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日本政治最大の爆弾  文科系

2021年01月28日 10時28分49秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 今日も朝日新聞記事の紹介だが、中日新聞を取っている家が多いここ中部地方に向けては、意味のあることと愚考している。
  昨日27日朝刊13面「オピニオン」面の右下「多事 奏論」シリーズ、編集委員・原真人の「異次元緩和8年 泥沼からの出口はあるか」に目がとまった。僕も第二次安倍内閣発足以来当ブログ「財政ファイナンス」問題として重視してきたからだ。財政ファイナンスとは、放漫国家財政をやって赤字を出し続けても、その赤字を中央銀行がどんどんお札を刷って穴埋めしてあげれば良いというやり方のことであって、従来の国家財政理論では世界的にも禁じ手とされてきたものだ。安倍が、第二次内閣発足と同時に日銀・白川総裁を屈服させて、こういう道を切り開いたと、ここでも再三見てきたことだ。このままではいつか必ず、この国の貨幣の国際的信用が暴落する。例えば、近年世界中の国々で無数に起こったことだが、通貨の空売り、通貨危機に襲われて超インフレが起こったり、中央銀行券が紙くずになったりするのである。日本のこの現状について、原氏が述べていることを抜粋してみよう。

『(前略)日銀にとっての「出口戦略」とは異次元緩和を混乱なく終わらせることである。黒田東彦総裁は当初この政策は2年間の短期決戦だと説明していた。想定通り進んだなら6年前から出口に向かっていたはずだ。
 ところが実際は緩和をやめられないまままもなく8年になる。・・・・世界最悪水準の日本政府の借金依存がいっそう悪化した。日銀がお札を刷り国債を買い支えることでもっているが、この「打ち出の小づち」がどこまで持続可能なものなのか誰にもわかっていない。
 市場機能も壊れかかっている。コロナ不況のさなかというのに平均株価はコロナ禍前を上回り、バブル期以来30年ぶりの高値をつけた。最近は「不況が続けば株価が上がる」という倒錯した相場観が広がる。金融緩和だのみの異様な株高ブームの先に何があるか、実は市場心理の底には不安や疑心もおりのようにたまっている。(後略)』

 政治論議は、万人に重大過ぎる関わりがあるもの、数字など証拠がはっきりしていること、そして、解決方向の説得力などが大切だろう。それで言えば、この問題は日本人にとって本物の重大事態だと言える。自公政権の選挙勝利目当てとしか言えない赤字放漫財政がいつか国民に転化されずにはおかないからである。そもそも政府にこんなやり方が可能となった理由である国際的信用自身が、他国にはない個人資産と対外財産が国家の借金を遙かに上回っていることによるものなのだから。

 こういう放漫国家経営継続を、原氏はここで「ベトナム戦争の泥沼化継続」と対比させているが、1945年までの日本の「欲しがりません勝つまでは」の泥沼も同じようなものだろう。世界恐慌の中で時の政権を延命させるために必要な反省をせずにずるずると引き延ばして将来の悲劇を大きくしていくそのやり方が同じということだ。このやり方、借金財政、官製バブルの大きすぎる後遺症として、こんなことを指摘する学者も多いのである。
「何の実績もなくなった会社を、『不況が続けば株価が上がる』という流儀で助けてやることによって、そのイノベーション能力をどんどん削いでいるのではないか」

 なお、このようにマネーゲーム以外にはどこにも投資先がないような世界の民主主義的改善処方箋は、新自由主義経済学ではもう手に負えない。国連レベルで世界の総需要をできるだけ緊急、計画的に作っていくケインズ的な世界的有効需要政策と、それによって若者の職業を世界的に作り出していくこととが必要なのである。今はそういう学者の声を国連レベルで集約して道を探すべき時なのだと思う。金融・株主本位の新自由主義経済は、単なる暴力に過ぎなかったと、既に証明されているのである。


 なお、こんなことをやっている間にも、日本の貧しさがここまで進んでいるという別の数字をいつもここに提起してきた。国民一人当たりGDP世界順位の激落である。前世紀90年代半ばの世界5位内外から、今は33位に落ちている。10位台半ばの台湾にはとっくに抜かれ、19年度にはとうとう韓国にも抜かれた。日本の為政者が「選挙勝利だけ、後はどうでも良い」といかに無能無策で済んできたかということだろう。これにともなって、人々の賃金も下がりに下がって、50歳以上で一度も結婚したことがない男性が4人に1人に近づいている。これについては、貧しくて結婚相手に選んでもらえない男性が多いという説が、知る人ぞ知るもの。こんな自公政権を国民はどうして続けさせてきたのだろうか。不思議で仕方ない。

コメント (3)
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