小池都知事の入院には、客観的に言って二つの意味がある。一つは、都議選の「自分の候補者」を体よく見捨てさせたことによって都議会議員選挙敗北ダメージから彼女を救ったこと。今一つは、オリンピック開催問題への関わりから彼女を逃避させたこと。政治家としての小池の左右2本のアキレス腱を守ったことになる一挙両得と言える。
ところで、この入院について麻生財務相が「自分でまいた種でしょうが」と批判したことについて今度は、二階幹事長が「問題外の発言だ!」と切って捨てて見せたと報道された。どうやら、二階・小池と、麻生(・安倍)とが、暗闘しているということのようだ。ちなみに、山口の二階派幹部の選挙区に別の自民党候補を立てるようで、例の広島選挙区河井問題同様のことも起こっているらしい。岸田派の現職を、河井案里を立てて引きずり下ろしたあの事件である。
この暗闘劇が本物なら、自民党内の親米、親中2派の対立と話題にもなって野党を吹っ飛ばし、秋の総選挙対策の一つにもなっていくことだろう。
だが、この事件で確実なのは唯一このことだけだと言いたい。二階が小池の政治生命を救った。それによって、3Aに対する己の潜在的政治力を何倍かにできたということだ。一例、「小池総理」の目を残してみせたというように。
野党が無能で、弱いからこういう「自民の中の嵐」も起こることになる。かくして今の日本、国民一人当たり購買力平価GDPは世界33位で、台湾は愚か韓国よりも貧しい国になり果て、それとともに、50歳まで一度も結婚できない男性が4人に1人近づいた、超少子化、超小国化の国。景気よく見えるのは、日銀の金をどんどん放り込んだ官製バブルの株だけである。こういう国家赤字埋め日銀券も、この赤字額が日本国の対外資産と貯蓄額との相当分を超えていけば後は野となれ山となれという、そんなのが与党政治だったのだ。力の無い野党も含めて、政治家がこんなに無能、脳天気な国もめずらしい。政治家が脳天気とは国民がそうだということ。何よりも、自民党に任せてきて超貧しくなって、孫も居ない爺婆揃いの脳天気国。自民党や連合支持の会社人間、社畜たちの末路国と言うべきか。