目指して一つにしてしまえという、そんな思惑で進んできたということではないのか。こんな政治思想は、言うなれば狂信、まともな頭脳から出たものとは到底思えないのである。

『非民主的思考というのは「これが消えて欲しい」という考え方です』(マルクス・ガブリエル)

『民主的な制度の機能は、意見の相違に直面したときに暴力沙汰が起きる確率を減らすことです』(同)

 ガブリエルのこの言葉に従えば、安倍・管の政治は暴力そのものである。外っておけば、色々外堀を埋めていくその行く末はヒトラーと同じになっていくような。

コメント (1)
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